超ドル高で大逆転!? 日本の財政が破綻する瞬間、何が起きるか?

積み上がる赤字国債、膨らみ続ける借金。日本の財政破綻はもう時間の問題…!? 多くの評論家や識者が悲観論を展開する日本の財政状況ですが、財政が破綻する瞬間にはどんなことが起きるのでしょうか。経済学の視点から考察してみましょう。塚崎公義教授の目からウロコの経済談義、連載第22回目です。

財政破綻の瞬間、「日本国債」が暴落する

財政が破綻するというのは、どういうことでしょうか。投資家たちが一斉に「日本政府は破産するだろうから、日本政府には金は貸さないし、貸してある金も返してほしい」といってくると、日本政府が借金を返せなくなって破産する、ということだとしましょう。

 

理屈の上では、日銀が紙幣を印刷して借金を全部返せばいいのでしょうが、それは超インフレを招くので禁じ手だ、ということにしておきましょう。

 

実際には、政府の借金は期限がありますから、国債の満期が来るまでは返済する必要がありません。したがって、満期が来た国債の分だけ日銀が紙幣を印刷して返済すればいいわけです。それだけなら大した金額ではありませんから。

 

そうなると、長期国債を持っている投資家は、「この長期国債が満期になる頃までには政府は破産しているだろう。一刻も早く換金してしまおう」と考えて国債を売りに出しますが、そんな国債を買おうという投資家はいないでしょう。

 

「非常に安い価格なら買ってもいい」という投資家(投機家?)に売るしかありませんから、たとえば額面100円の国債が30円くらいで売れるというイメージでしょうか。

財政破綻の直前、「超ドル高」になる

財政破綻の直前、もうひとつの大きな変化が起きるはずです。超ドル高です。日本政府が破産するとなると、日本政府の子会社である日本銀行が発行した紙切れである紙幣は、紙くずになるでしょう。それなら、どんなに高くても米ドルを買っておいた方がマシですから。

 

ここでもまた、ドルを円に替えたいという投資家はいないでしょうから、「1ドル300円なら売ってやる」といった投機家に頼んで売ってもらうしかなさそうです。

 

そうなると、日本人投資家も、多くは痛手を被るでしょうが、外国人投資家は本当に酷い目に遭います。

 

10ドル持って日本に来て、それを1000円に替えて額面1000円の日本国債を買って持っていた所、日本政府破産の噂が流れたので、額面1000円の国債を300円で売り、その300円を1ドルに替えて、本国に逃げ帰ることになるからです。

大量保有しているドルが爆騰し、日本政府は無借金に⁉

日本政府は、外貨準備のドルを大量に保有しています。かつて円高のときに「円高阻止のためのドル買い介入」をしましたが、そのときに買ったドルをいまでも持っているからです。

 

1兆ドルを300円で売ると、300兆円で売れます。その300兆円を使って暴落している日本国債を購入すると、額面1000兆円分の国債が買えます。

 

つまり、外貨準備の1兆ドルを使って、発行済みの国債をすべて買い戻すことができるわけです。晴れて日本政府は無借金になるのです。まさに大逆転です!

投資家(投機家)が大損するのは仕方ないが…

投資家(及び投機家)は、大損を被るでしょう。

 

投資も投機も自己責任ですから、彼らの損失を政府が補填する必要はありません。倒産する投資家や投機家もいるでしょうが、それは仕方のないことです。

 

もっとも、何ごとにも例外はあります。銀行です。銀行は巨額の国債を持っているので、巨額の損失を被るでしょう。問題は、銀行には自己資本比率規制があることです。

 

この規制は、大胆に簡略化すれば、「銀行は自己資本の12.5倍しか融資をしてはならぬ」というものです。したがって、銀行が大損をして自己資本が減ると、貸出を大幅に絞る必要がでてきます。

 

しかし、これによって銀行の貸し渋りや貸し剥がしを招き、日本経済に悪影響が出るという事態は防がなくてはなりません。

 

したがって、政府が銀行に出資をして、銀行の自己資本を維持してやる必要があるでしょう。その分は議決権のない優先株とし、銀行が将来の利益を使って政府から買い戻す、という条件になるのでしょうが。

 

今回は、以上です。

 

 

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塚崎 公義

久留米大学教授

 

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久留米大学商学部 教授

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。
著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。
趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載塚崎公義教授の目からウロコの経済談義

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