子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、「子どものわがまま」との付き合い方について見ていきます。

「わがまま」は健全な成長に必要なこと

思うようにいかないと癇癪を起こしたり、泣いたり、グズグズしたりする子どもの「わがまま」は、親にとって非常にストレスが溜まるものです。

 

そんなとき、頭ごなしに叱ったりしていませんか? どんな対応が親として正しい対応なのでしょうか。

 

わがままをいわないように「しつける」ことは、子どもの伸びていく芽を摘む要因になることもあります。健全な成長のために、わがままが必要である理由を見ていきましょう。

 

概して親は、子どもがわがままをいうのはよくないと考えていることが多いかと思います。確かに、わがままは、自分の思いどおりにならないと癇癪を起こしたり、すねたりなど、周囲にとって扱いにくい行動や協調性に欠ける行動と映りがちです。

 

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しかし、視点を変えてみると、自分の考えをしっかりと主張している、自分自身の思いを正直に表現しているなど、よい面もあるといえます。ときには、わがままをいうことで親の気持ちを引きつけて心のSOSを訴えたり、甘えたい気持ちを表現していたりすることもあります。

 

子どものわがままは、社会のなかで生きていく上で必要なことを学ぶ、大切な心の成長過程のひとつといえるでしょう。

 

わがままは「心のSOS」かも?
わがままは「心のSOS」かも?

子どもの「耐える力」を育てる方法とは?

子どもがわがままをいったときに、いつも頭ごなしに叱ってばかりいると、「自分はだめな人間だ」と自信を失い、自尊感情や心のゆとりが持てず、いつまでも自分の気持ちをコントロールできなくなってしまいます。

 

そこで、頭ごなしに叱るのではなく、「自分のいいたいことを正直に述べることができているのだ」と肯定的に見守ってあげると、子どもの気持ちは安定します。同時に、自分の思いどおりになるわけではない、いつも周囲に受け入れられるとは限らないという葛藤体験を重ねさせることが重要です。その葛藤体験から、我慢をしたり、自分の気持ちをコントロールしたりするなど、自己を律する力を培っていくのです。

 

では、どうやって子どもの自尊感情を傷つけることなく、わがままをしつけていけばよいのでしょうか。

 

子ども達は善悪の区別と自制を教えないと、本来わがままなものです。子どもの願うままにいいなりになっては、耐える力は育ちません。

 

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例えば「お母さんが“絶対”という言葉を使ったら、何があってもだめなものはだめよ」ということを教えてあげましょう。そして、“絶対”という言葉を使ったいざというときには、常に一貫性を保って、頑として応じないようにしましょう。そうすれば「だめなことはだめなんだ」という我慢の心が育っていきます。

 

わがままは悪いことではなく、正しい成長過程のひとつである。自己主張できるのは良いことだ。そのことを念頭に置いておくだけで、子どものわがままを少し優しく見守れるのではないでしょうか。

 

自己をコントロールできる子どもに育てるために、家族のなかでの「絶対」を共有し、対応する場所や大人によって異なることがないように、一貫性を保つよう注意していきたいですね。

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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