昨今、様々な業界で技術の応用が模索されている人工知能。投資の世界でも、AI技術を活用したサービスが次々と誕生し、関心が高まっています。本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する株式会社ソーシャルインベストメントの山本弘史代表取締役が、AIによって大きく変わる資産運用の未来について説明していきます。今回は、「4次元アルゴリズム」の利用した株式投資のノウハウを紹介していきます。

相場が動き出す午前9時直後の「揺らぎ」に注目

筆者はこれまでの連載(関連記事:『投資スキル0点でも「100点満点のAI株価解析ソフト」を作れたわけ』)で、「相場は予想できるという幻想」が蔓延しているからこそ個人投資家の負け組が圧倒的に多いこと、そのなかで「AIの存在」が個人投資家にとって強力な味方になることを伝えてきた。この連載を通じて、みなさんに話したいことは、すべて話しができたと思う。

 

しかし、「では、どのようにしたら株式投資で勝てるようになるのか?」というのが、多くの方の本音ではなかろうか。投資の世界の事実や知識はさておき、多くの人が欲しいのは「ノウハウ」であろう。本当は、「筆者の会社のAI株価解析ソフトを利用して」といいたいところだが、せっかくの機会なので、実践的に相場で支える「ノウハウ」に焦点を当ててみよう。

 

余談であるが、インターネットを叩けば「トレードノウハウ」というものはいくらでも出てくる。多くの人がノウハウを求めているからこそ、世の中にはノウハウに関する情報が溢れているのであり、当然のことながらノウハウを提供する側の人間も存在する。しかし、ノウハウには気をつけたほうがよい。たとえば証券会社が提供するノウハウともいうべき「取引ツール」などは、それを見る個人投資家が多ければ多いほど、それを逆手に取る勢力も存在し、その勢力の手のひらの上で転がされないように注意する必要がある。

 

多くの人が求めるノウハウは、提供する側の意図を考えて利用しなくては、単に負け戦さをするだけのノウハウとなってしまう。どうか気をつけてほしい。

 

話を戻そう。そのノウハウは他でもない、前回の連載(関連記事:『特許出願中!「4次元アルゴリズム」による新たな株式市場予測』)で解説した「4次元アルゴリズム」を利用したトレードノウハウである。

 

4次元アルゴリズムとは、「時間」×「株価」×「出来高」×「エネルギー」という、4要素から相場を解析し、導き出したアルゴリズムのことである。まず大前提として、この4次元アルゴリズムを利用し相場に向き合ってトレードする場合には、「あること」に注目する必要がある。

 

それは「寄り付き」である。

 

知っている人も多いと思うが、寄り付きとは「株式の取引が開始するタイミング」のことをいう。つまり、東京の株式市場の場合、相場が動き出す「午前9時」のことだ。実はこの午前9時の寄り付きのタイミングは、売買のエネルギーが最も集中する時間帯なのである。

 

もう少し噛み砕いて解説しよう。売買が集中するということは、需要と供給によるエネルギーが集中しているということである。つまり「寄り付き直後」はこの需給のエネルギーが解き放たれた瞬間で、需給にアンバランスが生まれ、その結果、必ず価格は大きく変動することになる。筆者は通常、この価格変動を「揺らぎ」という言葉で表現しているのだが、この「揺らぎ」を取るのが「4次元アルゴリズム」なのである。

 

前回、「綱引き」の号砲が鳴った瞬間、エネルギーが集まった綱の真ん中で「ブルッ」と「縦揺れ」が起こることを例えに出し、同じことが相場でも発生するので、その「揺れ」を取るということを伝えたが、まさにこれである。相場の世界では午前9時に、必ず綱引きの「縦揺れ」が起きるのである。

 

つまり4次元アルゴリズムを利用したトレードでは、未来予想など一切行わない。一般的な株式投資において、利益を上げるための大原則は「安く買い、高く売る」である。そのために、多くの個人投資家が、テクニカル分析を駆使したり、企業の決算書などを分析したりして、値上がりする銘柄を予想し、結果、負けていく。

 

しかし4次元アルゴリズムは揺らぎを取る。揺らぎを取るということは、株価の上昇や下落を取るのとは別次元の行為である。したがって予想をする必要もないし、負けることも少ない。しかも「売買が集中する時間帯」だけを狙った時間効率の高いトレードができるのだ。

取引時間の短縮は、リスク低減にもなる

さらに「売買が集中する時間帯」を狙う、4次元アルゴリズムを利用したトレードには大きな利点がある。

 

それは「相場滞在時間が圧倒的に短い」ということである

 

よく考えてみてほしい。相場で長く株を保有し続ければ、相場の変動に長く付き合わなくてはならないのだから、その分、リスクがつきまとうことになる。しかし、4次元アルゴリズムを利用したトレードは、寄り付きの揺らぎを取るだけなので、あっという間に取引の決着が付く。長くても10分。多くの取引は1分ほどで決着が付いてしまう。

 

だからこそ4次元アルゴリズムを利用したトレードは、忙しい人にこそ向いている。どんなに忙しくても、9時前に用意して9時の寄り付きを狙い、遅くても9時10分には決済までが終了しているのだから。その時間だけを集中して、必ず起こる揺らぎを取るべくして取る。これが、筆者の「4次元アルゴリズム」を利用したトレードノウハウである。

 

 

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