日本人、「中途失明」で危ない!良い眼医者さんはどう選ぶ?

年齢を重ねれば、老眼や白内障なども始まり、視力の衰えをよりいっそう感じることでしょう。「年だから仕方がないか…」と、納得してしまいそうになりますが、思わぬ病気を発症している可能性に、気づいているでしょうか。本連載では、はんがい眼科・板谷正紀院長の書籍『「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術』(幻冬舎MC)より一部を抜粋して、眼病の知識をわかりやすく解説します。

「中途失明」によって生活が激変してしまう前に

現在の日本では、眼科手術技術の進歩により、白内障で失明する人の数が激減しました。安全で短時間でできる白内障手術により、若い頃の鮮明なビジョンを取り戻すとともに不便だった屈折(強い近視や遠視)を理想の屈折に選び治すことができます。さらには、老眼も治すことも可能になりました。

 

しかし、白内障の中には、難度の高いハイリスク症例が潜んでいます。水晶体がぐらぐらに弛んでいる症例、角膜と水晶体の間のスペースが狭い症例(浅前房)、緑内障を併発している症例、極度に硬化した症例、急激に進み膨張している症例(膨化白内障)、前立腺肥大の治療薬の内服歴があり虹彩(茶目)がフニャフニャになってしまい手術が難しくなる症例などがあります。

 

このような隠れたリスクを回避するには、患者さんの症状を的確に把握し、その難度に応じて、あらかじめリスクを回避する手術器具の準備を行い、リスクに応じた手術技術を用いて手術を行うことが必要です。

 

また、白内障手術の陰には失明のリスクがある病気が潜んでいることがあります。失明の原因となる眼の病気は、大部分が緑内障と眼底疾患(糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、病的近視など)です。

 

中途失明は昨日までの生活を一変させてしまうものです。このような失明のリスクのある疾患を早期に発見し、的確に診断し、最適な治療方法で対応することが患者さんの人生を守るために必要なのです。

 

◆中途失明の原因は眼底

 

人生の半ばで視力を失う原因となる病気はまだまだたくさんあります。その原因の上位にあるのは、第1位 緑内障、第2位 糖尿病網膜症、第3位 網膜色素変性症、第4位 加齢黄斑変性、第5位 病的近視です。

 

この5つの病気には共通点があります。それは、いずれも眼球のなかでも眼底と呼ばれる部分に病変が潜んでいるということです。また緑内障を筆頭に病気の初期に自覚症状がなく、気づいたときにはかなり病状が進んでいる点も共通しています。

 

とくに失明原因第1位の緑内障には多くの誤解があります。その最たるものが「正常眼圧」という落とし穴です。日本人には眼圧が正常な緑内障が多く、眼圧検査だけでは、多くの緑内障は見つけることができません。

 

緑内障の早期発見には精密な眼底検査による視神経乳頭と網膜の評価が重要であるにも関わらず、眼圧が正常だというだけで精密な眼底検査が行われなかったり、その人の症状にあった適切な眼圧のコントロールが行われていなかったりするのです。

 

中途失明は、あなたの生活の質を一変させてしまいます。あなたのこれからの人生を守るためには、失明のリスクのある疾患を早期に発見し、病気の程度とリスクを的確に診断し、最適な方法で治療するために、まず精密な眼底検査を受けることが必要なのです。

 

とにかく検査が大事
とにかく検査が大事

精密な検査を受けられる「理想的な病院」の探し方

これまで日本にはみなさんの身近に、気軽に検査にいけて、高度な手術に対応できる人材と設備をもった眼科は多くはありませんでした。あなたを失明から守るために理想的な眼科の条件を挙げると、つぎの4つになります。

 

① 常に最新の医療機器を導入し、常に最先端の医療技術を追求する覚悟があるかどうか

 

世界中で次々と新しい治療法や治療機器が開発されています。最新の医療機器を導入することは大学ですら簡単ではありません。民間病院では経営者がリスクを負う覚悟があれば導入できます。あなたを失明から守るためには、グローバルな視点で最先端の医療のなかから本当にあなたのためになる医療を選定し実践している眼科が求められます。

 

② 高い技術と志を持つ医師が集まる環境を整備すること

 

ただ、いくら最新の医療機器が揃っていても、そこに高い志と技術をもった有能な医師がいなければ高品質の医療は提供できません。そのような医師を集める経営理念に裏付けられた環境整備が追求されている施設かどうか? すなわち、余裕のある施設と良質な医療環境を常に整備して、医師が研鑽を積み重ね成長できる環境をつくることをめざしているかどうかが重要です。

 

③ 検査や診断、治療の過程をすべて「見える」化すること

 

さらに重要なことは、診断の根拠となる検査結果がすべて見えることです。手術をはじめとする治療後の検査結果もすべて見せてくれることが重要です。どんなささいなことでも間違いは間違いと認めて謝る環境にあるかどうか。職員全体が、これを実行できたらすばらしいでしょう。オープン・イズ・ベスト。垣根の無い医療環境が、患者さんと医療機関の信頼のはじまりです。

 

④ 患者さんの待つ苦痛に思いやりのある医療を行うこと

 

眼科はどうしても診察前に行う検査が多く、それにかなり時間がかかります。たとえば眼底の画像検査をするには、目薬で瞳を大きく開く必要があります。これを専門用語では散瞳(さんどう)といいますが、瞳が最大に開くまでに15分から30分かかります。

 

しかも、散瞳すると視力検査や視野検査ができませんので、これらが終わってからの散瞳になります。散瞳した後に眼底の画像検査になるのです。わたしたちの場合、患者さんに検査画像をお見せして十分な説明を行いたいから診察時間が長くなり、その結果待ち時間が増えてしまう。そのジレンマの中でわたしたちは闘っています。

 

 

板谷正紀

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長

 

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長 

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。
埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

▼はんがい眼科の公式ブログ「目のブログ」▼
https://eyeblog-hangai.com/
▼多焦点白内障手術 無料個別相談会 開催中!▼
https://hangai.org/cataract-seminar/

著者紹介

連載眼科院長が教える!ライフスタイルに合わせた「白内障手術」ガイド

「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術

「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術

板谷 正紀

幻冬舎

白内障を治せば人生が変わる!ずっと忘れていた「見える喜び」を取り戻せば、人生は、もっともっと楽しくなる。