医師の現実…お金に困る最大の理由は「医学部受験」だった?

「高収入」といわれている医師ですが、実は資金繰り悪化の例が散見されています。特に子どもを医学部に合格させようとする場合、莫大な費用がかかるため、どうしてもお金を貯められない医師が増えているのです。そこで本記事では、医師向けの資産形成サイト「勤務医ドットコム」を運営する、東京不動産投資株式会社の代表取締役・秋葉侑輝氏が、勤務医のお金事情を解説します。

どんなに稼いでも「子どもの医学部費用」で消えていく

「医学部の学費は高い」というイメージがありますが、実際にはどれくらいの費用が発生するものなのでしょうか。調べてみると、私立大学は6年間でだいたい2,000~4,000万円以上、国公立大学では350万円程度のところが一般的のようです。

 

私立大学と国公立大学の学費では、6年間で10倍近くの差があります。子どもが国公立大学に入学できれば家計の負担は軽くなりますが、私立大学に入学した場合は毎年、学費だけで300~600万円を支払わなければなりません。

 

さらに、「医学部に入れる」ためには「医学大学の学費」だけでは済みません。当然ながら、医学大学に受験・合格するまでの過程にも多額の費用がかかります。たとえば、医療系予備校の費用が年間200万円以上、受験するための受験料が1校6万円で10校受験すれば60万円(私立大学の医学部以外の受験料は3万円程度)、その他、参考書代、模擬試験費用などを足していくと、数百万円かかると考えてよいでしょう。

 

◆医師は貯蓄が下手?高収入なのにお金が貯まらない理由

 

医師が高収入であることは事実で、年収1,000~2,000万円が5割以上、2,000万円以上が2割強を占めており、サラリーマンの一般的な平均年収と比べて、非常に高額であることがわかります。その一方で「医師は貯蓄が苦手」といわれています。一体なぜなのでしょうか?

 

大きな理由は、「たくさん入っているけれども、たくさん出ているから」です。子どもを医学部に入学させるためには多額の資金が必要と紹介しましたが、医師のなかには「自分の子どもを医師にしたい」と考える人が少なくないため、どうしても子どもにかける教育費は高額です。また、高級住宅地に住んでいるケースも多く、住宅ローンも当然高くなります。

 

また、医師は「定年があってないようなもの」なことも背景にあるようです。医療機関によっては定年制度もないため、たとえ退職したとしても、ほかの医療機関で働くことが可能です。そのため「いくつになっても働いて稼げばよい」と考え、節約や貯蓄をしないという医師もいます。

 

「いくつになっても働いて稼げばよい」と考えた結果…
「いくつになっても働いて稼げばよい」と考えた結果…

子どもが自立したら、今度は「老後の生活」が…

◆学費や資金を捻出するための貯蓄シミュレーション

 

子どもを医学部へ進学させるためには、早い段階からの「計画的な貯蓄シミュレーション」を立てる必要があります。たとえば、年収1,500万円の勤務医が年間200万円を貯蓄に回した場合、15年間で3,000万円、20年間で4,000万円を貯められる計算になります。これだけ貯めることができれば、医学部進学も現実的な路線になってくるでしょう。

 

年収1,500万円の勤務医が年間200万円を貯蓄に回す場合のシミュレーションを考えてみます。年収1,500万円だと社会保険料や所得税・住民税などが差し引かれたあとの手取り額は、約1,000万円になります。このうち、年間200万円が貯蓄ということは、年間800万円で生活をしていくことになります。月換算にすると、70万円弱。住宅費、生活費、教育費などを合わせても、よほどの贅沢を繰り返さなければ、問題ないでしょう。

 

◆老後の資産形成では「節税」が重要なポイント

 

子どもを無事に医学部へ進学させ、一安心!と思ったところで、今度は「老後の生活」という問題があります。

 

60~90歳まで30年間生きると仮定すると、老後は7,000万円以上必要といわれることも。費用としては、まず退職金や生命保険で数千万円を得られるケースがあります。それに加えて、年金や年金型生命保険などがあるので、自身が必要な生活費をイメージして、それに向けて年金にプラスして老後に投資していくことが大切です。

 

また、老後の資産を形成する上では、「節税」も重要なポイントになります。勤務医の場合は開業医のように税金対策を考えるのが難しいケースもありますが、ふるさと納税を活用するなど、できることから始めていきましょう。

 

◆まとめ◆

「子どもを自分と同じ医学の道へ進ませたい」と考えた場合、まず「高額な学費」がひとつのハードルになります。そして、なんとか医学部費用を捻出したとしても、自身の老後資金のことも考えなければいけません。

 

高収入の医師ですが、出費も多いため貯蓄が苦手な人も少なくありません。ギリギリの資金繰りにならないためには、長期的な人生設計が大切です。退職後も安定した収入が得られる仕組みを作れば、生活にゆとりが出てくるはずですし、とても楽になるでしょう。

 

 

秋葉 侑輝

東京不動産投資株式会社 代表取締役

 

東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:「勤務医ドットコム」(https://kinmui.com/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載勤務医ドットコム発!「医師×お金」の最新事情

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