「あなたは天才」という親の信頼が才能を開花させる
「ピグマリオン効果」「教師期待効果」という言葉を聞いたことがありますか?
どちらも幼児教育において、重要なキーワードとなるため、ご説明させていただきます。
子どもを天才だと信じてあげることで、才能を開花させた母親の例として、女子テニスで世界一に輝いた、ヒンギスさんの母親のお話をしましょう。
ヒンギスさんの母親は、わが子に対して「あなたは天才だ」と口癖のように繰り返していたそうです。
そして、ヒンギスさんが試合に負けて帰ってきたときには、彼女はこんな言葉をかけたそうです。
「おかしいわね。あなたは天才だから、負けるはずはないのに」
この言葉を聞くと、ヒンギスさんは勇気づけられ、自分の才能を信じることができたそうです。
こうして自分を信じることができたヒンギスさんは、つらい練習の日々にも打ち勝つことができ、ついには世界一の栄光を手にしたのです。
小さな喫茶店が、世界的チェーンへと成長した理由
スターバックスコーヒーを世界的なコーヒーチェーンに育てた、ハワード・シュルツさんもまた、非常に優れたセルフイメージを備えていたそうです。
シュルツさんは貧しい家庭に生まれました。共同経営者と力を合わせ、やっとの思いで小さな喫茶店を始めたのが、スターバックスコーヒーの始まりです。
彼はそんな恵まれない境遇にも関わらず、大きな夢を抱いていました。今では誰もが知っている、あのスターバックスのマークが描かれた、プラスチック製のカップが完成した時、彼はこんなことを口にしたそうです。
「僕には、世界中の人々がこのカップを手にして街を歩いている姿が、ありありと目に浮かぶ」
共同経営者は、シュルツさんの発言を、夢のような話だと笑いました。
しかし、シュルツさんがこの時、アメリカに50の店舗を出すのが夢だと語ったならば、未来はどうなったでしょうか。
きっと、アメリカに50の店舗を出すことはできたとしても、世界中の人々に愛される、現在のスターバックスになることはできなかったに違いありません。
彼の抱いた大きな夢が、現在のスターバックスの姿を現実にしたのです。

「思い込み」が子どもの能力を引き出す
◆ピグマリオン効果
このようなことは、教育の世界ではピグマリオン効果と呼ばれます。
たとえば、学校でこんな発表をしたとします。
「青い瞳を持つ子どもは、算数が得意だという研究結果が出されました」
すると、おもしろいことに青い瞳を持つ子どもたちの算数の成績は、ぐんぐん上がっていくのです。
そこで、次にこんな発表をしてみます。
「先日の発表は、間違いでした。青い瞳を持つ子どもは、算数が苦手だという研究結果が出されました」
この発表がされた途端に、青い瞳を持つ子どもたちの算数の成績は、一気に下がってしまったのです。これが、ピグマリオン効果です。
◆教育期待効果
また、教師期待効果というものもあります。
たとえば、校長先生が教師を呼んで「あなたのクラスのこの3人は、非常に知能テストの結果が良かったので、伸びる資質を持っている子です」という話をします。
本当は、ランダムに選び出された子ども達でしたが、実際に1年が終わると、この子達の成績は伸びるのです。
教師が伸びると期待しただけで「この子は天才だ」と接するようになるので、本当に伸びてしまうというわけなのです。
子どもに「自分は天才だ」と思わせてあげるだけで本当に天才になってしまうのです。
子どもに「あなたは天才だ」と常に伝えてあげましょう!