スラムマンション、事故物件…投資前に知るべき不動産業界の闇

昨今、不動産投資の人気が高まっていますが、アパマンショップの爆発事故、かぼちゃの馬車事件等、「不動産業界」の問題は後を絶ちません。果たして本当に、知識のない初心者や忙しいサラリーマンが手を出していい分野なのでしょうか? 本記事では、40代で知識ゼロから不動産業界に飛び込んだ川嶋謙一氏が、裏情報を解説します。

「早い金」でマンションを買い上げる不動産業者たち

不動産屋の中にも、マンションの転売を繰り返すような、マンションに特化した業者があります。

 

営業マンを何人も抱え、マンションを買い上げて内装のリフォームをして再販します。資金も銀行などではなくノンバンクなどの「早い金」で早く買い付け、1~3カ月の間に売り飛ばします。銀行の融資は、決定までに物件資料を提出して審査をする時間が必要ですが、ノンバンクは当日または翌日に用立ててくれることから「早い金」といわれています。

 

利息は、マイナス金利なので信用金庫で年利0.8~2.3%ぐらいですが、ノンバンクは年利10~15%ぐらいになります。いつマンション価格の相場が崩れるかもしれませんし、東京オリンピックが始まる前に価格が下がるとまことしやかに噂されていますので、何カ月も抱えているわけにはいきません。

 

ましてや長期保有は借りたお金の金利が大変です。早く売ってしまわないと、マンションの仕入れ代や内装のリフォーム代の回収すらできなくなってしまいます。さらに、買い上げたマンションを現金化しないと、次の仕入れに影響します。

 

買い上げたマンションが売れずに何戸もかかえてしまうと、不良債権とみなされ、次の融資が下りないうえに、内容によっては貸し剝がしといってまだ返済期限が来ていないのにすぐに返済するようにノンバンクから求められてしまいます。とくに悪い情報は早く回りますので、当然他のノンバンクからの融資も凍結されてしまいます……。となれば、マンションを安く買う方法として調べることは次の2点です。

 

①その物件は仲介物件なのか、代理なのか、売主なのかということ

②売主なら、いつ買い上げたのか(所有権移転時期)、いくら借りたのか(抵当権の金額)、そしてどこから借りているか(銀行系かノンバンクか)

 

調べることは簡単で、マンションが登記されている法務局へ行って、謄本を見れば全部わかってしまいます。当然、不動産業者や弁護士ではない普通の人でも簡単に謄本を見ることができます。

 

さらに、売主の会社のホームページなどから会社の決算月を調べれば完璧です。物件を紹介する図面には、下の帯と呼ばれる不動産屋の会社名が記載されている部分の片隅に必ず媒介(仲介)・代理・売主等と記載がしてあります。

 

媒介(仲介)とは売主と買主の間に立って契約を成立させる物件で、売主の意向に沿って交渉するだけです。媒介(仲介)には3種類あり、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介です。また代理も売主の代理で契約する物件で、媒介よりも多少、交渉の幅が広いことと仲介手数料が必要ない場合もあるということがメリットです。

 

狙い目は「売主」と表示のある物件です。不動産屋が買い上げて、現状、またはリフォームをして再販している物件なのです。できればフルリフォーム済の物件が望ましく、内装のほかに排気ダクト、換気扇、浴室、キッチンが交換してあるものがいいでしょう。

 

マンションは年数とともに老朽化していきますが、その前にダクトや浴室の配管、給湯器、台所の排水管などの交換時期がやってきます。途中でパーツごとの工事をすることは大変な工事になってしまいますし、年数によっては交換の部品がなくなってすべて交換せざるをえなくなったりします。

 

賃貸で入居者がいる状態なら、さらに大変なことになってしまいますので、マンション購入はフルリフォームしてあるほうが多少高くつきますが、そのほうが10~20年、設備・備品は問題なく使えます。

 

それに、いちばん大切なことは、売主物件は仲介手数料が必要ないということと、不動産業者が売主の場合は瑕疵担保責任免責が許されないということです。

 

ほとんどの場合、売主が一般の会社だったり個人だったりする場合は、契約書の特約に瑕疵担保責任免責とあります。売ってしまってから「雨漏りがするから直してくれ」とか、「内装の内側にカビが生えていたので内装工事代金を払え」といった請求がきたら、売ってからも心配でおちおち寝てもいられません。そのため大概は瑕疵担保免責が付いています。

