間食するなら「素焼きのナッツ」⁉目にやさしい食生活のススメ

「黄斑」という器官には、ものを見るのに必要な視神経が集まっていて、私たちの視界を常に支えています。そのため常に強いストレスが掛かっており、悪い影響を与える生活習慣を続けることで、病気になってしまうことがあります。今回は、はんがい眼科・板谷正紀理事長の著書『目の悩みは眼底を疑いなさい「見える」を支える“黄斑”のチカラ』より一部を抜粋し、食生活に取り入れるべき「目にやさしい」習慣や、不足する栄養の補い方について解説します。

目にやさしい食生活に改善するための4つのポイント

数年前に「◯◯が△△に効く!」と、食品の効能を紹介するテレビ番組が大流行したことがありました。そこで取り上げられた食品は翌日あっという間に売り切れて、昼過ぎにはスーパーの棚が空っぽになっているほどの影響力でした。

 

たいていは翌週には品不足がすっかり改善していましたから、そのときだけ飛びついて長続きしない人がほとんどだったのでしょう。けれども、どんな食品も食べたらすぐ効果が出るわけではありません。

 

日々の食事に習慣として取り入れることで、長い時間をかけて少しずつ身体が変わっていくのです。

 

また、1つの食品を集中的に摂っても、期待する効果は得られません。食品から摂る栄養にはさまざまな相乗効果がありますから、食生活全体で改善をはかってください。

 

それぞれの栄養素ばかりを気にして献立を考えていくと、かなり面倒くさいことになりかねません。たとえばいくら亜鉛が多く含まれているからといって、牡蠣を月に何度も食べるわけにはいかないでしょう。食べれば食べるほど、効果が上がるわけでもないのです。

 

そこで、そんなに神経質にならなくても目にやさしい食生活に改善するポイントをお教えします。

 

①和洋中で迷ったら和食にする

 

昔から欧米人には多かったけれども日本人にはそれほど多くなかった黄斑の病気が、近年急速に増えてきたのは、食生活の変化が原因として考えられます。

 

さばの塩焼き、ほうれんそうのおひたし、納豆、ごはん、お味噌汁……定食屋さんの定番メニューですが、私たちが昔から食べてきた献立は、黄斑にやさしい食事だったのです。

 

②肉か魚で迷ったら魚にする

 

日本人の魚の消費量は年々減ってきています。厚生労働省「国民栄養調査」「国民健康・栄養調査報告」によると2007~2010年に肉と魚の摂取量が逆転し、以降その差はどんどん開いています。

 

昔は黄斑にやさしい食生活だったのに、気がついたら魚を食べる機会が減っていたのは残念なことです。

 

最近は健康ブームでサバ缶の良さが見直されるなど、いいニュースもあります。また、サバ缶をおいしくいただくメニューもたくさん考案されています。

 

肉だって美味しいですし日本人が不足しがちなタンパク質を補うためにもちろん必要なのですが、肉か魚かで迷ったときは魚にするくらいの心がけでいたほうが、ちょうどよいバランスになるのではないでしょうか?

 

③緑黄色野菜を多く摂る

 

野菜を買うときには、緑黄色野菜を選ぶようにしましょう。多くの人は意識しないと緑黄色野菜が不足しがちな傾向にあるようです。

 

緑黄色野菜とは、にんじん、かぼちゃ、ほうれんそう、クレソン、こまつな、ブロッコリーなど、要するに色の濃い野菜です。とくにほうれんそうは黄斑にいい栄養素(ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンC、βカロチン、亜鉛)が含まれています。ビタミンEの多いごま和えにして食べれば最強です。

 

緑黄色野菜でない野菜は「淡色野菜」といいます(レタス、ゴーヤ、白菜、茄子、とうもろこし、カリフラワー、もやし、れんこん、大根、たまねぎなど)。「緑黄色野菜を多く摂りましょう」というのは、淡色野菜を減らしましょうという意味ではもちろんありませんので念のため。

 

たとえばゴーヤはビタミンCが豊富ですし、紫色の茄子の皮には目の疲れを取るとされるアントシアニンが含まれます。また、たまねぎにはアリシンという血液をさらさらにする成分が豊富です。

 

④間食はナッツ類にする

 

間食はいけないことではありませんが、何を食べるかが問題です。スナック菓子や菓子パンは脂質や糖質が多く、中性脂肪やコレステロールを増やしてしまいます。そこでおすすめしたいのはナッツ類です。

 

とくにクルミはα-リノレン酸をもっとも多く含んでおり、ポリフェノールやメラトニンなど抗酸化値がナッツ類でもっとも高いほか、ビタミンEや亜鉛も豊富です

 

