公的年金だけでは足りない!豊かな老後を送るための「自分年金」の作り方

誰でも定年退職後は豊かな生活を送りたいものですが、老後資金をどう形成すればよいのか、悩ましいところです。老後生活資金のひとつとして、不動産投資を行うケースが考えられますが、手堅く成功するための方法はあるのでしょうか。※本記事は、三菱UFJ不動産販売株式会社運営の不動産情報サイト「住まい1」からコンテンツの一部を抜粋し、編集を加えたものです。

 

年金問題の話を聞くたびに、自分の老後は大丈夫だろうかと心配になります。定年退職後には、豊かな生活を送りたいものですが、どうやって老後資金を形成すればよいのでしょうか。

 

◆今回のポイント◆
・定年退職後、ゆとりある暮らしをしていくためには、年金だけでは足りません。
・老後資金の形成手段のひとつとして「不動産投資」を検討してみましょう。

豊かな老後を送りたい…公的年金だけでは実際、いくら不足するのか?

会社員にとって、定年退職は人生の大きなターニングポイントです。


とくに家計や資産への影響は大きく、退職金としてまとまったお金が入る、年金の受給開始まで無収入の期間がある、年金額が少ない、病気や介護で出費が増える可能性があるなど、お金について様々なことを考えなければなりません。

 

重要なのは、そのときになって急に慌てることがないように、あらかじめ老後の生活を想定し、できることを検討していくことです。


では、定年退職後の家計はどうなるのでしょうか。

 

生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」(2019年)によると、夫婦2人が生活していくために必要なお金は平均で月22.1万円となっています。分布をみると、「20~25万円未満」が29.4%と最も多く、以下「30~40万円未満」(17.0%)、「25~30万円未満」(13.1%)の順です。


また、旅行や趣味を楽しみながらゆとりある生活をしていくためには、平均で月14万円を上乗せした36.1万円ほどが必要になるといいます。 ゆとりある老後生活費の上位5項目は、「30~35万円未満」が20.8%、「わからない」(19.6%)、「50万円以上」(15.6%)、「40~45万円未満」(10.8%)、「25~30万円未満」(10.6%)でした。


一方で、収入は年金がメインになるでしょう。受け取れる年金額は、それまで納めた年金の額や期間によって変わるため、まずは自分がいくら受け取れるのか把握しておくことが大事です。


受け取れる年金額の目安は、毎年誕生日の月に送られてくる「ねんきん定期便」を見れば分かります。


ねんきん定期便は、現在の年齢が50歳未満であれば、現時点までに納めた保険料に基づいた年金額が記載されています。この金額は、現時点までの納付実績をもとに計算したものですので、60歳まで納付を続ければ受け取れる年金額も増えます。


現在の年齢が50歳以上のねんきん定期便には、今と同じ給与水準で60歳まで働き続けたと仮定した場合の見込み額が記載されています。


支出と収入が分かれば、退職後の家計も計算できます。ほとんどの人は支出のほうが年金(収入)より多く、赤字家計になるでしょう。


例えば、22歳から65歳まで会社員として勤め、勤めている期間中の平均月収(平均標準報酬額)が40万〜50万円くらいだったとしたら、受け取れる年金額は約200万円です。つまり、月あたりの年金収入は17万円弱となり、必要最低限の生活をしていくためには月々約5万円の赤字、ゆとりある暮らしをしていくためには月々19万円ほど足りないということになります。

老後も定期的にお金が入ってくる仕組みをつくる…「自分年金」構築のススメ

赤字額が見えてきたら、赤字を埋める方法を考えましょう。


赤字を埋める方法には、退職金とそれまでに貯めてきた預金を少しずつ使って埋める方法と、別の収入源を作って埋める方法があります。


預金で埋める場合、月5万円(年60万円)の赤字が発生するとすれば、65歳から85歳までの20年分で1,200万円、25年分なら1,500万円の預金が必要になります。ゆとりある暮らしをするためには、さらに月14万円(168万円)必要ですので、前述した金額と合算して、20年分で4,560万円、25年分で5,700万円あれば、とりあえず老後の家計の不安は大きく軽減できることになります。


これだけの預金を準備するのが難しい場合は別の収入源を作れるかどうか考えてみるとよいでしょう。


調査を見ると、老後の生活資金を公的年金でまかなう予定の人は86.7%で、預貯金、企業年金・退職金、個人年金保険などでまかなおうとしている人よりも多いようです。


それ以外の選択肢としては、5人に1人くらいの人の割合で、老後も働いて収入を得ようと考えています。また、10〜20人に1人くらいの割合で、有価証券(株や債券など)の運用や不動産運用による収入を見込んでいることが分かります。

 

出典:公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」(2019年)
出典:公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」(2019年)

家賃収入で老後資金を補完…不動産投資の優位性とは?

