外資も続々進出!「京都の宿泊施設」への投資が狙い目なワケ

賃貸需要が見込める大都市圏では、物件の利回りが低下。地方物件は、過疎化の影響で空室だらけ。さらに、金融機関は不動産融資に慎重な姿勢を示しており、近年の不動産投資ブームには、陰りが見えて始めています。そんな中、外国人旅行者の急増により、宿泊施設の「需要過多」状態が続く「京都」が注目されています。本連載では、伝統的な京町家を宿泊施設して保存・再生する事業を数多く手がけてきた児玉舟氏の著書、『最強の京都「町家」投資』から一部を抜粋し、投資先としての京都「町家」の魅力と具体的な運営方法について解説します。

「国内の大都市圏」はすでに外国人旅行者でいっぱい⁉

急増する外国人旅行者は、経済面で国内に大きな恩恵をもたらしますが、一方で日本人の旅行需要と重なるゴールデンウィークやお盆、中国人旅行者が急増する春節などの繁忙期には、しばしば宿泊施設の不足が問題となっています。国内のインフラは人口に基づいて整備されるため、外国人旅行者の利用が増えれば不足することは十分にあり得ます。

 

日本政府観光局および各国の人口のデータによると、日本の人口に対する訪日外国人旅行者の割合は0.23(2017年)にとどまります。一方、世界最多の外国人旅行者数を誇るフランスは1.27、同じくEU圏のスペインは1.76と、ともに国民人口を上回る外国人旅行者を受け入れています。単純に比較できないものの、日本にはまだまだ多くの外国人旅行者を受け入れる余力があると考えるのが自然でしょう。

 

ところが国内の大都市圏では、すでに外国人旅行者でいっぱいだという声が聞こえてきます。時期によってはシティホテルの予約を取ることが難しく、訪問先から遠い地方のビジネスホテルしか残っていないというケースも珍しくありません。特に外国人旅行者が集中する東京、大阪の二大都市ではその傾向が強く見られます。

 

大都市圏に近い観光地では、街をそぞろ歩く旅行者のほとんどが外国人というケースも見られるようになりました。日本文化や異国情緒を楽しむつもりで来日したのに、周りが外国人ばかりでは風情がないと感じる人も多いでしょう。「同国人がいない観光地」を探して、インバウンドがほとんどなかった地方に注目する外国人旅行者も増えています。

 

彼らの需要に応えられるかどうかは、地方のインフラと労働力、意識などによって大きな違いがあり、成功する地方都市がある一方、せっかくの需要を商機につなげられないケースも多く見られています。

運営が難しいホテル業、規制が厳しくなった民泊…

それでは、実際に個人投資家が宿泊施設へ投資するには、どのようなエリアを選ぶべきなのでしょうか。まず考えられるのは、国際空港からのアクセスが容易であり、買い物や食事を楽しむことができる東京、名古屋、大阪、福岡のような大都市での宿泊施設の建設です。

 

しかしながら、個人投資家がこのような都市部の宿泊施設に投資することは、現実的ではありません。ホテルなどの事業用資産は、購入後の経営手法によって収益に大きな差が表れます。物件の価値も大切ですが、それと同等もしくはそれ以上に経営のセンスと労力により成否が分かれるのです。

 

そのため、一般的な不動産投資のように運営だけを請け負ってくれる事業者はほとんどいません。仮に高属性の資産家がホテルを建てたとしても、利益を上げるのは困難です。国内外に向けて効果的な広告を打ち、適切にフロント業務をこなす人材を育て、腕のいい料理人を雇い入れ、質の高いサービスを提供する―それは、現場で経験を重ね、知識を積み上げてきたプロフェッショナルだけがなせる業でしょう。

 

一方、オペレーションが容易な民泊は、競争の激化に加え、民泊新法や各自治体の条例により規制が厳しくなっています。前述したとおり、地方のインバウンド需要を狙うことも一つの方法ですが、安定的な観光需要があるとは限りません。

 

こうした問題をクリアし、宿泊業への投資が最も成功しやすいエリア、それは「京都」です。国内にはさまざまな観光都市がありますが、京都には他の都市に勝る投資メリットが数多く備わっています。

世界的に見れば京都を訪れる外国人旅行者数は多くない

東京や大阪の大手家電量販店や百貨店が立ち並ぶエリアは、一時、中国人の「爆買い」をはじめとする「モノ消費」の舞台として大きく賑わい、関連業者は多大なる恩恵を受けました。しかし、すでにその賑わいは陰りを見せています。

 

一方、京都市を訪れる外国人旅行者数は衰える気配がありません。それどころか年々増加傾向にあり、京都を訪れる観光客数は2013年以降は毎年5000万人を超えています(「平成28年京都観光総合調査」)。

