子どもを「甘えさせること」と「甘やかすこと」の違いとは?

子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、「甘えさせること」と「甘やかすこと」の違いについて見ていきます。

「甘えさせること」の大切さとは?

「甘えさせること」と「甘やかすこと」の違いをご存じでしょうか?

 

愛情をたっぷり注いで育てるというとよいことに思いますが、「これは子どもをわがままにさせてしまうのでは?」と甘えさせていいのか迷うことがあるかもしれません。今回は、甘えさせることと甘やかすことの違いを整理していきましょう。

 

◆「甘えさせる」とは?

 

「甘えさせる」というのは、たとえば子どもが「抱っこして~」と寄ってきたときに、「大好きよ」と抱っこしてあげることです。「ねえ、ママあのね」と話しかけてきたら、「なぁに?」と子どもの方を向いて話を聞いてあげることです。

 

親にたくさん甘えることができた子どもは、「甘えたいという気持ち」が満たされるので、スムーズに自立することができます。ところが、充分に甘えさせてもらえなかった子どもは、「甘えたいという気持ち」がいつまでも残ってしまうので、上手に自立することができないのです。

 

子どもは、忙しいときにかぎって、「ママ、ママ~」と甘えてきたりします。そんなときは、どんなに忙しくても、10秒でいいからしっかりと抱きしめてあげてください。1分でいいから、「なぁに?」と話を聞いてあげてください。それだけで、子どもは親の愛情を実感できるのです。

 

安心は心の安定につながりますし、それがやる気、頑張る気持ちにつながります。これが、「甘えさせる」ということです。

 

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◆「甘やかす」とは?

 

たとえば、「ママ、抱っこして~」と甘えてきたとき、「アイスあげるから、食べててね」とか、「いま、忙しいからビデオみようね!」などと、対応することです。つまり、子どもの甘えたいという気持ちに「心」で応えず、「物」などを与えてしまうことです。

 

「心」が欲しい子に「物」を与えてしまうと、物だけでは満足できないのでわがままはエスカレートしていきます。「心」が欲しい子には、「物」ではなく愛情を与えなければならないのです。スーパーでお菓子を泣いてほしがる子には、「あれが食べたかったね。でも、今日は買う日じゃないから帰ろうね」と抱きしめて愛情を与えてください。

 

そして、子どもが落ち着いたら「がまんできたね」とほめて、心を育ててください。ねだられると、時間に関係なくジュースやお菓子を与える、欲しがるだけおもちゃを買い与える、見たがるテレビやゲームは見たいだけ見せるといった物を制限なく与えることを、「甘やかす」といいますので、区別しておきましょう。

「親への依存」が子どもの自立につながる!?

◆正しく甘えさせることが重要

 

「甘えさせる」と、自尊感情が育ちます。以前は、親に「甘える」「依存する」と、子どもの自立が遅れるといわれていました。

 

「抱きぐせがつくから抱いてはいけない」「そんなに甘やかすと甘えん坊になる」など、今でも耳にすることがありますが、実はその逆なのです。今では、小さいときに親にたくさん甘え、充分に依存することが子どもの自立につながると考えられています。しっかり愛情を注ぎ、充分に甘えさせてあげましょう。

 

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◆着替えもご飯も全部やってといってくる息子、どうしたらいい?

 

子どもをしっかり甘えさせることの重要性と、やってはいけない甘やかしについてお分かりいただけたでしょうか。それでも、こんなときはどうしたらいい?というケースも多く出てくると思いますので、実際にあった質問をご紹介します。

 

【質問】

 

4歳の男の子ですが、最近下の子が生まれてから、今までできた着替えも自分でやろうとせず「ママ、やって! やって!」といってきます。ごはんまで「食べさせて」と甘えてきたりします。仕方なくしてやるのですが、これは「甘やかし」になるのでしょうか?

