センター試験真っ只中。子どもの雄姿を見送る親御さん、「センター試験、懐かしいなあ」と感じる社会人、「来年は自分たちの番!」と奮起する学生…皆一様に、受験生を応援しています。何かと勉強のことが気になってしまうこの週末。本記事では、学習塾「灘学習院」を開校した江藤宏氏が、実例をもとに、東大・京大に受かった子どもたちの、驚くべきエピソードを紹介します。

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    数学では「考える力」が求められます。ものごとの原理や真理を正しく理解することで、どんな問題にも対応できるようになるからです。物理、化学、国語、英語などの科目でも同じです。

     

    彼は小学生時代に考える力を養っていたおかげで、関西トップレベルの私学に進んでも、数学や物理などのいわゆる理系科目では何も苦労しませんでした。理系科目は、必要最小限の知識さえあれば、後は問題を見て考えていくことで必ず答えにたどり着くことができます。

     

    文系科目の代表ともいえる国語でも、問題文を読み、考え、その意味を理解できれば、まず解けないことはないでしょう。英語については単語の意味は暗記で覚える必要があるものの、文章の構造を考えて理解する過程は、国語と同じです。つまり考える力さえ養っておけば、これらの科目については十分対応できるのです。

     

    関西でいえば、小学校の間に考える力を身につけられれば、トップレベルの私学に進み、レベルの高い授業をきちんと聞いていれば、それだけで京都大学や大阪大学といった名門大学に入れるのです。先ほどの彼はコンピュータゲームにのめり込みましたが、放課後、クラブ活動に打ち込んだり、友だちと一緒に遊んだりしても大丈夫だったでしょう。

     

    とはいえ、小学生くらいの子どもが、しっかりと考えられるようになるには、本人の努力とともに、まわりの環境も重要です。

     

    彼が私の塾に来たのは小学校の3年生ぐらいだったでしょうか。最初は、授業中にほとんど説明がなく、ひたすら問題について考える塾のやり方に戸惑っていました。けれども、子どもは柔軟です。友だちが一生懸命に考えている姿を目の当たりにし、そんな子どもたちが集まって作り出す「考える空気」の中にいると、自然と集中して考えることができるようになります。

     

    結果的に答えが合っていたかどうかは、考える習慣を身につけることとは実はまったく次元の違う話です。もちろん最終的に正しい答えにたどり着ければ、それがベストですが、大切なのは答えを出すことではなく、自分の頭を動かして考えることです。たとえ答えが出なくとも、一定時間、集中して考え続けることが最高の勉強になります。

     

    彼もまわりの影響を受けて、いつの間にか自分の頭だけで考えることのできる生徒となっていったのです。一浪をした時も、本当は後期試験で理学部に合格していたのですが、医学部にしか行きたくないということで、もう一度受験することを選びました。それもいわゆる「宅浪」、予備校などには通わず一人で勉強して、翌年、見事医学部に合格したのです。

     

    誰もがまったく同じようにとはいかないにせよ、考える力をしっかりと身につけておけば、高校生活を楽しみながら現役で国公立大学に合格することも十分に可能なのです。

     

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    「暗記する」ことと「考える」ことの違い

    考える力さえ養っておけば、高校生活を楽しみながら国公立大学に現役合格できる。このようなことを言えば、そんなバカな、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

     

    確かに国公立大学に合格するためには、センター試験での地理歴史や公民、国語(なかでも古文や漢文)など、ある程度、情報を暗記しておかなければ太刀打ちできない科目が含まれています。ここでいう暗記とは、歴史の年号を語呂合わせで覚えたり、英単語を機械的に覚えたりといったものです。

     

    東大・京大に合格する 子どもの育て方

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    江藤 宏

    幻冬舎メディアコンサルティング

    「うちの子は勉強しているのに成績が上がらない」、「あの子は勉強しているように見えないのにいつも成績がいい」と感じたことはありませんか? 実はわかりやすい授業ほど、子どもの可能性を奪っているとしたら──。 40年に…

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