 

瑕疵担保責任とは、物件に隠れた瑕疵(外部から容易に発見できない欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことが宅建業法で決められています。売主が買主に対して負う責任とは、瑕疵の修復をしたり損害が発生した場合に損害金を支払うことなので、一般の売主は免責条件とします。

 

ただし、宅建業法では、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合には、買主が瑕疵の事実を知ったときから1年以内に通告すれば責任を追及できるとありますが、この内容だと10年後に瑕疵を発見した場合でも補償しなければいけなくなってしまいますので、特別に買主が瑕疵担保責任を追及できる期間を「引渡しの日から2年間」とすることが例外として認められています。売主が不動産業者の場合は、2年以内に隠れた瑕疵を発見すれば、補償してもらえるという特権もあるのです。

 

内装工事も、一般の人が業者に依頼してフルリノベーションをすれば、2DKぐらいでも400万~500万円ほどの見積もりがきます。

 

ところが不動産業者が売主の場合は、工事をする業者を知っているうえに手数料やリベートもなく、下請け、孫請けなどを通しませんので安く、200万~300万円ほどで工事を完了させてしまうのです。

 

その物件の不動産屋が売主で、謄本から買い上げた時期を見て3カ月ほどたっていたりフルリノベーションまたはフルリフォームが施してあれば、指値を入れて買い付けを出しましょう。ただし業者も2~3カ月ほどで再販を考えていますので、時間がたっていれば買い付けをするときに停止条件(ローン条項)付きだと断られるか、自動的に2番手になってしまう可能性があるので気をつけましょう。

 

3カ月以上たっている物件でなかなか売れないような物件であれば、大きく指値を入れて現金で買い叩くのは常套手段ですし、決算月ならなおさらOKです。

管理日・修繕積立金のない「スラムマンション」

「マンションは管理を買う」といわれるように、管理の行き届いたマンションは築年数のわりに新しく見えるうえに、共用部分もとてもきれいになっています。ビル全体の水漏れなどのトラブルもなく快適で、区分所有として売り出されてもすぐに買いが入る人気物件になるというものです。

 

この「管理の行き届いたマンション」は、管理組合主導のもと、区分所有者全員から毎月管理費・修繕積立金を徴収し、毎日の掃除から何年かごとの内外壁塗装工事や屋上の防水工事を実施しているからにほかなりません。

 

では、管理費・修繕積立金がないとはどういうことなのでしょうか? 一棟まるごと所有しているマンションなら、必要に応じて所有者が内外壁塗装工事や防水工事を実施するでしょうが、区分所有のマンションなら清掃の費用や共用部分の電球や蛍光灯の交換は誰がするのでしょうか?

 

マンションの広告などをよく見ると、ときどき「管理組合なし、管理費・修繕積立金なし」というものがあります。「自主管理」などと記載されている場合もあります。あるお客様は「うるさい管理組合や管理人もないし、管理費・修繕積立金もなくていいじゃないですか」と言うのですが、この人は、自分が区分で買ったマンションの部屋で民泊をやっていて、人の出入りの問題や騒音などで管理組合から再三クレームや指導が入り、民泊をやりづらくなったうえに高い管理費のためにそのマンションを退去した経験のある人でした。管理組合のないマンションのほうがいいというので、「さっそく内見に行きましょう」ということでマンションを見に行きました。

株式会社未来投資不動産 代表取締役社長

1959年新潟県生まれ。元国鉄職員。国鉄在籍中、20歳で喫茶、ジョンレノンを経営するも失敗し、27歳で破産、国鉄も退職、そして離婚。自殺を考えたが、子供の寝顔を見て一念発起、三国峠を通りバイクで10時間かけ新宿歌舞伎町へ。あらゆる仕事をし、株で儲けたお金でタイ料理シェラトンを買収。しかし、エイズ問題でタイ人が激減し閉店。また、携帯電話販売の会社を設立し、6店舗拡大も失敗。2度目の破産を経験。絶望の中、株式会社マンボー森下不動産の洗礼を受け独立。
「あなたの現在、未来を応援します」をモットーに賃貸、売買、管理まで、何でも引き受け盛栄中。現在、スタッフにも恵まれ、2店舗運営。さらなる高みを目指し奮闘中。

著者紹介

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