金融機関が「融資」をするとき、「免許番号の末尾」を見る理由

2020年東京五輪も近づき、不動産投資ブームがますます過熱しています。実際、「属性の良いサラリーマンは融資が下りやすい!」という謳い文句を耳にした人もいることでしょう。しかし、そもそも、金融機関は何をチェックし、高額な融資をしているのでしょうか? 株式会社センチュリオンの西川将史氏が解説します。

「借りられればいい」で悲惨な思いをする投資家たち

最近、「とにかく借りられればいい」と、高金利の融資を受けている不動産投資家をよく見かけます。たしかに融資が受けられなければ、不動産投資を行うのは難しくなります。しかし、高金利で借りることが収益を圧迫し、キャッシュフローが少ないどころか手元に現金がほとんど残らない……、といった悲惨な状況に陥る投資家もいるのです。典型的な「失敗投資」の実例といえるでしょう。

 

同じ月額家賃が収入として入ってくる中で、そこにアパートローンの返済額がどれだけの割合なのかということを「返済比率」といいますが、返済比率が高ければ余力が減り、「空室がなかなか埋まらない」、「急な修繕でお金が必要だ」といった際に、お金が残らないどころか赤字になってしまうケースが多いのです。

 

いかに手元にお金を残すか=キャッシュフローを得るかということは、不動産投資において大きなリスクヘッジとなります。そのために優位な条件で融資を受けることは、大きな意味があるのです。

 

お金を貸し出す各金融機関にも、さまざまなルールがあります。とくに物件や債務者に対して複数の評価方法がありますが、ざっくりと説明すれば下記のような考え方となります。

 

●金融機関……支店の能力・担当の能力・成績やノルマ・時期

●投資家属性……収入・職業・勤務先・金融資産

●物件……積算評価・収益還元評価・立地・希少性

 

つまり「投資家」、「物件」、「金融機関」の三者が、「どのような評価なのか」、「どのような状況なのか」が基軸となり、その組み合わせによって融資条件は変わってきます。人によって、物件によって、金融機関によって、またその審査を受けるタイミングにもよってきますから、その正解を簡単に導き出すことはできませんが、その仕組みを理解することでより良い融資条件を目指すことは可能なのです。

 

それでは、これらの絶好条件で融資を引き出すポイントを具体的に項目別でご紹介しましょう。前提となる3つのポイントに加えて、さらに5つのポイントを足して、全部で8つのポイントがあります。

 

① 投資家属性(収入/職業/勤務先/金融資産)

 

まずは投資家本人の属性です。収入はどれくらいあるのか、その職業、勤務先と「お金を貸して問題のない人物なのか」というところを問われます。そのため一部上場企業に勤めるサラリーマンや公務員など、安定的な職業に就いて高収入を得ている方ほど高評価が得られます。

 

金融資産と負債のバランスも重要です。たくさんの資産があればあるに越したことはないですが、高収入な方ほど子供の教育費やマイホームなどの居住費にお金をかけすぎてしまっているケースがあります。その点についても、しっかりとチェックされると覚えておいてください。

 

また、クレジットカード、オートローン、消費者ローンなどの支払いの延滞にも注意しましょう。万が一、払い忘れた場合は、個人の信用情報に記載され融資を受ける際のネックとなります。とくにクレジットカードは複数枚持つ人が多いものです。不必要なカードがあれば解約しておきましょう。

 

② 物件(積算評価/収益還元評価/立地/希少性)

 

金融機関は借りる人だけでなく、借りる物件に対しても評価をします。

 

銀行が行う評価には、大きく分けて「積算評価」と「収益還元評価」があります。積算評価を簡単に説明すると建物の価格と土地の価格を足したものです。建物は築年数が経つごとに劣化し、その分価格(価値)が減っていきます。しかし、土地価格に関しては変わらないという見方をします。収益還元評価は、その物件から生み出される収益性から、その物件の価値を推し量る評価方法です。

 

基本的に金融機関は積算評価、収益還元評価どちらも確認しますが、どちらを重視するのかについては、その金融機関によって基準が変わります。

 

立地についていえば、まずは賃貸ニーズがある立地であることが大切です。住む人がいなければ、賃貸経営が成り立ちません。次に利便性です。首都圏であれば駅を基準に徒歩○分と判断しますが、地方であれば生活主要道路から近いのか、駐車場の台数が確保されているかということが重視されます。

 

最後に物件そのものの希少性です。近隣の物件がワンルームや1DKが多い中で、3DKの間取りであれば希少性ありと考えらえます。競合する間取りが少ないほどに有利です。通常6%のエリアで8%等、また、実勢価格で評価をする地方銀行も一部あるので、都心立地の物件だと評価が伸びます。

「免許番号の末尾」を金融機関がチェックする理由

③ 金融機関(支店の能力/担当者の能力/支店・担当者の成績やノルマ達成率/時期)

 

