白内障の手術後に「重いもの」を持ってはいけないのはなぜか?

本連載では、白内障治療に強みをもつ、アイケアクリニック院長の佐藤香氏が、白内障の基本的な症状や治療法を解説します。今回は、「白内障手術直後」に起こる生活の変化について見ていきます。

白内障手術後、光をまぶしく感じる人もいるが…

白内障手術後、まぶしさを強く感じるのは、水晶体の濁りがなくなり、多くの光を取り込めるようになったためです。健康には問題なく、時間の経過とともに目が慣れて、気にならなくなります。

 

◆術後のまぶしさは、見えづらさが治った証拠

 

白内障の手術後に、強いまぶしさを感じる人がいます。これは、本来白内障による病気の症状のひとつですので、「手術で治したはずなのにおかしい」と思うかもしれません。

 

この現象は、濁った水晶体が取り除かれ、透明な人工眼内レンズに置き換わったことで、眼内に入り込む光の量が増えた結果、起こってしまうものです。特に、水晶体の濁りが強かった人ほど、反動で光がまぶしくなるようです。

 

このまぶしさは喜ぶべきものでしょう。白内障が原因のまぶしさは、水晶体の濁りが光を乱反射することで感じるものでしたが、術後のまぶしさは、単純に光の量が増したことによるものですので、しっかり治療できた証拠ともいえます。

 

◆気になる場合はサングラスを

 

光の量は、慣れてくると気にならなくなりますし、健康上の問題もありません。しかしデリケートな人の場合、まぶしさを過剰に感じてしまい、精神的に参ってしまうこともあります。

 

そのような場合は、サングラスで目に入る光量を調節することをおすすめしています。まぶしさは、その人の感覚的なものなので、本人が不快なのであれば、やはり何らかの対応を取るべきです。

 

◆自然な見え方に近づける色付き眼内レンズも

 

昔の眼内レンズは無色透明だったので、まぶしさを強く感じる要因になっていました。この事実を踏まえ、現在の眼内レンズは、多少の色味の調整をしたものが一般的になっています。もし、目に入る紫外線などが気になる場合は、手術のときの眼内レンズ選びで、無色透明のものは避けるとよいでしょう。

入浴、就寝…白内障手術後の生活はどうする?

白内障手術後、10分ほどクールダウンしたら、自宅に帰ることができます。家では、細菌感染や出血を防ぐため、目をこすったり、強くぶつけたりしないようにしましょう。手術当日は、入浴や洗顔、シャンプーは控えてください。

 

◆保護メガネでカバー

 

手術のあと、うっかり手で患部を触ったり、埃やごみが目に入ったりしないよう、保護メガネをかけて過ごします。1週間ほど装着する必要があります。

 

手術後の保護ゴーグル
手術後の保護ゴーグル

 

◆就寝時は眼帯で目の保護を

 

就寝時は、簡易的な眼帯をつけます。もしくは、保護ゴーグルを固定してもかまいません。こちらも同じく、1週間は使用する必要があります。

 

◆重いものは極力持たないように

 

また、重いものを持たないように注意してください。目に力が入り、傷口が開いてしまう可能性があるためです。

 

ついうっかりしがちなのが、インターネットで購入した水やビールなどを、玄関先で受け取ってしまうことです。飲料は重量があるので、手術後の人には危険です。日常的に飲料を宅配してもらっている人は、こうした点にも気をつけてください。

 

◆当日の入浴、シャンプーは控える

 

手術当日は、入浴やシャンプーを控えるようにしましょう。洗顔もNGです。顔は濡らしたタオルで拭く程度にとどめてください。特に、目のなかに水道水を入れないよう気を付けてください。水道水には雑菌がたくさん入っているので、手術後の目に入れるのは厳禁です。

 

翌日からは、長時間でなければ入浴することができます。ただし、シャンプーと洗顔は1週間経過してから行うようにします。

 

髪の汚れが気になる場合は、保護メガネをかけた状態で市販のドライシャンプー(水を使わないシャンプー)を使ったり、美容院で目に水が入らないようにシャンプーしてもらったりするといいでしょう。くれぐれも、目のなかに水を入れてはいけません。

 

◆服薬について

 

手術後は、感染症の予防のための薬が処方されます。処方された薬を服用しつつ、普段の薬もそのまま飲むようにしましょう。

 

まれに「薬をたくさん飲むことに抵抗があるので、どれかを間引きたい」という人もいますが、個人の判断で服薬をやめるのは、たいへん危険です。心配なことがあれば、必ず医師に相談するようにしてください。

 

◆お化粧について

 

手術当日は、お化粧をしないようにしましょう。翌日以降は、ファンデーションを塗るのはかまいませんが、目周りのお化粧は避けてください。1週間を過ぎれば、手術前と同じようにしてかまいません。

 

白内障の手術後は、日常生活の注意点をしっかり守ることで、順調に回復していくことができます。定期検診とあわせて、日常生活にも気をつけていきましょう。

 

 

佐藤 香

アイケアクリニック院長

医療法人トータルアイケア理事

アイケアクリニック銀座院副院長 医師

 

 

アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

集中力を要する緻密な作業を得意とし、特に最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。
日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケアー「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアに取り上げられている。

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【公式】埼玉県草加市の眼科 アイケアクリニック

著者紹介

連載40代でも発症する目の疾患「白内障」の基礎知識