精神科の需要は増だが…医師の開業「儲かる診療科」は何科か?

内科、外科、整形外科、小児科、眼科、泌尿器など、さまざま科目が存在する医療の世界。医師が開業する際は専門性をもった科目で看板を掲げることになるわけですが、実際のところ、どの科目が最も儲かるのでしょうか? 

「お金がたくさん入ってくる=儲かる」ではない?

ネット上では「医師の儲かる科目ランキング」などを目にすることがありますが、「儲かる」と聞くと、お金がたくさん入ってくることをイメージする人も少なくないかもしれません。でも、お金がたくさん入ってくる=儲かるとは言い切れないのが開業医の世界です。

 

なぜなら、どんなに患者をたくさん集めて、高い診療費を得ていても、最先端の高額医療機器を使っていたり、専門医を多数雇っていたりして、出ていくお金も多ければ「儲かっている」とは言えないこともあるからです。

 

儲かる科目を知るには、収入から支出を差し引いた「損益の差」を見る必要があります。つまり、入ってくるお金が多く、出ていくお金が少ないほど、「儲かっている科目」と考えることができるのです。

眼科は「コスパがいい」、整形外科は「患者が多い」

損益の差を頭に入れたうえで儲かる科目を考えていくと、現在、最も儲かると言われている科目の一つは「眼科」です。白内障の手術は短時間で終わりますが、他の科目の数時間かかる手術と同等の保険点数を得ることができるため、「コストパフォーマンスがいい」のです。さらにパソコンやスマホの影響か、視力が低下している人やドライアイで悩む人が増えているため、眼科は患者数が増加している「ニーズの高いマーケット」でもあります。

 

また、「整形外科」も儲かる科目の代表でしょう。整形外科が儲かる理由は、公的な医療保険が適用されない医療技術を必要とするケースが多いからです。いわゆる「自由診療」ですが、自由診療は最先端の医療技術や薬剤を用いるため、医療費が高額になりやすいものです。また、整形外科は骨、筋、靭帯など対象部位が幅広く、高齢者のリハビリテーションとしての需要もあるため、こちらも眼科と同様に患者の多い科目です。

 

ちなみに、アメリカの専門医で最も稼いでいると言われる科目は「脳神経外科」です。脳神経外科の手術は、人間の最も重要な臓器の一つである脳を取り扱うため、医療費がとても高額です。

今後、需要の増加が見込まれる「精神科」

「儲かる科目」は時代の変化とともに変化する可能性があります。その観点で見ると、今後は「精神科」がより儲かる科目になるかもしれません。ストレス社会と呼ばれてる日本の年間自殺者は約2万人で、近年は減少傾向にあるものの、10代の自殺者は増加しています。若い世代も含めて精神疾患に悩む人は少なくないため、何かと暗いニュースが続く日本ではメンタルをサポートする精神科の患者が増加していくことが予想されています。

 

精神科が儲かる科目になると考えられる理由は患者の増加だけでなく、冒頭で説明した「損益の差」のところでも優位性があるからです。精神科は体ではなく心の医療をするため、CTスキャンやMRIなどの非常に効果な最先端医療機器を導入する必要がありません。つまり、支出を抑えて開業ができるのです。だからといって、他の科目と比べて診療費が格段に安いということもありません。

 

精神科は今後ニーズが増すことが考えられ、おすすめの科目ではあるものの、医師自身のメンタルヘルスには注意が必要です。ただでさえ多忙を極め心身共に疲弊している方の多い医師ですが、開業すればクリニック経営のストレスがかかります。さらに患者一人ひとりの心の問題に向き合わなければならない精神科は他の科目よりも多くのストレスに晒されることになるからです。

「儲かる科目」の開業医になるためには素質も必要

ここまで「儲かる科目」の紹介をしてきましたが、この科目を選んで開業したからといって、確実に儲かるわけではありません。儲かる開業医になるためには、それなりの「素質」が必要なことは言うまでもないでしょう。

 

たとえば、マネジメント感覚。勤務医は決められた仕事を正確にこなしていけば高額の収入を得ることができても、自分がオーナーの開業医になったらそうはいきません。物件や医療機器の契約をはじめとする開業自体を成功させたうえで、人材採用、広告・宣伝、税金対策など、今までに経験したことのない業務も行いながら走り続けることが求められるのです。

 

また、開業してすぐに患者が多数来るようになり、一見“成功”と思える状態になったとしても、それが長く続くとは限りません。なぜなら、近所に同じ科目で、より優位性の高いクリニックができたら、そちらに患者が流れてしまう可能性があるからです。そうならないように開業医は常に世の中にアンテナを立てて、勝ち続けるクリニックとしての「ビジョン」をもつ必要があります。

 

「儲かる科目」を知ったうえで、自分が儲かる科目で開業するからと安心・慢心せずに、常に患者が集まるクリニックにすることを心掛けたいものです。

 

「儲かる科目」が実際に存在する開業医の世界。でも、クリニックの経営をオーナーとして続けるためには、潤沢な資金だけでなく、先ほど述べたような経営者としてのマネジメント感覚が必要不可欠です。

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東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:「勤務医ドットコム」(https://kinmui.com/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載医師だからこそできる「節税」…確実に知っておきたい基礎知識

本連載は、『勤務医ドットコム』の記事を抜粋、一部改変したものです。

医師のための節税の教科書

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秋葉 侑輝

幻冬舎メディアコンサルティング

診察、事務処理、学会準備・・・ 休む暇なく働いているのにお金が貯まらないドクターへ 手取り額を増やして資産を築くために、押さえておきたいマネーリテラシー

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