月15万円不足…サラリーマン家庭が直面する「老後資金」問題

「老後資金2000万円」問題が取りざたされて以降、将来への危機感が高まりつつあります。真面目に働き続けたとしても「ゆとりのある生活」を送れない現実が待ち受けているのです。そこで本記事では、ファイナンシャルプランナーの吉村拓氏の書籍『不動産投資の「勝ち方」が1時間でわかる本』より一部を抜粋し、サラリーマン「資産形成」のリアルをお伝えします。

年金だけで「老後のお金」はとてもまかないきれない

人口の減少、混迷する政治、格差の広がる社会……日本の未来が不透明な状況の中で、将来の生活に対して不安や心配を抱いている人が増えています。とりわけ、多くの人たちが気にかけているのは「老後のお金」の問題です。

 

「年をとってから、お金がないために悲惨な人生を送ることになったらどうしよう……」

 

「下流老人」「老後破産」などの言葉が取りざたされているように、実際、十分な資産も収入もなく困窮した状態に陥っている高齢者は少なくありません。

 

「老後にどれだけのお金があれば生活していけるのか」「そのお金を年金だけで用意できるのだろうか」多くの人たちが気にしているはずのこれらの疑問や不安。まずは具体的な数字をもとに一緒に確認していきましょう。

 

公益財産法人の生命保険文化センターがまとめた「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によれば、経済的にゆとりのある老後を送るためには毎月「約35万円」が必要になります。

 

まず給与ですが、一般的なビジネスマンは55歳で役職定年、60歳定年から再雇用が65歳定年までというキャリアを辿るでしょうから、結果「給与のダブルダウン」に見舞われることになります。従業員1000人以上の大企業では、55~59歳の平均給与が738万円なのに対し定年後再雇用の平均給与は389万円と約半分になってしまうのです。そして、65歳から支給される年金受給の一般的な平均は月額12万~20万円前後となっています※。

 

※一般的な厚生年金の受給者の平均受給額は月額15万円(厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」平成27年度版より)。実際の年金受給額に関しては人によって異なり、詳しくは「日本年金機構ネット」で確認できます。

 

もし月額20万円受け取ると仮定した場合は「35万円(ゆとりのある老後のために必要な額)-20万円(年金の額)=15万円」なので、年金しか収入がなければ毎月「15万円」も足らないことになります。

 

そして、毎月「15万円」不足したこの状態が死ぬまで続くとしたら――。皆さん、ゾッとしませんか?

 

日本人の平均寿命は、2016年の時点で女性が87.14歳、男性が80.98歳。男女で差があるものの、おおむね85歳です。そこで、現状年金を受け取れる65歳から、平均寿命の85歳まで生きるとしましょう。単純計算すると、

 

「15万円×12カ月=3600万円」となります。

 

現時点でゆとりある老後を過ごすためには、ザックリとした数字で見ると合計でなんと3600万円も不足することになるのです。

 

この不足分をカバーするために3600万円の預貯金を用意するのも一つの手です。仮に今30歳だとすれば、毎月10万円ずつ30年間貯め続けることができれば、60歳のときにはその額に達しているでしょう。しかし、3600万円というのは単純計算でしかありません。万が一のことに備えようとするだけでも貯蓄すべき額はキリがなくなります。

 

いずれにせよ、老後の人生を不自由なく送るためには、年金だけではとてもまかないきれないことは明らかであり、現役のうちから何かしらの策を講じなければなりません。その一つの選択肢として、私がお勧めする不動産投資があるのです。

 

貯金だけでは手遅れ?
貯金だけでは手遅れ?

年金が支給されるまでの収入も懸念材料の1つ

また、老後の生活に関しては、年金を支給されるまでの収入についても考えておかなければなりません。昨今は、社内に在籍しながら55歳で役職定年(主には役職手当のカット等)を迎え、60歳で定年となっても、再雇用の形で、現役時代の約半分の給与ながらも、仕事を続けるのが当たり前になりつつあります。

 

その理由の1つに年金の65歳支給があります。

 

再雇用の場合、給与の額はそれまでよりも少なくなるのが一般的です。定年になるまでもらっていた額の半分になることも珍しくありません。仮に現役時代の固定給が月40万円であれば、再雇用の月々の収入は20万円になるかもしれません。そして、その確率は高いと考えたほうが無難でしょう。

 

例えば60歳から65歳までの5年間の収入減を1200万円として、その内訳を考えてみましょう。前述した給与の「ダブルダウン」で考えた際、55歳役職定年で役職手当をカットされた後の60歳から65歳までの5年間の収入を、現役だったときは給与40万円であったところを再雇用時の20万円で計算すると、トータルで1200万円もの差額が出てしまうのです。

 

式にすると次のようになります。

 

20万円×12カ月×5年間=1200万円

 

この1200万円の不足分をどのような方法でカバーするのかも、つまりは定年から年金受給までのステージをどうやって乗り切るかも非常に大きな問題となるはずです。

 

「企業側が再雇用したくてもできない」あるいは「再雇用を望んだのに拒まれた」などということになればさらに事態は深刻化するでしょう。年金の不足が月々約15万円。60歳から85歳まで生存した場合はザックリ3600万円の不足。先ほどの例で計算すると、この定年から再雇用の間の給与不足分は1200万円。合計で4800万円の不足になります。この途方もない数字を悲観することなく、自助努力によって乗り越える打開策として、私は不動産投資を強くおすすめしています。

宅地建物取引士
2級ファイナンシャルプランニング技能士

1980年千葉県生まれ。2004年駒澤大学経済学部卒業後大手不動産デベロッパーに入社し、新築投資用ワンルームマンションの販売に従事。その後アメリカ最大手の金融機関へ入行し、リスクマネジメント担当の経験を積む。2008年に大手投資用不動産会社に入社。築浅マンションから築40年のマンションまで様々なブランド物件の、仕入れ専門の売買仲介を経験する。不動産業界の現場最前線で日々、数多くの不動産投資に関する顧客相談を受けつつトップセールスとして活躍し、数々のタイトルを獲得。

2011年、東日本大震災のボランティアで被災者との交流から「自分には何ができるか」を考えた末、「今まで培ってきた経験を活かして、不動産投資にお困りの方、またはこれから不動産投資をお考えの方にプロとして最低限のアドバイス。これならできる!」と、強い思い入れのあった起業を決意。同年9月に投資用不動産専門の株式会社パートナーズを設立。物件の仕入れから販売、賃貸管理などのプロパティ面、アフターサービス、出口戦略まですべてサポート可能な投資用不動産のエキスパート集団を率いる。

著者紹介

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幻冬舎メディアコンサルティング

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