値崩れする「憧れの別荘」を格安で購入し、収益化する方法

近年の不動産市場では「格安別荘」が多数販売されています。物件を見極めてリノベーションすれば、セカンドハウスとして楽しむだけでなく、収益物件にすることも可能です。本記事は、格安別荘の流通事情と具体的な活用術を見ていきます。

市場に出回る「格安別荘」…団塊世代の終活と関連?

団塊の世代にとって、郊外の庭付き一戸建ての購入と自家用車の所有は、豊かな生活の象徴でした。富裕層はそれらに加え、別荘やリゾートマンションも所有し、夏は高原の避暑地や海岸近くのリゾートへ、冬はスキーへ・・・とレジャーを楽しんでいました。

 

しかし、バブル崩壊後、価値観やライフスタイルの変化に伴い、これらの物件は需要が激減。買い手がつかず、一気に値崩れを起こしてしまいました。日本の人口減少に伴い、全国各地で空き家が増えていますが、別荘に関しても例外ではないのです。

 

当時人気のあった軽井沢や那須、箱根といった別荘地にも、近年では100万円台の物件を見かけるようになりました。そして、じきに後期高齢者なろうとする団塊世代が別荘を手放すタイミングとも重なり、市場には多数の中古物件が出回っています。

 

憧れの別荘ライフが格安で手に入るとなれば、思わず飛びつきそうになりますが、安易に手を出せば想定外のデメリットを被るリスクもあり、注意が必要です。

別荘自体は格安でも、維持管理にはお金がかかる!

意外と知られていない別荘維持にかかる経費について見ていきましょう。

 

別荘自体を格安で購入したとしても、それで終わりではなく、税金や維持管理費が発生します。では、具体的にどの程度の金額がかかるのでしょうか?

 

まず、別荘やセカンドハウスを購入すると、物件取得費用のほか「不動産取得税」がかかります。土地や家屋などを取得した際に課される税金で、税率でいうと、土地・家屋は3%、住宅以外の家屋は4%になります。つまり、娯楽用ではなく居住用のセカンドハウスが3%、贅沢品の別荘は4%になるというわけです。

 

そのほか「固定資産税」や、物件が市街化区域にある場合は「都市計画税」が課せられます。また、住民票の所在地によって「住民税」もあります。セカンドハウスではなく別荘として使用しており、自宅に住民票がある場合には、別荘所在地が均等割りで課税されることがほとんどです。ほかにも「火災保険」や「水道光熱費」も必要です。

 

「建物は住まないとダメになる」というのは実際その通りで、空き家状態のほうが劣化や損傷が進みます。建物には維持管理の手間やコストが不可欠であり、とくに別荘に多くあるような木造住宅はこまめな管理が必要です。

 

日本には四季があり、気候の変化が大きいのは皆さんもご存知でしょう。定期的に換気をしないと、湿気やカビで室内が傷みますし、雨戸を閉めたままでは直射日光が当たらないため、カビやダニ、細菌などが繁殖します。水回りを使用しないと、給排水管が錆びて傷みが早くなるほか、排水トラップの水が蒸発して外部から浸入する虫などを防げなくなります。建物は、住まないとどんどんダメになってしまうのです。

 

これらのメンテナンスを代行してもらう場合には費用がかかり、自分で行うためには交通費などの費用や手間がかかります。

 

「では売却しよう」と思っても、別荘は普通の住宅に比べて需要が少ないため簡単には売れず、その間もずっと税金や管理費の支払いが必要です。

変わりつつある「別荘の使い方」

現在においても、高級な別荘を保有して贅沢に使う富裕層の文化は健在です。しかし一方で、格安の別荘を購入してセルフリノベーションをするなど、費用を抑えて改修し、なるべくお金を使わないスタイルも生まれつつあります。

 

働き方改革によって選択肢が増えた若い世代のなかには、都会での生活だけではなく、自然豊かな場所にも拠点を持つ「デュアルライフ」に関心が高い人も多く、格安別荘の購入意欲を持つ人もいるのです。

 

リモートワークやボランティア休暇、副業を解禁する企業が増えるなか、住居や本業を都市部に置きつつ2つ目の住居や仕事をもつ「デュアルライフ(二拠点生活)」に注目が集まります。2つ目の拠点として、都市部から1時間半以内程度の自然豊かな場所=かつて人気のあった別荘地に興味をもつ若い世代が増えてきたのです。

 

都心部の物件価格が高騰しているこのご時世に、都心に家を買って高い維持管理費を支払うことを考えれば、発想を柔軟にし、新たな生活スタイルを確立するのも個性的でオシャレ・・・ということなのでしょうか。

利用しない日は「お金を生む不動産」として活用

先ほども説明したとおり、建物は使っていないと劣化や損傷が進みます。それゆえ、別荘は“管理”が非常に大変なのです。ならば、と注目されているのが、最近さまざまな分野で広がる「シェアリングエコノミー(共有型経済)」を取り入れる方法です。

 

たとえば、所有する別荘を「一棟貸切旅館」にリノベーションすれば、ランニングコストを補う賃料収入を得ながら、リゾートライフを楽しむことができます。

 

自分が使用しないときはゲストハウス(一棟貸切旅館)として貸し出し・運用することで、合理的な別荘ライフが可能になる仕組みです。定期的に人が出入りすることで大切な資産である建物の状態を良好に保て、収益も得られて一石二鳥なようです。

 

ちなみに弊社でも、別荘を再生したゲストハウス(一棟貸切旅館)のプロデュースを多数手がけてきましたが、ゲストハウスを作る際は、下記の5項目が成功のポイントとなります。

 

①ターゲットの明確化

②食事のよさ・観光エリアへのアクセス等の「強み」の調査

③近隣の競合物件の稼働率・宿泊単価の調査

④物件の強みを生かしたリフォームプランの策定

⑤エリアや物件の特徴を活かした、ユーザーニーズに対応したデザインの策定

 

 

格安の別荘を再生し、利用しないときにゲストハウスとして貸し出すことでお金を生む「別荘ライフ」。自然豊かな場所で感性を豊かにし、個性的なライフスタイルで人生を楽しむ。これぞ“現代の生き方”といえるかもしれませんね。

 

 

浅見清夏

ハウスバード株式会社 代表取締役

 

鈴木結人

マーケティングチームリーダー

 

竹内康浩

建築デザインチームマネージャー

 

ハウスバード株式会社 代表取締役社長

●青山学院大学 卒(在学中、上海・復旦大学に留学)
●アクセンチュア(株)戦略コンサルティング本部勤務
●中国・上海にて、幼児教育事業 レインボーバード幼児教室を起業後、ヤマトキャピタルパートナーズに売却
●政府系VC・産業革新機構にて投資サイドで勤務

著者紹介

ハウスバード株式会社 マーケティングチーム リーダー

早稲田大学卒
ハウスバード株式会社でのインターンシップを経て、新卒第1期生として同社に参画。
近隣住民対応や運営対応を経て、現在マーケティングチームのリーダーに就任。

著者紹介

ハウスバード株式会社 建築デザインチーム マネージャー

日本工業大学建築学科修士号。
株式会社アーキディアックに入社し、公共施設の設計・施工管理に従事。
2017年、ハウスバードへ建築デザインチーム マネージャーとして参画。

著者紹介

連載木造住宅をレトロモダンな「一棟貸切旅館」に…古民家再生投資のノウハウ

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