金融機関についてですが、同じ金融機関でも支店によって能力は変わります。支店の規模によっては決済金額も変わることがあり、A支店に打診してNGだったものが、B支店ではOKだったということは珍しくありません。これは担当者の能力も関係してきます。

 

そもそも支店によって規模がありますし、支店長のタイプによっても融資に積極的なのか消極的なのかが変わります。支店の成績、担当者の成績やノルマ達成率というのもありますし、時期(四半期末や年度末等、成績を上げなければならない時期がある)にも左右されます。

 

たとえば定年間際の支店長であれば、積極的に成績を上げるのではなく、無難に失敗をしないように、ということだけを考えているケースがあります。すると、通る融資も通らないという結果になることもあるのです。逆に3月末、9月末といった期末時には、融資ノルマを達成するために多少条件的に厳しい物件でも融資を決めたという、まったく逆の話を聞くことも珍しくありません。

 

④ 自分の親兄弟、配偶者の親兄弟の状況

 

家族を把握することも、融資を有利に運ぶことの一つだと知ってください。たとえば今すぐではなくても将来的に実家を継ぐ、といった相続財産の有無、もしくは地方銀行などは地縁の繫がりを重視するため、自分の親兄弟、配偶者の親兄弟の居住地や取引状況によって、融資が降りる可能性がアップするのです。

 

その他、自分自身の属性がさほど高くなくても、親族が大企業や社会的地位の高い職業に就いている場合もアピールになります。

 

⑤ 運転免許証

 

意外と盲点といえるのが、運転免許証の色です。金融機関では本人確認の意味もあり、必ず免許証のコピーを提出します。その際に、ある程度の年齢にもかかわらずゴールド免許でないと、いろいろ良くない可能性を想像されてしまう懸念があります。

 

また免許番号の末尾は再発行数字であり、その数字が多いということはルーズに見られる可能性もあります。この再発行数字に関しては、免許の更新をしてもリセットされることはないので注意が必要です。

 

[図表1]免許の末尾には…

 

⑥ ポートフォリオ

 

ご存じない方も多いのですが、金融機関はポートフォリオ理論を好みます。よって定期、外貨、投資信託、株式投資など分散投資を少額でもしておくと、バランス良く資産の運用を行っているというストーリーを作りやすいのです。また、そういった金融資産もあるというアピールにも繫がります。

 

⑦ 相談表や家系図など、わかりやすい資料の作成

 

金融機関の担当者が理解しやすい資料を作成しておけば、融資にとってプラスになります。自身の職務経歴表から資産の一覧表、相談表でも紹介した家系図といった資料をあらかじめ作成しておくことで、担当者が稟議書(りんぎしょ)を書きやすくなります[図表2]。

 

株式会社センチュリオン作成
[図表2]融資審査に影響する範囲 株式会社センチュリオン作成

 

稟議書というのは、融資の申し込みを受けた担当者が作成する行内向けの文書です。融資審査では、支店長や本部が決済を出しますが、支店長や本部は融資担当者から提出される稟議書を見て判断しますので、とても重要な書類です。

 

⑧ 銀行口座の入出金履歴

 

自分でできる努力としては、銀行口座の入出金を計画的にしておくことです。ポイントとして、高額な出金は控えること。これは「浪費をしている」というようなイメージを与えないためです。逆に毎月定額の入出金があれば、物事を計画的に進めることをアピールできます。その他、月々の生活とは関係のない交遊費等は、別口座で管理するのが良いでしょう。

 

家計管理からの側面だけでなく、銀行からの見た目も良くなります。最後に定期預金です。定期的に貯金を行うことは、より良い印象を与えます。この場合は金利が高いネット銀行を推奨します。預金については、ポートフォリオで紹介したような他の金融商品でも構いません。

 

株式会社センチュリオン 実業家

京都府京都市出身の実業家。大学卒業後、大手IT企業の営業職を経験。その後、投資用不動産専門ベンチャー企業に転職。
2008年11月、渋谷区にて株式会社センチュリオンを設立。同社は、設立以来300棟以上の投資用不動産を投資家へ提供し、投資家の資産形成を行ってきた。「不動産投資の成功人口を増やす」ことをミッションとして、投資家に対する無償の情報公開も積極的に行っている。自らも多くの収益物件を持つ投資家。現在は、複数の会社の経営や事業への投資を行い、幅広く活躍している。

株式会社センチュリオンHP:http://www.cent.co.jp/

著者紹介

連載幻冬舎ゴールドオンライン人気記事ピックアップ

300勝0敗!  不動産投資「超」圧勝法

300勝0敗! 不動産投資「超」圧勝法

西川 将史

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産投資ブームに乗り切れ! 熾烈なライバル争いを制する「圧勝法」とは。 不動産投資市場のバブル化。そう呼ばれるほどにまで注目を集め、年々拡大を続ける不動産投資市場。2020年東京オリンピックの開催に伴い、地価の高…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