インカムゲイン狙いに最適⁉ 京都「町家」投資の強みとは

本記事では、伝統的な京町家を宿泊施設して保存・再生する事業を数多く手がけてきた児玉舟氏の著書、『最強の京都「町家」投資』から一部を抜粋し、投資先としての京都「町家」の魅力と具体的な運営方法について解説します。今回は、京町家の不動産投資先としてのメリット等について見ていきます。

京都町家投資で重要なのは「パートナー」の存在

町家をリノベーションし、宿泊施設として運営する投資を成功させるためには、前回紹介したような多くの手順を丁寧にこなす必要があります。これらの手順を単独で行うのは非常に困難であり、パートナーの存在が欠かせません。

 

私の会社は京都町家投資のパートナーとして、[図表]に示したような業務を請け負っています。

 

投資事業の中心となる私の会社が最初に担うのは、用地や物件の購入と高稼働率が確保できる施設のプロデュースです。物件を投資家に売却した後は、オーナーとなった投資家と物件の運営委託契約を結び、宿泊料を基に収益を還元します。

 

ワンルームマンションなどを対象とする一般的な不動産投資でいえば、サブリースに類似するシステムですが、違いもあります。

 

ワンルームマンションの経営は清掃や入・退居時の対応といった単純な作業が主となるため収益の差はほとんどありません。入居率を左右するのは主に物件の立地と入居づけを請け負う仲介会社へのリベート(広告費)です。

 

一方、宿泊施設の場合は物件の魅力に加え、インターネット等を駆使した集客や予約管理、受付業務、清掃やリネン交換といった運営の良し悪しが収益に大きく影響します。

 

私の会社では、委託された物件が大きな収益を上げられるよう、プロデュースの段階で徹底的な市場調査を行い、オペレーションについても稼働率アップにつながる高品質のサービスを提供しています。高い収益を上げる仕組みを構築しているからこそ、投資家に10年間定額の収益を約束する委託契約を提供できるのです。

 

私がこのビジネスモデルを採用しているのは、宿泊施設化の速度を上げるためです。物件を開発して宿泊業を手がけるだけなら、投資家に頼る必要はありません。自社で物件を保有すれば収益をそのまま得ることができるため、私の会社が得る物件ごとの利益はより大きくなります。

 

しかし、そのビジネス展開では速度が足りません。前述したとおり京都では毎日2.2件の町家が取り壊されています。貴重な財産である町家を救うには、迅速な対応が必須ですが、私の会社が用意できる資本には限界があります。一度に大量の物件を購入できないため、投資家の協力をあおぐ仕組みを作りました。

 

投資家の資力を借りれば、救える町家の数は飛躍的に増大します。また規模が拡大すれば1件当たりのオペレーションコストが下がり、利回りも増大します。利回りが高い投資は多くの人の関心を引くため、ビジネス展開は加速化するのです。

 

[図表1]当社の事業体系図(株式会社レアルHPより)
[図表1]当社の事業体系図(株式会社レアルHPより)

 

町家の宿泊施設化を促進する「証券化」とは?

町家の宿泊施設化をさらにスピードアップする策として、導入を勧めているのが「証券化」です。不動産の証券化による地方創生は、政府が力を入れる政策の一つであり、2017年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2017改訂版)」でも関係する業界への周知が推奨されています。

 

内閣府が発表している資料では、駅前施設の再開発で証券化を適用した事例などが紹介されており、官民連携で今後さらに利用が進められると考えられます。

 

町家投資も、1棟単位では大きな資金が必要ですが、証券化して小分けにすれば、数万円単位での投資が可能です。リスクを抑えて投資できるうえ、バランスシート(賃借対照表)から外すオフバランス化が可能なので、企業や事業者が保有する場合にも有効です。

 

今後、証券化が進むことで、町家投資が盛んになるのはもちろん、証券として取引されるようになれば、サラリーマン投資家などさまざまなプレイヤーの参入により、市場の活性化が期待されるでしょう。

 

ここまで紹介した京都町家投資について、実践した場合にはどういったメリットがあり、ポートフォリオを構成する資産としてどのような価値があるのかを紹介しておきましょう。

 

不動産投資のメリットは資産価値の変動幅が比較的小さく、安定的に収益を上げられることです。キャピタルゲインを狙う投資で利益を得るには価格変動が必要ですが、不動産投資のように物件から定期的に得られるインカムゲインを狙う場合には、価格の変動は必要ありません。つぎ込んだ資産の価値を保持したまま、その上乗せとして賃料収入を得られるため、安定的に一定の収益が確保できるのです。

 

成功の要件は主に二つあり、一つ目が「立地」です。現在需要があり、将来的にもその需要が長く低減しないと確信できる立地を選べば、長期にわたって安定した収益を上げられるうえ、物件の価値も維持されます。

 

もう一つは「物件の魅力」です。顧客層に訴求できる特別な魅力があれば、競合が増えても価格競争をせずに済むので、やはり収益の確保につながります。

 

京町家は二つの条件を満たす投資物件です。国内のインバウンド需要が急増するのに伴って、京都でもインバウンド景気が大きく盛り上がっているのはこれまで解説してきたとおりです。将来的に、日本に対する観光需要が調整局面に入ることがあったとしても、京都に対する関心や宿泊需要は維持されます。

 

物件の魅力という面でも、町家には大きな強みがあります。ホテルや旅館では大阪など近隣エリアの宿泊施設が競合となりますが、古都京都の街並みを彩る京町家は、顧客層に対して独自の魅力を訴求できます。

 

そういった町家の強みを背景に、私の会社では投資家に対して10年間収益を保証する借り上げ契約をしています。従って投資家は、物件購入後の10年間は稼働率にかかわらず、一定のインカムゲインを得ることができます。その後は新たに契約を結び直したり、状況に合わせて転売したり、自身で経営したりといったさまざまな展開を選べます。

株式会社レアル 代表取締役

1969年生まれ。建築・不動産会社に15年勤務した後、2013年京都にて株式 会社レアルを設立、代表取締役就任。少子高齢化の進行による空き家の増加に着目し、伝統的な京町家を宿泊施設として保存・再生する事業を手がける。建築・不動産業界での経験を強みとして、「鈴(りん)」「Rinn」のブランドで立地開発から設計、建築、運営まで一貫して行う事業をいち早く確立。事業開始からわずか2年でホテル13棟を含む47の宿泊施設を開業、2020 年度中にさらに100施設の開業を計画している。伝統的な京都の街並みを守りながら地域に溶け込み、地場産業と連携してインバウンド事業に取り組む姿勢が、多くの投資家の共感を集めている。

著者紹介

連載インバウンド需要、ローリスク、長期安定…最強の京都「町家」投資

最強の京都「町家」投資

最強の京都「町家」投資

児玉 舟

幻冬舎

今、もっとも投資する価値が高いのは「京都の町家」だ! 効率的なオペレーション・改装のポイント・集客…… 町家宿泊施設ビジネスのすべてを徹底解説。 着実に利益の上がる投資物件が枯渇しつつあるなか、 不動産投資で…

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