ビタミンEはアーモンド、ピーナッツ、ヘーゼルナッツに、亜鉛はカシューナッツにも多く含まれます。スーパーやコンビニなどでは「ミックスナッツ」が売られています。塩がまぶしてあるものだと塩分の摂りすぎになってしまうかもしれないので、「素焼き」のものを選んでください。いろいろな味が楽しめます。

サプリメントを使って、不足の栄養分を上手に補う

健康維持に必要な栄養素は食事から摂るのが基本ですが、現実的に実践しようとしても品数が多くなって大変です。食べられる量にも限りがあります。忙しいなか準備する時間もありません。

 

また、最近の野菜はミネラル類やビタミン類が以前の半分から10分の1しか含まれていないという問題があります。化学肥料により土壌が変化してしまったためと言われています。これでは、いくら食べても十分なミネラルとビタミンを摂取できません。

 

そこで不足分はサプリメントで補う、という方法が選択肢に上がります。

 

不足する栄養はサプリメントで補うこともできる
不足する栄養は、サプリメントで補うこともできる

 

ただ、サプリメントの飲み方で1つ、考えていただきたいことがあります。それは、サプリメントは医薬品ではないということです。

 

日本人には「このサプリメントは◯◯に効く」と聞くと、直接的な効果を期待して1つの成分ばかり飲んでしまう傾向があるようです。たしかにサプリメントは錠剤やカプセルで見た目は薬に似ていますが、あくまで「栄養補助食品」です。

 

「栄養」である限り、1成分ではなく食事のように複数の成分を組み合わせて摂取することが大切なのです。

 

西洋医学の医薬品は1つの成分が1つの薬効を持つことを治験で証明して世に出ます。薬効とは「頭痛が和らぐ」、「血圧が下がる」、「眼圧が下がる」、などある症状に対して直接的な効果です。西洋医学の医薬品は開発されてからも長い年月をかけ治験が重ねられ、エビデンス(1つの成分が実際にその症状に対して効くという証拠)が揃ってはじめて認可が下りるのです。

「黄斑の病気」に効果的なサプリメントもある

サプリメントが普及している米国では、漢方の考え方をベースに複数の自然成分(漢方では生薬)を組み合わせて健康体質の増進を図るものと考えられています。古代中国では、複数の生薬を組み合わせることにより、人があらかじめ持っている自然治癒力を高め病気になりにくい体質に改善するという考えがありました。

 

1つの生薬に期待するのではなく、生薬の組み合わせの効能を期待するのです。生薬の組み合わせを変えることで、ある生薬の薬効を高めたり毒を抑えることができることがわかっていたのです。

 

米国のサプリメントも、健康を保つうえで必要な自然成分を組み合わせることにより、人が本来持っている健康であるための力を引き出し、病気になりにくい体質へ改善することをめざすものです。

 

この米国のサプリメントの考え方がもっとも成功しているのが眼科領域の加齢黄斑変性においてなのです。

 

ボシュロム社から出ている『オキュバイト』というシリーズのサプリメントですが、米国の大規模臨床試験の結果「これを飲むと加齢黄斑変性の兆候がある人が悪化しにくくなる」ことが証明されました。

 

たとえば『オキュバイト50プラス』2粒には、ルテイン5ミリグラム、ゼアキサンチン1ミリグラム、EPA160ミリグラム、DHA90ミリグラム、ビタミンC150ミリグラム、ビタミンE20ミリグラム、亜鉛9ミリグラムと、黄斑が若々しさを保つのに必要な抗酸化作用を持つ栄養素がほぼ全部入っています。

 

このように個々の自然成分の効果に対しては治験で証明されたエビデンスはありませんが、複数の自然成分の組み合わせの効果が高いエビデンスレベルの治験で証明されたのです。

 

 

板谷 正紀

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長 

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。
埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

▼はんがい眼科の公式ブログ「目のブログ」▼
https://eyeblog-hangai.com/
▼多焦点白内障手術 無料個別相談会 開催中!▼
https://hangai.org/cataract-seminar/

著者紹介

連載眼科理事長が解説!「見える」を支える“黄斑”のチカラ

目の悩みは眼底を疑いなさい 「見える」を支える“黄斑”のチカラ

目の悩みは眼底を疑いなさい 「見える」を支える“黄斑”のチカラ

板谷 正紀

幻冬舎

欧米の成人失明原因第1位でありながら、あまり認知されていない黄斑疾患。初期症状や治療法、予防法を徹底的にわかりやすく解説した革新的一冊。