クラブのママ「まぶしくて仕事ができない」実は目の病気だった

目の病気は誰だって怖いもの。年齢を重ねれば、老眼なども始まり、視力の衰えをよりいっそう感じることでしょう。「年だから仕方がないか…」と、納得してしまいそうになりますが、思わぬ病気を発症している可能性に、気づいているでしょうか。本記事では、『「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術』より一部を抜粋し、白内障に気づいた一例を紹介します。

「私はまだ40代よ」それでも白内障になってしまった

クラブのママという仕事は目が命だ。それがあらためてわかったのは、50歳目前で白内障に罹ったときだった。「冗談はやめてくださいよ。私はまだ40代よ。白内障なんて70代の爺さんたちの病気でしょ」「爺さんはひどいな。俺だってもうすぐ70だよ」私が思わず大きな声をだして顰蹙(ひんしゅく)をかってしまったのは、眼科で白内障という診断をうけたときだった。

 

そんな私に眼科の先生はこう伝える。「たしかに少し早いかもしれないけど、世の中には40代で白内障を発症する人は少なくないよ。ただ自分で気付いていないだけなんだ。あなたのように仕事柄、目をよく使う人は、早めに気が付いて眼科にいらっしゃるから、発見も早くなる」

 

この先生、私のクラブの常連さんなんです。だから私の仕事は先刻ご承知。たしかに先生のおっしゃるようにクラブのママという仕事は目が悪くては、とてもつとまらない。

 

◆視覚情報はクラブのママの生命線

 

薄暗い店内でも、お客様とホステスたちの表情が瞬時に把握できるというのが、クラブのママの最低条件。お客様が十分にリラックスしてホステスたちのサービスに満足してくれているかどうかは、お客様の表情を見ればわかる。

 

私自身もお客様の席に着いていることが多いので、店全体に視線をくばりつつ、目の前のお客様が「可愛い孫だろ」と差し出されたスマホの写真に目をやることも忘れない。そんなときは「まあ可愛いお嬢さん」などと応え、写真をちゃんと見ているとアピールすることも営業テクニックとしてはかかせない。

 

ところが、最近は老眼が進みお客様のスマホがはっきり見えないので、こっそり遠近両用コンタクトレンズのお世話になっている。そしてもっとも重要なのはお店に入ってこられたお客さまのお顔を瞬時に識別して、お声をかけることだ。

 

もちろんお客様の中には、本名を大声で呼んでほしくない人もいるし、逆に店中にわかるように大きな声で名前を呼ばれるのを喜ぶ人もいる。それをお客様のお顔で判断するのがママの重要な仕事なのだ。

 

「○○さん!」そうお名前を呼びながら、新しいお客様に対応するため、ホステスや黒服の男性従業員たちとアイコンタクトをとりながら新しい配置を指示する。まさにクラブのママはホステスと黒服からなるチームを率いる監督にほかならない。そしてそのチームを動かす情報はほとんどが目から入ってくる。目がうまく見えず、こうした情報が入ってこなくなるとチームがうまく機能しなくなるのだ。

 

華やかな夜の舞台裏は…
華やかな夜の舞台裏は…

接客業における致命傷「お客様のお顔が確認できない」

◆光がまぶしくてママの仕事ができない

 

私が目の異常に気付いたのは、まぶしさだった。

 

クラブの店内は薄暗くしてあるので、明るい照明といえば店内に入ってこられたお客様のお顔がよく見えるように設置したエントランスのダウンライトと壁にとりつけたオブジェのような照明だけだ。そのオブジェはわざわざ硝子工芸の作家の先生にお願いしたものだ。しかし、オブジェのキラキラした光がハレーションをおこして、どうにもまぶしい。入ってくるお客様のお顔が確認できないのだ。

 

さらには私の座っているボックス席とオブジェの間にあるボックス席が、そのハレーションの中にすっぽりと入って死角のようになってしまっている。これでは「チームの監督」としてのママの仕事をまっとうすることができない。

 

◆即座に多焦点眼内レンズを入れることに

 

白内障という先生の診断に私がしばし言葉を失っていると、先生がやさしくこうおっしゃった。「こんなに早く白内障が見つかったのはむしろ幸運ですよ。白内障の手術をすれば、いまの症状はすぐによくなる。それにいまは多焦点眼内レンズという素晴らしいものがあるから、それをいれればメガネやコンタクトレンズを使わなくても仕事ができるし、老眼も治るよ」それを聞いて、どれほど安心したかしれない。

 

とにかくこの世界ではホステスもママもメガネはタブーだ。昔から「目もと美人」という言葉があるように、女性の美を売る私たちの職業では何がなんでもメガネはかけたくないのが本音だ。

 

コンタクトレンズも店内の乾燥で目が疲れたり、充血がひどくなる。お店で帳簿を見るときや自宅で本を読むときなどは、こっそり老眼鏡をつかっていた。その老眼鏡からも解放されるというのだ。

 

◆クラブのママには必要経費と認められる!?

 

「わかりました。いちばん高いレンズをもっとも費用のかかる手術でお願いします」私はこういって、その場で先生に白内障の手術をお願いした。費用が高ければ高いほど多焦点眼内レンズの性能もいいし、手術も安心だろうと思ったからだった。また、これは単なる病気の治療ではなく、私にとってはクラブのママとしての必要経費だと考えたからだった。もちろん税務署は認めてくれないだろうが。

 

先生によれば、いまの日本では3カ所にピントの合うトリフォーカルという多焦点眼内レンズをつかって、レーザー白内障手術をおこなうのが、もっとも費用がかかる方法だという。もちろん自由診療だ。だが、先生がおっしゃるには、なんでも高ければいいというものではなく、大切なのは手術で万が一のことがあったときも、きちんと対処できるクリニックを選ぶべきだという。

 

そして先生は、お知り合いの腕のたつ眼科の先生のクリニックを紹介してくださった。トリフォーカルレンズを選んで手術をお願いした。結果は、投資に十分見合う、すばらしいものだった。

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長 

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。
埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

▼はんがい眼科の公式ブログ「目のブログ」▼
https://eyeblog-hangai.com/
▼多焦点白内障手術 無料個別相談会 開催中!▼
https://hangai.org/cataract-seminar/

著者紹介

連載眼科院長が教える!ライフスタイルに合わせた「白内障手術」ガイド

「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術

「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術

板谷 正紀

幻冬舎

白内障を治せば人生が変わる!ずっと忘れていた「見える喜び」を取り戻せば、人生は、もっともっと楽しくなる。