定年退職まで時間の余裕があるのであれば、預金を増やしていくこともできますし、個人年金などで積み立てることもできます。また、有価証券や不動産の運用も視野に入れるなら、株式投資の配当や家賃収入によって老後の生活費負担を対策することも可能です。


着実に準備するのであれば、預金や個人年金の積み立てがよいでしょう。定年退職するまで手をつけないことが最低条件ですが、その点さえ守れれば、積み立てたお金は増え続けていきますし、定年退職までの時間が長いほど、定年したときに貯まっているお金も増えます。


ただ、積み立てる期間が長くなるほど、受け取るときにどのような経済状態になっているか分からなくなり、今よりもインフレ(物価が上がりお金の価値が下がること)になっている可能性があります。また、現状は低金利ですので、固定金利タイプの個人年金保険に加入すると、金利が上がったときの恩恵が受けられなくなります。


一方、有価証券の株と不動産には、インフレ時に値上がりする可能性が高いという特徴があります。そのため、預金や個人年金の積み立てを軸にしてお金を準備していくとしても、一部を株や不動産に回すことにより、インフレのリスクを抑えることができます。


収益性の面から見ると、預金と個人年金は安全性が高い分だけ、利率が低く設定されています。一方で、株と不動産は利回りがよく、例えば株の配当なら年2%、不動産であれば年5%の利回りも期待できます。


また、預金と比較すると、預金は長生きするほど減っていくため、残高が減ることによって不安が増していきます。一方、個人年金は終身タイプであれば、寿命に関係なく受け取り続けられますので、その点で安心感があります。株や不動産も売却しない限り収入が続きますし、まとまったお金が必要になったときには、売却して現金化することができるため、その点で見るとさらに安心感があるといえます。

老後生活資金のひとつとしての不動産投資…手堅く成功するためのポイントとは?

定年退職後に定期的な収入を確保できるという点で、不動産運用は貴重な手段のひとつになるでしょう。ただし、ひと口に不動産運用といっても物件のタイプなどによっていくつかのパターンに分けられます。物件タイプ別に特徴を見ていきましょう。


まずは、マンションの一室を買って賃貸に出す区分所有です。


区分所有は、一棟丸々買って運用する方法などと比べて、初期投資が少なく済むのが大きなメリットです。物件数が少ないため、管理の手間も小さくなりますし、入居募集や物件管理などを業者に委託すれば、ほとんど手間なく家賃収入が得られます。


ただし、物件数が少ないため空室リスクは大きくなります。空室が続くほど、収入ゼロの状態が長引きますし、家賃滞納や入居者に問題があったときの影響も大きくなります。


このリスクを抑える方法は、マンションやアパートなどの集合住宅を一棟丸ごと買う投資です。というのも、棟単位で所有し、借り手の数が増えるほど、そのうちの1室が空室になったときの影響も小さくなるからです。


ただ、借り手の数が増えるため、管理の手間がかかり、管理コストも増えます。また、問題ある入居者に貸してしまうリスクも大きくなります。投資資金については、区分所有と比べてまとまった資金が必要になるため、融資を受けられるかどうかが重要なポイントになります。


融資の点では、いずれのタイプも新築は購入価格が高くなりますので、自己資金が少ない人や収入が低い人は融資を受けにくくなります。


また、新築は入居者が入りやすく、最初は高く家賃設定しやすいというメリットがありますが、価格が高いため利回りが低くなることと、時間がたつほど新築の魅力が薄れ、賃料の下落率が大きくなる点に注意が必要です。


一方の中古物件は、新築物件に比べて初期投資が安く収まる、利回りがよくなる、賃料が下落しづらいといったメリットがあります。ただし、古い物件ほど修繕したり、設備などを入れ替えたりする必要性が増しますので、その分のコストがかかる可能性も考えておく必要があるでしょう。


物件のエリアについては、都市圏外の物件のほうが土地代を抑えることができます。そのため、初期投資額が安く収まり、利回りがよくなる傾向にあります。ただし、都市部と比べて人口が少なく、賃貸需要の高い若年層の数も減っていることが多いため、空室リスクは大きくなるでしょう。不動産経営は長期の事業となるため、エリアの人口動態や今後の増減などについては、事前によく調べておく必要があります。


都市部の物件は、基本的には借り手がつきやすいといえますが、周辺の物件供給量などにも影響を受けます。例えば、立地条件がよかったとしても、周囲に似たタイプの物件が多ければ、家賃は上がらず、価格競争になる可能性もあります。


老後の生活費を補填するはずが、不動産運営で赤字になったのでは元も子もありません。区分、一棟を問わず、まずは物件周辺の需要をしっかり分析し、収支予測を立てましょう。

 

 

 

<連載>ライフステージ・スタイル別にみる 賢い資産形成&防衛術

※三菱UFJ不動産販売株式会社運営の不動産情報サイト「住まい1」に遷移します。

【第1回】「時間」を味方に!長期積立投資の威力を知り、資産形成に生かす方法

【第2回】多忙な時期に突然の相続…親から譲り受けた土地の有効活用法

【第4回】孫に直接資産を渡す!生前贈与、養子縁組、遺言、信託の賢い使い方

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著者紹介

連載ライフステージ・スタイル別にみる 賢い資産形成&防衛術

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