「目薬さして10分」で視力回復!? 白内障手術の凄まじい進化

手術ときくと、だいたいの人は鋭いメスや麻酔を打つ注射器を思い浮かべて、「痛そう」「怖い」とネガティブな感想を抱きます。ましてや手術部位が目となると、なおさら拒否感を強めてしまいます。しかし、実際の白内障手術は痛くも怖くもなく、一瞬で終わるものなのです。本連載では、年間1500件もの白内障手術を手掛ける、アイケアクリニック院長の佐藤香氏が、白内障治療に関する疑問を、Q&A方式でわかりやすく解説します。

痛くも怖くもない…あっという間に終わる白内障手術

 

本記事では、白内障手術について、より詳細に紹介していきます。最新の手術方法について理解を深めていきましょう。

 

Q:手術は痛くありませんか?

 

Aまず、白内障の手術では局所麻酔を施しますから、痛みを感じることはほとんどありません。

 

しかも、その「局所麻酔」も皆さんが通常イメージされる「注射によるもの」ではありません。よく「目に注射針を刺されるなんて想像しただけで怖い」という声を聞きますが、大丈夫です。白内障の手術の麻酔は、注射ではなく、「点眼麻酔」=目薬のように差す麻酔なので、安心して受けていただけます。

 

Q:レーザー手術のメリットを教えてください。

 

Aレーザー手術の最大のメリットは、手術が正確で安全性が高いという点にあります。当院では、レーザーメスはフェムトセカンドレーザーを使用した「LenSx」というものを導入しています。

 

フェムトセカンドとは「1000兆分の1秒」のことで、それくらい短い時間で正確な位置に水晶体を出し入れする傷口(切開創)を作ることができることを意味しています。

 

短い時間で手術ができるということは、それだけ目への負担が少なく、合併症などを起こすリスクが低くなるということです。

 

従来のメスで切る手術に比べて、傷口の治りが早いという点においても、安全性の高い手術といえます。

 

Q:レーザー手術とはどんなものですか?

 

A当院で使用しているLenSXに関していえば、1000兆分の1秒単位という超短時間のレーザーを連続的に照射することで角膜を切開し、水晶体の前側に丸い穴を開け、水晶体を細かく砕くところまでの一連の作業をすべて自動で行うことができます。

 

従来の白内障手術は、医師がメスを使って角膜を切開し、そこに器具を入れて水晶体の前側に丸い穴を開け、さらに水晶体を別の器具を使って砕く、という作業をすべて手作業で行っていました。

 

それに比べると、LenSXを使った手術では、一連の作業を正確に安全に行うことで、目の負担も軽減することが可能になりました。

 

手術時間の平均は片目10分、両目で20分程度で日帰り手術になる。
手術時間の平均は片目10分、両目で20分程度で日帰り手術になる。

 

Q:手術にはどれくらいの時間がかかりますか?

 

A白内障の手術は、あっけないほど早く終わります。

 

手術時間の平均は、片目10分、両目で20分。日帰り手術になります。

 

術後はすぐに目を開けることができますから、手術後、帰宅するときには「劇的に目の見え方が変わっている」のです。

 

手術を受けた多くの方が、その変化に驚いています。40代で白内障になった私の患者さんは、診断結果を伝えたとき、涙を浮かべてとても悲しそうな顔をしました。かすみ目の自覚があって来院しただけだったので、まさか自分が白内障とは思っていなかったようです。

 

しかし、白内障の手術が終わったとき、それまでの暗い表情が一変し、ほっとした様子で「実は白内障の診断を受けたとき、“もう私はおばあちゃんになってしまったのか”とショックだったんです」と話してくれました。

 

手術後には、住んでいる世界が変わったのかと思うほど、劇的に見え方が改善し、テレビもクッキリ見えるとニコニコしていらっしゃいました。さらには、もともとの近視に対してもメガネがいらなくなり、いままで以上に生活がしやすくオシャレも楽しくなったそうです。

 

白内障の手術は、その手法も水晶体の代わりに入れる人工の眼内レンズも「すさまじい」といえるほどの進化を遂げています。

 

【白内障ってなに? 手術件数月間300件の熟練ドクターがわかりやすく解説!】

「クリアな見え方」を一生維持できる眼内レンズ

Q:手術をすれば、その後、視力は悪くならずにすみますか?

 

A一度白内障手術を受けると、他の病気にかからない限り、生涯にわたってクリアな見え方を維持できます。

 

視力の低下は、加齢により水晶体が濁るだけでなく、硬くなったり大きくなったりすることで、屈折を変えてしまうことが原因になります。白内障手術で、濁ってしまった水晶体の中身を取り出して、人工のレンズを入れることで、視力低下を防ぐことができるのです。

 

●後発白内障で目が見えにくくなることも

 

視力が悪くなったとしたら、眼内レンズを固定するために残している水晶体の袋が濁る「後発白内障」を発症している可能性があります。

 

後発白内障は一定の確率で発症する症状ですが、治療は極めて簡単です。レンズを入れ替える必要はなく、レーザーで濁った袋を破り、目に入る光の通り道を作ることによって、再び視力が回復します。

 

●他の目の病気の可能性も

 

なお、この項目の最初で触れたように、白内障の手術後に視力が低下した場合には、他の目の病気を発症している可能性があります。なるべく早く眼科で診察を受けるようにしてください。

 

 

佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

 

アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

集中力を要する緻密な作業を得意とし、特に最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。
日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケアー「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアに取り上げられている。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載スゴ腕ドクター佐藤香の白内障治療Q&A

年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香院長の 白内障治療Q&A

年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香院長の 白内障治療Q&A

佐藤 香

幻冬舎メディアコンサルティング

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