子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、「脳のくせ」について見ていきます。

ものごとを複数の視点から考える「サイコロ思考」

人間は皆、自分特有の”脳のくせ”を持っています。

 

例えば、あることに対していつもすごく腹が立つとしたら、その「あること」に対して1つの「ものの見方」しかしていない可能性があります。私たちは、1つのできごとに対して、自分特有のワンパターンな「ものの見方」「考え方」をしてしまいがちなわけですが、実は、いろいろな「ものの見方」「考え方」があるはずなのです。

 

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さて、ここでサイコロを想像してください。サイコロには、6つの面がありますね。1つのできごとに対して、6つ以上の「ものの見方」で考えてみることを「サイコロ思考」といいます。

 

そうすると、自分特有の”脳のくせ”であるワンパターンな思考の枠が外れて、柔軟な考え方ができるようになります。何か問題を感じたときは、とにかく思いつくままに、その他の5通りの考え方を書き出してみてください。ものの見方を変えると、できごとのすばらしい点が見つかるかもしれません。

 

5つの考え方のなかには、「役に立たないもの」や「非現実的なもの」「ナンセンスなもの」があってもOKです。いろいろ挙げてみたなかで、1つでも役に立つ考え方が見つかれば大成功です。

 

6つ以上の「ものの見方」で考えてみる
6つ以上の「ものの見方」で考えてみる

子どもが不登校に…そんなときの「サイコロ思考」は?

1つ例を紹介します。子どもが不登校になってしまい、悩んでいるお母さんのケースです。その人は、次のように考えてしまいました。

 

「学校に行けないことは致命的なことだ。あの子は落伍者になったのだ。お先真っ暗だ」

 

確かに「不登校になることの素晴らしい点など見つからない」と思ってしまうでしょう。他に、どんな考え方ができるでしょうか?

 

●これは、子育てのやり方を振り返るよい機会だ。今のうちに気づいて軌道修正できるほうがいい。

 

●うちの子は意思表示ができる子なんだ。

 

●私のことを親として信頼してくれているから、「学校へ行きたくない」と本音をいってくれるんだ。この機会に、親子の信頼関係をさらに深めていこう。

 

●感受性が豊かな証拠なのかもしれないな。これは、あの子の持ち味かもしれない。

 

●夫婦間のコミュニケーションをしっかり取ろう。これは、家族が家族らしくなっていくチャンスかもしれない。

 

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他にもいろいろな考え方ができそうですね。また、役に立つ考え方が見つからない場合でも、いつもの自分の“脳のくせ”を超えた、新たな全脳を活用した考え方を探そうとすること自体に、思考を柔軟にする全脳トレーニング効果があるのです。

 

悩んでいることや、引っかかっていること、執着していることなどがあったら、ぜひお子さんと一緒にサイコロ思考の全脳トレーニングを試してみてください。

 

 

大坪 信之

株式会社コペル 代表取締役

 

本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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