一気に500人以上リストラ? 公務員の「安泰神話」は崩壊した

世間一般では、リストラや減給のない理想的な職業と思われがちな「公務員」。しかし、「分限免職」という形でのクビが存在し、10年前と比べると給与は大幅に減少している現実があります。そこで本記事では、昨今の公務員の現状について、『世界一わかりやすい「公務員」の不動産投資術』(幻冬舎MC)より一部を抜粋して解説します。

分限免職される可能性が高まりつつある公務員

「公務員=一生安泰(リストラなし)」。給与が下がらないのと同様に、一般的にはそう信じられているようです。この理由で、公務員を就職先に選ぶケースも多いのではないでしょうか。しかし、昨今は公務員でもリストラが行われ始めています。

 

そもそも、各自治体は毎年のように退職勧奨を行っています。これは特定の役職者が、長期間同じ役職にとどまると、下位の人がなかなか昇進できないといった理由で、定年前に退職してもらいたいという意向があるからです。俗にいう「肩たたき」ですが、退職金の割り増しや、次の就職先の紹介とセットになることがほとんどなので、リストラほどマイナスのイメージはなさそうです。

 

一方で、公務員である皆さんは「分限免職」という言葉をご存じでしょう。これは財政の悪化による人員の整理や勤務状態の不良、公務員として適性を欠くことでの免職などを指します。つまりリストラも含まれます。

 

財政悪化や勤務状態の不良によるリストラと聞いても、まじめに仕事をしている皆さんにとって現実味がないかもしれません。ところが、公務員の「分限免職」は意外に身近な話です。

 

リストラとは、組織の収益力を高めるために行う事業の再構築のことです。これには人員の整理だけでなく、資源の再配分、不採算部門からの撤退、組織の簡略化などさまざまな手段があります。公的機関のリストラとして、最もイメージしやすいのが民営化でしょう。

 

主なものだと、1985年の日本電信電話公社からNTT、1987年の日本国有鉄道からJR、2010年の社会保険庁から日本年金機構などがあり、民営化後、子会社に転籍させるなどといった措置が行われました。

 

社会保険庁から日本年金機構への移行では、525人の公務員が分限免職となりました。分限免職された職員のうち71人は人事院に審査請求をしています。その後、審査請求をした71人中、25人が免職を取り消され、職場復帰しました。つまり500人は解雇されたのです。

 

また、個別の勤務状態を理由とする分限免職も増加傾向にあるようです。総務省によると、2014年度の勤務実績がよくない、または職に必要な適格性を欠くという理由での分限免職は全国で59人でした。

 

たとえば、千葉市では2013年、勤務実績が理由としては初の分限免職が行われました。同市は、勤務実績や生活態度が悪い職員10人に対し、資質向上サポートプログラムとして3カ月の研修を実施。その結果、9人は改善または改善傾向にあるとされましたが、50代の男性職員1人は改善の見込みがないと判断され、分限免職処分となりました。この男性は、仕事を忘れたり、勤務中に居眠りをしたりといった状況が続いていたそうです。

 

このようなことからも、公務員に対する分限免職のハードルは低くなっているように思われます。

 

公務員=安泰の時代は終わった
公務員=安泰の時代は終わった

「道州制の導入」もあながち否定できなくなってきた?

さらに、もし、道州制が導入されれば、よりハードルが低くなるかもしれません。

 

道州制とは、現在の全国47都道府県を10程度の「道」と「州」に再編し、国の財源と権限を移すことで、行政の効率化を図るとする構想です。これが実現されれば、今よりも簡単に公務員のリストラをする道州が出てくる可能性もあります。

 

各メディアでは、大阪市の橋下徹前市長が旗振り役のように報じ、同氏が政界を引退したことで立ち消えになった印象があります。しかし、2013年4月には自民党・公明党が「道州制への移行のための改革基本法案」の原案を作成し、6月には日本維新の会とみんなの党が「道州制移行基本法案」を国会に共同提出しています。国会議員がこれだけ前向きになっているからには、実現性は決して低くないでしょう。

 

以上のように、公務員がリストラされる可能性は年々上がっています。60歳の定年まで間違いなく働けると思っていたのに、もしリストラされたら……。仮に現在40歳、年収600万円ならば、20年×600万円で1億2000万円を受け取る権利を失うことになります。

 

たとえスムーズに次の就職先が見つかったとしても、同等の年収を維持することは非常に困難でしょう。もし、年収が400万円になってしまえば、20年×200万円で4000万円を失うことと同義になります。

 

公務員は決して一生安泰ではない――この情報が世間に浸透するのは、そう遠い未来ではないかもしれません。

株式会社TonTon 代表取締役

1985年生まれ。通信関連会社に勤務した後、ファッションブランドを立ち上げ、若くして独立。その後、より深く社会のことを勉強するために広告代理店の営業マンになり、数多くの案件に関わる。その際、不動産投資のおもしろさに魅了され、2013年に不動産の売買などを扱う株式会社TonTonを設立。

著者紹介

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今川 博貴

幻冬舎メディアコンサルティング

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