 

着替えもご飯も全部やってといってくる息子…
着替えもご飯も全部やってといってくる息子…

 

【回答】

 

確かに4歳にもなると、自分でできるのにやらないのは「甘え」だと思い、厳しくしたい気持ちもでてきますね。しかし、子どもの甘えを受け止めることは、子どもの自尊感情を育て、周囲に対する信頼感を育てるうえで、とても大切なことです。「甘えさせる」とは、子どもの心の要求に応えることでしたよね。ですから、これはいくらやっても「甘やかし」にはなりません。

 

この男の子の行動を、いわゆる「赤ちゃん返り」といいます。自立から依存(甘え)に戻ってきた状態です。下の子が生まれて、親は下の子にかかりきりになっている。下の子のほうがかわいくて、自分は嫌われたのではないかと不安に感じているのです。その不安を打ち消そうと、甘えてきているのです。

 

注意していただきたいのは、ここで突き放してしまうと、子どもはもっと不安になり、もっと依存(甘え)してきます。あるいは、自分は見捨てられたのだと思って、一切甘えを出してこなくなります。逆に、甘えをちゃんと受け止めてもらうと安心し、また自分でやろうという意欲が出てくるのです。

 

下の子の世話もして、その上に上の子まで。「そのくらいお兄ちゃんなんだからできるでしょ!」と怒ってしまうこともあると思います。ただどこかで、上の子も不安になっているんだなと理解をして、少し余裕があるときは、そういう赤ちゃん返りにつきあっていただければと思います。

 

◆もうすぐ小学生なのに甘えてくる息子、自立させるにはどうしたらいい?

 

実際にあった質問をもう1つご紹介しましょう。

 

【質問】

 

5歳の男の子ですが、いまだに甘えが強く、友達と遊んでいても、嫌なことがあると、すぐに「ママ~!」と、べたべた甘えてきます。もうすぐ小学生ですから、もう少し自立してほしいのですが、どうしたらいいでしょう。

 

【回答】

 

もうすぐ小学生かと思うと、心配になるお母さんの不安もわかります。しかし、自立と依存(甘え)の行ったり来たりのペースは、子どもによって違うのです。子どもの心は、甘えと自立を繰り返して大きくなっていきます。たくさん甘えて安心感を得ると、自由に自分でやりたいと思って、それが意欲となり、自立の世界へ向かいます。

 

ところが、自立の世界は自由であると同時に、不安な世界です。その不安があまり大きくなると、子どもは甘えの世界に戻ってきます。ですから、たくさん甘えた人が自立するのです。小さいときに充分に甘えられない状況であった場合や、感受性が強く、周囲に対して不安を抱きやすいお子さんの場合は、甘えの期間が長くなってしまうことも考えられます。甘えの必要な量は子どもによって違うのです。

 

たくさん甘えさせているのに、どうしてうちの子は甘えてくるのだろう、と思ってしまうかもしれませんが、甘えに付き合って、しっかり受け止めていくと、成長につれて、必ず親から離れるようになってきます。

 

子どもが甘えを求めてくる限りは、それは、その子にとって必要なものだと考えて、受け止めていくことが大切なことなのです。

 

株式会社コペル 代表取締役
福岡大学 人間関係論 非常勤講師
一般社団法人徳育学会 会長
日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー 

1963年、福岡県生まれ。
日本アイ・ビー・エム株式会社を経て、現在、子どもの瞳を輝かせ続ける徳育教室コペルの代表として心の教育を志し、様々な研究に取り組み続けている。
全国各地で、子育てセミナーや子どもの潜在能力を引き出すための講演活動を通じて、たくさんの親子にアドバイスを行う。
良好な親子関係を構築するファミリーダイアログなど、多様なオリジナルプログラムを開発実施して活躍している。
著書に『偉人を育てた母の言葉』(致知出版社)、『あなたの言葉で子どもは育つ』(プレジデント社)、『きみの可能性は無限大』(少年写真新聞社)がある。

著者紹介

連載子どもの可能性は無限大!幼児教育のプロが教える「育脳」の進め方

本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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