 

京都の街が多くの外国人を魅了してやまない理由の一つは、観光資源の多さです。そもそも京都はインバウンド景気が注目される以前から、世界的に有名な観光都市でした

 

2014年と2015年、アメリカの有力旅行雑誌『トラベル・アンド・レジャー』で2年連続「ワールドベストシティ1位」に選ばれています。同じく、イギリスの有力旅行雑誌『ワンダーラスト』の読者投票では、2位ヴェネツィア、3位セビリアなど、世界の有名観光都市を抑えて2018年のベストシティ部門でトップに輝きました。『ワンダーラスト』は、旅慣れた富裕層に人気が高い旅行雑誌であり、満足度で2位に大差を付けたことは京都の魅力が世界の旅行者に高く評価されている証です。

 

一方、そんな世界屈指の観光都市であるにもかかわらず、世界的に見ると京都を訪れる外国人旅行者の数はそれほど多くありません。2016年に京都で宿泊した外国人旅行者は318万人にすぎず(図表)、都市別の外国人旅行者数ランキングでは72位にとどまりました。

 

1位香港の2660万人、2位のバンコク2120万人と比較すると、京都を訪れる外国人旅行者数がまだまだ少ないことを理解しやすいのではないでしょうか。国内の都市と比較しても、東京の927万人や大阪の940万人に比べるとかなり少なく、その分、大きな伸びしろがあると考えることができます。

 

[図表]京都の外国人宿泊客数
[図表]京都の外国人宿泊客数

2020年までに世界のハイクラスホテルが揃い踏みする

インバウンド景気では、リピーターの存在も無視することはできません。2017年の訪日回数2回以上の外国人旅行者数の割合は61.4%にのぼりました。京都を含む関西圏は、特にリピーターの割合が高いエリアです。2017年における国籍・地域別、訪日回数別の都道府県率を見ると、リピーターの多い韓国、台湾、香港、中国いずれの旅行者においても、関西圏のリピート率は、東京と並んでほかの地域をはるかに上回っています。

 

関西圏には、京都のほかにも、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやショッピングが楽しめる大阪、歴史的な遺物を多数見学できる奈良、おしゃれなエリアとして人気の高い神戸などが比較的狭い範囲に集約しているため、海外から訪れる旅行客にとっては近距離で多くのものを楽しめる地域として知られています。

 

世界の玄関口である関西国際空港は、国内の空港でLCCの就航都市数最多を誇っており、アクセスが良いのも関西圏の特徴です。

 

観光都市京都の高いポテンシャルには、外資からも熱い視線が集まっています。2005年以降、大手ホテルチェーンの進出が相次いでおり、2006年開業のハイアットリージェンシー京都をはじめ、2014年開業のザ・リッツ・カールトン京都、2015年開業の翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都、2016年開業のフォーシーズンズホテル京都と、近年は進出ラッシュが続いてきました。

 

今後も、2019年にはパークハイアット京都、エースホテル京都のオープンが予定されているなど、2020年までに世界の名高いホテルが揃い踏みすることになりそうです。いずれも高価格帯の大型ホテルであり、相次いで進出しているのは、こういったホテルの富裕層顧客の需要が、まだまだ高まると予想されているためです。

 

また、京都で宿泊施設が足りていないことも大型ホテルの進出を促す要因となっています。

 

 

児玉 舟

株式会社レアル 代表取締役

 

株式会社レアル 代表取締役

1969年生まれ。建築・不動産会社に15年勤務した後、2013年京都にて株式 会社レアルを設立、代表取締役就任。少子高齢化の進行による空き家の増加に着目し、伝統的な京町家を宿泊施設として保存・再生する事業を手がける。建築・不動産業界での経験を強みとして、「鈴(りん)」「Rinn」のブランドで立地開発から設計、建築、運営まで一貫して行う事業をいち早く確立。事業開始からわずか2年でホテル13棟を含む47の宿泊施設を開業、2020 年度中にさらに100施設の開業を計画している。伝統的な京都の街並みを守りながら地域に溶け込み、地場産業と連携してインバウンド事業に取り組む姿勢が、多くの投資家の共感を集めている。

著者紹介

連載インバウンド需要、ローリスク、長期安定…最強の京都「町家」投資

最強の京都「町家」投資

最強の京都「町家」投資

児玉 舟

幻冬舎

今、もっとも投資する価値が高いのは「京都の町家」だ! 効率的なオペレーション・改装のポイント・集客…… 町家宿泊施設ビジネスのすべてを徹底解説。 着実に利益の上がる投資物件が枯渇しつつあるなか、 不動産投資で…

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