2歳前後の子どもに現れるイヤイヤ期。多くの保護者が、対処法に悩んでいることでしょう。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、実際にあった質問から、イヤイヤ期の子供への叱り方について解説します。

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イヤイヤ期の子どもの行動は、とても理不尽

イヤイヤ期とはどんな時期なのでしょう。

 

それは、ママとは違う自分、いわゆる「自我」を育てる時期です。

 

赤ちゃん時代は、「ママ」と「自分」の区別がはっきりしていません。徐々に「ママ」や「自分」がいることに気が付き始め、1歳半~3歳ごろになると急激に自我が育ってきます。その「自分でやりたい」という欲求は抑えがたいほどで、これが自立の第一歩になります。

 

イヤイヤ期の子どもの行動は、とても理不尽ですから、善悪で考えるとイライラしてしまうご両親も多いことでしょう。

 

イヤイヤ期、子供の行動はとても理不尽
イヤイヤ期、子供の行動はとても理不尽

 

でも、これは「発達のための必要な過程だ。」ということと、「いつまでも続かない」ということを、ぜひ心に留めておいてください。

 

では、そのような時期の子どもをどのように受け止め、叱っていくべきなのでしょうか?

 

この時期の子どもの感情は激しく、叱っても親の言葉は届きにくいものです。「ダメなことはダメと教えなくていいの?」と、親も感情がエスカレートしてしまうこともあるかもしれませんので、叱る時のポイントを押さえておきましょう。

「イヤイヤ期」への、効果的な叱り方とは?

叱るときのポイントは3つです。

 

  • ・1分以内で叱る
  • ・行為を叱る
  • ・人格を否定しない

 

お友達を叩いたら、叩いたことを叱りましょう。その時、怒る必要はありません。「お友達を叩いたらダメよ」と、目を見て叱るのです。

 

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また叱る時の基準も3つあります。

 

  • ・危険なことをしたとき
  • ・人を傷つけることをしたとき
  • ・社会のルールに反し、人に迷惑をかけたとき

 

この3つをしたときは、中途半端に止めるのではなく、きっぱりと「ダメ!」と叱りましょう。駐車場で走ったり、お友達に危険が及んだりするときは、暴れてもしっかり抱きしめ「危ないよ!」と、叱りましょう。

 

これ以外では、親は負けてよし!です。

 

3歳を過ぎると少しずつ社会性がつき、4歳から5歳になれば、周囲に合わせて我慢もできるようになってきます。

「怒る」と「叱る」は違うこと

子どもが思い通りにならないとき、親の心には「怒り」の感情がわいてきます。

 

「怒り」の感情は、誰にでもあるものですから悪いことではありません。ただ、その感情をそのままお子さんにぶつけてしまうと、「怒る」ことになります

 

「怒る」と「叱る」の違いと、区別の仕方を学んでいきましょう。

 

◆「怒る」は、自分の感情。「叱る」は、自分の行動

「怒り」をぶつけられたお子さんはどうなるでしょうか?自分の気持ちを外に出せる子は反抗し、反抗できない子は、内に向け委縮したりします。また、怒りをぶつけたお母さまも感情にのみこまれ、一日中イライラし、ついまた怒ってしまうという悪循環なのです。

 

「叱る」は、相手を思いやっての自分の行動です。

 

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子どもは、社会の知らないルールがたくさんあります。ですから、人に迷惑をかけたときや危険なとき、冷静に行動し叱るのです。

 

◆「怒る」は、あなたメッセージ。「叱る」は、わたしメッセージ

怒る時は「あなたがこうだから……」と、あなたが主語のあなたメッセージになります。このようなあなたメッセージは、相手への否定になりますので自尊感情を傷つけてしまうことがあります。ですから、叱る時は、冷静に第一感情で、「わたしメッセージ」で叱ってくださるといいでしょう。

 

道路に飛び出そうとしたら、「危ない!」と、叱った後に「おかあさんは、Aちゃんが車にはねられるのではないかと心配したよ。」と、“わたし”を主語にして、自分の感情を、子どもの目線に下がり冷静に叱るのです。

 

そうすると、お子さんに「お母さんは僕のこと心配している。」という気持ちが伝わり行動が変わるきっかけになるのです。

 

◆「怒る」をがまんすると噴火してしまう

怒りの気持ちを我慢してふたをすると、いつか噴火してしまいます。怒りレベルはどのようにして上がっていくのでしょう。“0~+5段階”にわけてみてみましょう。

 

はじめは、優しく「やめようね。」(怒りレベル0)と言っているのですが、徐々に「やめなさいと言っているでしょ!」(怒りレベル+3)と、お母様の言い方もだんだんきつくなり、そして最後には「何回言ったらわかるの!?」(怒レベル+5)と、爆発してしまうのです。

 

それならば、噴火する前に、怒りレベルが低いうちからきちんと叱るのです。

 

「止まって!狭いところで走ると、ぶつかって怪我をすることがあるの。小さい子に大けがをさせてしまうこともあるから本当に危ないの。」と、しっかりと叱るのです。

 

◆プラスのイメージで叱る

「あなたが何度言っても分からない」と、叱られて育った子どもの自分への自己イメージを考えてみましょう。それは、「ぼくは、何度言ってもわからない子」となってしまうのです。

 

あまり心配なさらず、「この子は、無限の可能性を持った素晴らしい子」と、信じてください

 

そうすると、うまくいかない時は「きょうは、たまたまできなかったのね。」「いつかできるようになるよ!」と、言葉が変わってきます。

 

怒りに任せて怒ることは子どもにとってもお母さまにとっても辛いことです。正しい叱り方を身につけていきたいですね。

 

 

大坪 信之

株式会社コペル 代表取締役

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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