娘絶句「認知症じゃなかったの…」ゴミ屋敷に住む65歳の真相

引きこもり、うつ病、孤独死…。浜松医科大学名誉教授・高田明和氏は書籍『定年を病にしない』(ウェッジ)にて、定年を境に引き起こされる深刻な問題を指摘している。悲惨な老後を迎えないためにも、41人に及ぶ実例を見ていこう。今回は「認知症だと思われていた65歳男性」について。

「禁酒・禁煙一気にやる!」張りきりすぎた54歳の末路

【事例2】

大手証券会社の投資情報部で部長を務める睦夫(54歳)は、健康診断の結果が悪かったため、禁煙に踏み切った。お酒は少し飲もうと思っていたが、歯科医院に行ったときに麻酔の効きが悪かったため、怖くなって禁酒もすることにした。

 

ただ、イライラが止まらなくなり、部下を怒鳴り散らすことが多くなったため、1日に6本だけ煙草を吸うことにした。それでも多忙期に入ると本数が増えた。お酒も会社の飲み会で飲んでしまい、酒量は減ったものの自宅でも缶ビールを飲むようになった。このままではいけないと気持ちを新たにした睦夫は、禁煙外来に通い、再び禁酒を誓った。イライラするのを我慢できたが、最近では仕事に集中できず、趣味の時間を楽しむ気力さえなくなり、夜中に目覚めることも多くなった。そして、忙しく働いている最中に高血圧で倒れてしまった。

 

◆アルコールよりも恐ろしい「ストレス」

 

睦夫さんの場合、禁煙と禁酒を同時にしたのは失敗でした。禁煙はしたほうがいいのですが、医者から止められていないのなら、禁酒はする必要はありません。適量のお酒なら、飲んだほうが健康にはいいくらいです。

 

たとえば、アルコールは興奮を抑制して睡眠を促しますので、不安を鎮めてくれます。血管を広げる作用もありますので、心臓に栄養を与える冠動脈も広がり、心筋梗塞の予防にもなります。毎日、適量のお酒を飲む人のほうが長生きするというデータも多いくらいです。

 

現代社会においては、うつを軽く見てしまう人は少なくありません。うつはがんや糖尿病に匹敵することは以前紹介した記事『「俺はいつから負け組に…」50歳男性、一念発起した末路』で説明しましたが、睦夫さんのように健康のために禁煙したり、禁酒したりして過度なストレスを覚え、うつになってしまう人もいます。少なくとも禁煙や減酒と同じようにストレス対策は大切で、うつを予防すべきです。

 

ストレスは「万病のもと」といえます。睦夫さんは高血圧で倒れてしまいましたが、うつや高血圧だけでなく、肥満症、過敏性腸症候群、頭痛、脳卒中、心臓病などの病気に影響します。

浜松医科大学 名誉教授

1935年静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。医学博士。米国ロズエル・パーク記念研究所、ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を歴任後、現在同大学名誉教授。

専門は血液学、生理学、大脳生理学。日本生理学会、日本血液学会、日本臨床血液学会評議員。

脳科学、心の病、栄養学、禅などに関するベストセラーを含む著書多数。最近はマスコミ・講演で心と体の健康に関する幅広い啓蒙活動を行っている。

自身もうつやHSP(超敏感気質)に長年苦しみ、HSPを扱い紹介した『敏感すぎて困っている自分の対処法』(監修、きこ書房)は日本での火付け役となり、話題を呼んだ。

最近の著書に『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』『HSPと発達障害 空気が読めない人 空気を読みすぎる人』(いずれも廣済堂出版)がある。

著者紹介

連載孤独、引きこもり、うつ…定年後、男性を襲う様々な「危機」から人生を守るヒント

定年を病にしない

定年を病にしない

高田 明和

ウェッジ

すべては50代でのマインドセット次第! 定年後の男性を待ち受ける悩みは様々です。「意欲がわかない」「出不精になる」「自分を責める」「暴言を吐く」「焦燥感にかられる」「居場所がなく孤独を感じる」「人付き合いがうま…

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