「古民家投資」最新事情…収益性・税メリット・自己使用の実際

古民家を宿泊施設や別荘として活用する「古民家投資」は、シェアリングエコノミーの広がりといった社会的な潮流にマッチした投資手法であり、今後ますます盛んになることが予想されます。今回は、古民家投資のメリットについて、具体的な内容に踏み込んでいきます。※本連載は、外国人宿泊客に人気の高い古民家を再生した旅館づくりのポイントを「一棟貸切旅館」のプロデュースに多数の実績をもつ筆者がわかりやすく解説します。

古民家投資は「ミドルリスク/ミドルリターン」

古民家に憧れ、古民家のような雰囲気の空間で暮らしてみたいと思ったことのある方は、案外多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、そうでない方でも、古民家的な味わいのあるレストランや旅館で、心安らいだ経験があるかもしれません。

 

今回は、古民家を宿泊施設・別荘施設としてリノベーションして活用する「古民家投資」について、その具体的なメリットを見ていきましょう。

 

そもそも古民家投資とはどのような投資商品であり、また、どのような点に魅力があるのでしょうか?

 

古民家投資とは、中古別荘や空き家を購入し、リノベーションを施し、宿泊施設兼別荘とすることで利益を得るという投資商品です。「魅力ある古民家の仕入れ」や「商品性を高めるための企画・デザイン」、「旅館業免許の取得」と、それぞれの専門家の力を合わせて古民家の価値を引き出します。

 

[図表1]古民家を宿泊施設にするまでに必要な要素
[図表1]古民家を宿泊施設にするまでに必要な要素

 

投資商品として見た場合の古民家の位置付けですが、「預金」や「国債」をローリスク/ローリターン、「株式投資」や「FX」をハイリスク/ハイリターンとすると、「古民家投資」はミドルリスク/ミドルリターン(「投資信託」や「不動産投資」と同じ)に分類できます。

 

また、そのなかでも取得費を抑えつつ、高い収益を期待できることから「ややハイリターン寄りのミドルリスク/ミドルリターン」だということができます。

 

[図表2]投資商品として見た「古民家」のリスクとリターン
[図表2]投資商品として見た「古民家」のリスクとリターン

古民家投資の特徴から見る「3つのメリット」

古民家投資の特徴をまとめると、以下のような魅力が見えてきます。

 

●低額投資で高利回り

●税金対策になる可能性

●宿泊施設としてだけでなく、所有者の別荘としての利用も可能

 

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

 魅力1  低額投資で高利回り

 

古民家投資は低額投資で高利回りを目指せる投資商品です。通常、旅館の取得には数億円の資金が必要ですが、古民家投資では3,000万円~6,000万円程度で取得を目指すことができます。

 

また、都心を中心に宿泊の需要が高まっており、宿泊競合も多くないため、宿泊料は高単価で設定可能です。ユーザーニーズに合わせて長期滞在やマンスリー/ウィークリー対応などをすることも可能で、こうした施策がニーズに合致すればさらなる高収益化を目指せます。

 

なお、旅館業免許付の物件は希少であるため、一度旅館業免許を取ってしまえば高価格での売却を期待できます。

 

 魅力2  税金対策になる可能性

 

古民家投資は税金対策として活用できる可能性があります。例えば、相続税対策としては、通常時価の8割程度で評価される相続税評価額の特性や、要件を満たせば一定面積まで80%の減額を受けられる小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

 

親世代が所有者となり、子世代が事業主登録をすることで、贈与税や相続税がかからずに事業収入を子世代に譲渡することも可能です。また、築年数を経た古民家(木造住宅)を取得することにより、減価償却の期間を短くでき、単年度の経費計上額を大きくできます。その他、弊社でプロデュースする場合、旅館コンサルティング費用やリノベーション費用の一部は1年目に一括して経費に計上できます。これにより、経費計上した年は所得税や住民税の納税額を抑えられます。

 

※詳細は物件ごとに異なるため、事前に調査及び税理士への相談が必要です。

 

 魅力3  宿泊施設としてだけでなく、所有者の別荘としての利用も可能

 

