どう頑張ってもお金が足りない、増えない…働けど働けど、生活に困窮する日々。「もうどうすればいいの!」と匙を投げたくなるかもしれませんが、実は、家計の「ざんねんポイント」に気づいていないだけかもしれませんよ。本連載では、株式会社マイエフピー代表取締役・家計再生コンサルタント/ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏の著書『となりの家のざんねんなお金の話』(あさ出版)より、事例をもとに、お金の知識をわかりやすく解説していきます。

 

【酒井さん(45歳/男性)の場合】

 

「このままいくと、老後は独り身かもしれない。そう思って、いろいろな積み立てをしているのですが、すぐに使える貯蓄がないんです」

 

45歳で独身の酒井さんは、老後が心配で、若いころからお金を貯めてきました。ですが、なぜか今、手元に自由に使えるお金がありません。話を聞いてみると、酒井さんは将来に向けていくつかの方法で積み立てをしていました。

 

最初に始めたのが、会社の「企業型確定拠出年金(DC)」。手数料を会社が負担してくれることに加えて非課税で運用でき、受取時も税金が控除される。しかも60歳まで引き出せないので、「確実な老後資金」になると考えたからでした。

 

財形貯蓄もしていて、非課税制度を利用できる「住宅財形」を利用しています。こちらは若いころに、将来結婚してマイホームを建てるだろうと思って始めたそうです。

 

プロの私が見てもこれだけでも十分だと思うのですが、1〜2年ほど前から、銀行預金はほとんど金利がつかないからと、「積み立て型の投資信託」も購入し始めました。さらに非課税で長期的に運用できる「つみたてNISA」も、将来に役立つお得な積み立て方法だと思って始めたといいます。

 

「大きなメリットがあるものは、利用しないと損だ」と思ってコツコツ積み立てた総額は、なんと1200万円。ですが、あまりに手を出しすぎて、収入のほとんどが積み立てに消え、生活費が足りなくなってきたというのです。

 

お金があるのに生活費が足りない
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となりの家のざんねんなお金の話

となりの家のざんねんなお金の話

横山 光昭

あさ出版

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