採用活動は、「いい人材」と出会えないことには始まりません。自社に魅力を感じてもらうために必要な観点や、メディア活用におけるコミュニケーションの手法を学んで、欲しい人材を惹きつける企業を目指しましょう。本連載では、実例の画像を用いながら、採用の原則原理について解説します。

オウンドメディア・人事ブログを成功させるためには?

採用活動は時として長期戦になります。そのため、ターゲット人材に向けた継続的な情報発信は、彼らがキャリアチェンジを思い立った際に自社を想起してもらううえで効果的な施策となります。

 

LINEでは、主に2つのブログを運営していますが、「LINE HR BLOG(http://line-hr.jp)」では従業員一人ひとりや社内の様子を中心に紹介し、エンジニアブログ「LINE Engineering(https://engineering.linecorp.com/ja/)」では主に技術者向けの情報を継続的に発信しています。

 

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一般的に、候補者は応募前より内定後に熱心に情報収集する傾向があります。そのため、採用ページに加えて多くの情報が集積されていることは、内定辞退防止などの観点でも大きな武器となります。

 

採用ページの充実が、内定辞退防止につながっている
採用ページの充実が、内定辞退防止につながっている

 

なお、これらの情報源は、自社の従業員が他部署のキーパーソンや業務を知る手段にもなるという副次的な効果もあります。

 

また、フリマアプリを中心に事業を展開しているメルカリが運営するコンテンツプラットフォーム「mercan(https://mercan.mercari.com/)」は、同業種やスタートアップに留まらず、多くの企業から注目を集めています。「mercan」では、同社のバリューやイベントレポート、人事施策の導入背景やエンジニア向け情報など、多くの情報が日常的に発信されており、メルカリを「働く場」として認知してもらううえで大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

 

また、医療ヘルスケア分野で成長しているメドレーでは、自社サイト内のオフィシャルブログと併行して「wantedly(https://info.medley.jp)」のブログ機能を活用するなどし(https://www.wantedly.com/feed/s/medley)、採用市場における認知を高めてきました。同社は、自社に向き合って魅力を探し、効果的な採用広報手法を考え抜いて自社なりの勝ち筋を見出し、設立10年目にして年間100名の採用を実現しています。

 

ここでピックアップした3社に限らず共通して言えるのは、総合型メディアをはじめとする従来の求人サービスが「フロー型」の情報提供であったのに対し、オウンドメディア・人事ブログは「ストック型」の情報提供だということです。

 

一つひとつの記事の品質はもちろん、それまでのストック総量(運営期間・投稿頻度)が価値につながることを認識し、長期的・計画的に運営していくことが、オウンドメディア・人事ブログを成功させるうえでは必要となるでしょう。

 

 

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青田 努

LINE株式会社 People Partner室 People Experience Designer

※本連載では、書籍『採用に強い会社は何をしているか 52の事例から読み解く採用の原理原則』より一部を抜粋し、採用活動における事例と原則原理を紹介・解説します。

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