古民家投資は宿泊施設としての貸し出しで収益を上げることを目指しますが、使わない期間は別荘として自己利用することも可能です。また逆に、別荘を主目的として購入し、使わない期間を旅館として活用するといった使い方もできるでしょう。

 

使わない期間を宿泊施設として使うことのメリットは、継続的な建物の利用に加え、定期的な掃除やメンテナンスを実施することで、建物をよい状態に保ちやすいという点が挙げられます。

 

[写真]のどかな田園地帯に建つ古民家
[写真]のどかな田園地帯に建つ古民家

現代社会の背景にマッチする「古民家投資」

古民家投資の特性、魅力についてお伝えしましたが、古民家投資には、現代の社会的背景にうまくマッチしていると見られる部分がいくつかあります。

 

●インバウンド需要

 

まず、訪日外国人増加による宿泊施設が不足している点です。JTB総合研究所の統計によると、2011年にはおよそ620万人/年だった訪日外国人は円安や東京オリンピックの影響により、2018年には約3,100万人/年にまで増えています。

 

[図表3]年別訪日外国人数の推移(1964年以降) 出所:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計よりJTB総合研究所作成
[図表3]年別訪日外国人数の推移(1964年以降)
出所:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計よりJTB総合研究所作成

 

こうしたなかで、宿泊施設の不足が起こっています。観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2014年に57.4%だった客室稼働率は2018年には61.1%に上昇しています(観光庁「宿泊旅行統計調査」、平成30年・年間値〈速報値〉)。

 

古民家投資では、こうした需要に応えることができます。

 

また、日本の古民家の和風なデザインはとくに訪日外国人の興味を引く可能性が高く、宿泊料ではない部分で、既存の宿泊施設に対しての競争力を期待できます。

 

●所有者の「クオリティオブライフ」を高める

 

今後、シェアリングエコノミー(さまざまな所有物をシェアすること)がさらに広がることを考えると、通常は旅館として利用しながら、ときには別荘として自己利用する形態は、時代の流れにマッチしているといえるでしょう。

 

また、昨今では都会で過ごしながら、郊外に別荘を持つことでクオリティオブライフを高めようという動きも見られます。平日は都会で仕事に打ち込み、週末は田舎で自然を満喫しながらゆっくり暮らすといった生活に、憧れを持つ方も多いでしょう。古民家投資をうまく活用すれば、収益を得ながらそのような理想の生活を手に入れることも可能です。

 

<まとめ>

 

古民家投資はインバウンド需要の高まりに対応できる商品であり、投資商品としての収益性が高いことに加え、税金対策としての活用や、別荘としての自己利用もできるなど、さまざまな魅力があります。現在、何らかの形で投資に取り組もうと考えている方は、古民家投資を選択肢のひとつとして検討してはいかがでしょうか。

 

 

浅見清夏

ハウスバード株式会社 代表取締役

 

鈴木結人

マーケティングチームリーダー

 

竹内康浩

建築デザインチームマネージャー

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ハウスバード株式会社 代表取締役社長

●青山学院大学 卒(在学中、上海・復旦大学に留学)
●アクセンチュア(株)戦略コンサルティング本部勤務
●中国・上海にて、幼児教育事業 レインボーバード幼児教室を起業後、ヤマトキャピタルパートナーズに売却
●政府系VC・産業革新機構にて投資サイドで勤務

著者紹介

ハウスバード株式会社 マーケティングチーム リーダー

早稲田大学卒
ハウスバード株式会社でのインターンシップを経て、新卒第1期生として同社に参画。
近隣住民対応や運営対応を経て、現在マーケティングチームのリーダーに就任。

著者紹介

ハウスバード株式会社 建築デザインチーム マネージャー

日本工業大学建築学科修士号。
株式会社アーキディアックに入社し、公共施設の設計・施工管理に従事。
2017年、ハウスバードへ建築デザインチーム マネージャーとして参画。

著者紹介

連載木造住宅をレトロモダンな「一棟貸切旅館」に…古民家再生投資のノウハウ

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