株式投資初心者が意外と見落としがちな株式取引のルールに、売買の成立方法があります。成行買いを出す人もいれば、必ず指値で売買する人もいます。売買株数が少ないうちは良いのですが、枚数が大きくなると売買が不成立になり、思うような売買ができなくなることもあります。そこで意外と知られていない「株式売買の成立の仕組み」についてみていきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

ストップ高では「売買不成立」の可能性も?

株式投資をしていると必ず話題になるもののひとつに、ストップ高・安比例配分というものがあります。もし保有株がストップ高になれば気分はいいですが、ストップ安になると次の日まで憂鬱な気持ちになります。このストップ高の売買ルールは、一見知られているようですが、しっかり理解している人は少ないでしょう。

 

まず、ストップ配分が成立する条件です。たとえば、その日の高値の値幅制限で成り行き注文が売り注文より多く引けるとします。この時、買い注文の残件は制限値幅における指値注文とみなされます。そして、同株価の売り注文の数だけ配分されて約定となります。余った買い注文は失効します。

 

このときの配分方法を、比例配分といいます。比例配分とは、買い注文を出している証券会社に1単位ずつ割り当てる方法です。仮に5つの証券会社が買い注文を出していれば、それぞれの証券会社の先頭の注文から約定していきます。これは時間優先の原則に従います。もし比例配分の株券が4単位しかなければ、5つ目の証券会社は1単位もその株券を約定できずに終わります。

 

多くの場合、ストップ高の売り注文は数十単位以上出ているので、1単位も約定できない証券会社というのは、あまりありません。この比例配分の特徴を使ってストップ高の割り当てをもらうには、ストップ高価格にその証券会社で最初に成行買いを出せばいいことになります。さらに資金力があるなら、最も買い数量の多い証券会社になるくらい買い注文を出せば、その日のストップ高で一番多い割り当てをもらえることになります。

 

個人投資家の中でも資金量のある方は、このルールを知っているので、ストップ高直後に大量の成り行き買い注文を入れて、株券の配布を並んで待つのです。

 

■まとめ

株の売買を有利に進めるのに役立つルールを紹介しました。このルールを理解することで、今まで売買不成立になっていた理由をわかったのではないでしょうか。大まかにいえば、早い者勝ちで約定する方法と、資金量があれば約定できる方法にわけられるのです。

 

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