親心に苦しめられる…「奨学金負債」を抱えた社会人の本音

高卒と大卒では、生涯年収の差は数千万単位に開く。多少無理をしてでも、子どもを大学に行かせるため、学資ローンを組んだり、奨学金制度を利用させたりする親たち。しかし結局は、その負債を子どもが支払うという事実を、忘れてはいないだろうか。

都内1人暮らしの若者を苦しめる「奨学金」の重圧

高卒と大卒では初任給が4万円以上変わり、生涯年収ともなれば4,500万円以上の差が開く(厚生省調べ)。それならば、無理をしてでも大学に行かせてあげたいと考える親も多いことだろう。

 

一方で、子どものためを思って大学を行かせたはずが、その「親心」に苦しんでいる人がいるのも事実。原因は悪名高い「奨学金」制度にある。

 

昨年度大学を卒業した22歳のAさん。奨学金制度を利用し、某有名大学に進学、春からは都内で1人暮らしを始め、システムエンジニアとして新社会人のスタートを切った。

 

「毎月2万円、15年間かけて返済していく予定です。ボーナスが入ったら、それも返済に充てるつもりなので、実際はもっと短くなると思いますが」

 

「月2万円なら返せなくもないだろう」と考えるのは尚早だ。「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、新卒の初任給は、平均20万6,700円。社会保険料などを引かれたら、手取りは18万に満たない新卒は多い。

 

都内周辺の1人暮らしの家賃相場は、1Kなら7万~8万円ほど。家賃補助が出るならまだしも、全額負担しなければならない新社会人にとって、毎月2万の支出はあまりに大きすぎる。長期的な資産形成なんて、とてもできたものではない。「大学時代に貯金をしてこなかったのを後悔してる。病気とか事故とかで、急なお金が必要になったら本当にまずい」。そう嘆く同氏は、300万以上もの負債を背負っているわけだ。

 

人生の悩みすべてが、「お金がない」に帰結する
人生の悩みすべてが、「お金がない」に帰結する

 

ちなみに、奨学金返済をしなかったらどうなるのかというと、当然のことながら延滞金が発生する。第一種奨学金(無利息)・第二種奨学金(利息つき)どちらも、平成17年以降に借りていた場合は、延滞している割賦金(利息がある場合はその額を除く)の額に対して、返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、平成26年3月27日までは年(365日当たり)10%、平成26年3月28日以降は年(365日当たり)5%の割合を乗じて計算した額の合計額が賦課される(日本学生支援機構ホームページより)。それでも延滞していたら、勤務先にも連絡が来るし、保証人に請求がいくケースもある。「借り逃げ」は当然許されない。

長時間労働を取るか、十年超続く負債を抱えるか

一方、神奈川在住のBさん(27歳)は、わずか3年で返済したという。

 

「借金を背負っているという感覚が本当に嫌でした。早くお金を返したい一心だったので、実家を出ず、とにかく長時間働いて残業代を荒稼ぎしました。その分、帰宅は深夜12時を過ぎていましたが、結果3年で返済できました。完済後に会社はすぐ辞めました。大変だったけど、やっぱり大学生活は楽しかったし、もし自分に子どもができたら大学に行かせてあげたいと思います。もちろん、奨学金なしで」

 

彼女の場合、実家暮らしという選択肢があっただけ幸いだったのかもしれない。しかし、長時間労働を取るか、十数年にわたる借金を取るかなんて、地獄のような二択だ。十分な体力と精神力がなければ、達成できるゴールではないだろう。

 

我が子に負債を抱えさせないため、学資ローンを組む親もいるが、年利は奨学金より高く、利息も借りた翌日から発生する(奨学金の場合は、契約者が学生本人であり、在学中に利息は発生しない)。もはや、金がない親は子どもを大学に行かせるべきではないのだろうか? そんなことはない。

 

少子高齢化・人口減少の影響をもろに受けた大学側が、学生集めのために様々な対策を施している現状がある。たとえば、私立の神奈川大学が設けている「給費生制度」。入試問題の上位優秀者が対象となり、4年間で最大840万円の返済なしの給費、つまり大学4年間の授業料が実質「無料」になる(※入学金等の納入は必要)。このような制度を設けている大学は検索をすれば簡単に調べられる。子どもの大学入学を心から望むなら、奨学金ではない選択肢も考慮すべきだろう。

 

「学歴なんて関係ない」という風潮も芽生えつつあるが、そうはいっても、依然として学歴がモノを言わせている日本社会。子どもの本当の幸せとは何か? 親自らが子どもを不幸にしてしまわないためにも、早期の資産形成が求められている。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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