光に飲み込まれ「夕方の運転が怖い」…白内障の自覚症状とは?

本記事は、はんがい眼科・板谷正紀院長の著作、『「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術』より一部を抜粋して、白内障手術における、自分のライフスタイルに合わせた眼内レンズ選び方について見ていきます。

進行が早い「糖尿病性白内障」は注意が必要

このほか白内障には、病気や薬の副作用、怪我などが原因で発症する③併発性白内障や④外傷性白内障があります。

 

③の併発性白内障は、ほかの病気に罹った結果発症するものです。緑内障、網膜剝離など目の病気と併発することもありますし、アトピー性皮膚炎や糖尿病など目以外の病気と併発する場合もあります。

 

とくにアトピー性皮膚炎の場合は約30%の人がアトピー性白内障に罹っているというデータもあるようです。アトピー性白内障は、治療に使うステロイド薬剤の副作用ではないかといわれていましたが、最近では、まぶたをさする・たたくなど痒みに伴う水晶体への刺激が原因ではないかと考えられています。

 

糖尿病性白内障は、水晶体の中で高濃度になったぶどう糖がソルビドールという物質の生成を促し、そのソルビドールが水晶体をにごらせると考えられています。糖尿病性白内障は若い人でも発症し、進行が早いので注意が必要です。

 

④の外傷性白内障は、格闘技や球技などのスポーツや事故、喧嘩などで目に強い衝撃を受けた場合におこるものです。気をつけたいのは、外傷性白内障はすぐに症状がでないことがあるという点です。何年も経って本人も忘れたころに白内障の症状が現れることもあります。外傷性白内障は当然、年齢に関係なくおきますから注意が必要です。

 

アトピー性皮膚炎や眼外傷に伴う白内障は、ときに網膜剝離が併発して白内障のために見つかりにくいことがありますので要注意です。

世界的に見れば、白内障は「失明原因」の第1位である

健康保険でカバーされるようになり水晶体を眼内レンズに置き換える白内障手術が急速に普及したこともあって、日本では白内障で失明する人はほとんどいなくなりました。さらに多焦点眼内レンズの登場で、白内障手術は「あたらしい人生を選び取るチャンス」と考えられるようになり、積極的に白内障手術を受ける人は、ますます増えていく勢いです。

 

しかし、これは国民皆保険といわれる日本の医療が生み出したある意味、特殊な状況下でのことで、世界的にみると白内障は現在でも失明原因の第1位を占めています。世界中で失明した人のほぼ半分は白内障によるものでした。第2位の緑内障とくらべても倍以上の数です。

 

発展途上国では医療格差が大きく、白内障を放置せざるをえない状況が改善されていないことからきています。簡単な手術を受ける機会に恵まれない多くの人びとが、白内障かどうかも知らずに失明にいたってしまうのです。もちろん日本でも白内障を放置したため白内障手術のリスクが高くなったり、ほかの目の病気を併発したりして失明するひとが約3%ほどいます。放置すると失明の原因になる白内障は、安全にできるうちになるべく早く手術を受けることをお勧めします。

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長 

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。
埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

https://eyeblog-hangai.com/
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著者紹介

連載眼科院長が教える!ライフスタイルに合わせた「白内障手術」ガイド