「儲かっている社長」には必ず儲かる理由があるという。そば屋の住み込みから160億円を超える不動産を所有するまでになった税理士大家の鳥山昌則氏の『家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方』(現代書林)から一部を抜粋し、どんどんお金を増やす人の考え方や行動特性を紹介する。

「商いは飽きない」の意味を知っているか

事業を経営していたら、誰でも課題に突き当たることがあるでしょう。でも「儲かっている社長」は、いちいちヘコんだり、グチを言ったりしません。トラブルも「今のやり方を見直すチャンス」や「新しい提案を考える機会」などと考え、前向きに解消していきます。

 

「商いは飽きない」という言葉があります。

 

この言葉を「商売は何があっても細々と長く続ける」→「するといつかはチャンスが降ってくる」という意味で解釈している人が少なくありません。そして、何年も何年も同じことを繰り返している。

 

そんな「儲かっていない社長」は、遅かれ早かれ消えていきます。

 

私は「商いは飽きない」というのは「飽きない」ために、課題が見つかったらチャンスと捉えて変化する――そうして微調整を繰り返しながら挑戦を続けていくことが、「商い」の意味だと考えています。

 

先日、ソフトバンクグループ株式会社の会長、孫正義氏は、決算の内容が創業以来最悪の7000億円の赤字だと発表しました。

 

しかし孫会長は、決して悪びれず「ボロボロの大赤字でございます」と言い、失敗を潔く認めています。

 

私は、このような素直さと、失敗に萎縮せず「今回の損失を活かして、目標達成のために今後もやり切る」覚悟と実行力が、儲かっている社長に欠かせない資質だと考えます。

 

もちろん、体力を半分以上消耗したら撤退する勇気も必要です。

 

しかし、孫会長にはまだまだ体力と勝算があるのでしょう。

 

また「商いは飽きない」という言葉には、もう一つ大事な意味が込められています。それは「お客さんを飽きさせない」ということです。

 

「売り上げが上がらない」と悩む「儲かっていない社長」は、このことを忘れています。

 

私は「お客さんを飽きさせない」というのは、「お客さんの求めているものを提供する」ことだと考えています。

 

お金を儲けて「商人」として成功するためには、自分たちの都合を押し付けるのではなく、お客さんが望むものを提供しなければならないのです。

 

江戸時代から明治にかけて活躍した「近江商人」の経営哲学に、「三方よし」があります。「三方よし」とは、売り手によし、買い手によし、そして世間にもよしということであり、「自らの利益の追求ばかりせず、お客さんや社会の幸せまで考えて商売せよ」ということです。

 

近江国は、現在の滋賀県であり、近江国の国内に本店を置き、他国に行商した人たちが近江商人と呼ばれています。私は「越前商人」がルーツの福井県出身ですが、日本全国、多くの企業の経営理念の根幹となる「三方よし」の精神を自分でも取り入れています。「お客さんのため」、そして「三方よし」を頭に置いて、課題の解決にあたると、トラブルは次なる発展のきっかけとなります。

 

しかし「お客さんが望むもの」という商いの基本を忘れてしまうと、困難を乗り越えてもまた次の困難がやってきます。

 

「何をやってもうまくいかない」社長は、このことをもう一度、思い出してみてほしいの

です。

 

 

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家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方

家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方

鳥山 昌則

現代書林

そば屋の住み込みバイトから160億円の不動産を所有するまでになった税理士大家さんがお金の増やし方を指南する。 保有している物件の資産価値は160億円、物件数は80棟、800戸。年間11億円の家賃収入を得ている一方で、5つの…

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