サンバイオ・ショックは回避できた?マザーズ市場の見極め方と株の売り時

※本記事は、2019年4月1日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

株式投資を長く続けている方は、一度くらいは大きな含み益を経験したことがあると思います。

 

株の上昇に巡り合うときは、とてもエキサイティングな気分になります。気が大きくなって、ついつい高値圏で買い増ししたり、普段の生活もちょっとぜいたくしてしまったり、「含み益」を担保にお金を使ってしまうのです。

 

ところが、そのような生活も長くは続かず、株価急落で目が覚めたときには、逆に「含み損」と共生していかなくてはならない状況に陥るのです。

難しい株の「売り時」

株式取引で一番難しいのは「売り時」です。

 

そもそも、生きる上で「買う」は日常の行為です。好きなものを買ってストレス発散したり、買った物を使ったり、食べたりすることを考えると、ウキウキしますよね。

 

逆に「売る」ことには、あまり慣れていません。品物に思い出を重ねたり、「まだ使える」などと考えて執着し、手放すことを躊躇(ちゅうちょ)することが多いと思います。

 

この「売りたくない」という気持ちが、株式取引においては、取り返しのつかない損失に結びつくことがあります。2019年1月末に起きた「サンバイオショック」は記憶に新しいと思います。

 

図1 サンバイオ(4592)

 

サンバイオは新薬を開発するバイオベンチャー企業で、新薬開発の進捗を期待して株価が急騰していました。

 

ところが、1月29日15時に「新薬開発の臨床試験で主要評価項目を達成できなかった」と発表されてからは、4日連続のストップ安。1月21日の高値から数日で、株価は5分の1以下になってしまったのです。実に5,000億円程度の時価総額が消えてなくなりました。

 

高値で1単元(120万円程度)買った投資家は、数日で100万円近く損失を被り、この銘柄に関わった多くの投資家が市場から退場を余儀なくされてしまったと思われます。サンバイオの株主の誰もが高値で「売っておけば良かった」と考えたと思います。

 

東証マザーズ市場は全体の取引高の6割程度が個人投資家の売買であり、その個人投資家の売買の6割程度が信用取引での売買です(日本取引所グループのウェブサイトより)。

 

そのため、過度に人気が出た銘柄は、信用取引(=借金)で株主の保有資産以上の買いが入るため、下がり始めると返済に追われて、下げ止まらないのです。

 

では、このような悪材料が出た銘柄を保有していた場合、いったい何を目安に「売る」決断をすればいいのでしょうか。

 

その目安の一つが「回転日数」です。

売りの目安:回転日数を調べる

マザーズなどの新興市場は、1日で大きな値幅が取れるボラティリティー(変動幅)のあることは魅力ですが、一方でこのリスクの高い市場に参加してくるトレーダーは限られています(個人投資家が多い)。この限られた中で、パイ(資金)の奪い合いをするため、投資家がひと通り買い終えると下落に転じ、売り終えると上昇に転じるのです。これを計るのが「回転日数」です。回転日数とは、「買い終える日数」と「売り終える日数」のことです。

 

いま一度、具体的にサンバイオのチャートで検証します。

 

図2 サンバイオ日柄

 

サンバイオは11月の急騰後、15日サイクルで回転していました。

 

上昇後、一度底打ちをした後に1回目の高値を付けるまでに15日(①の期間:15日で買い終えた)。高値から下落し始め、調整が完了するまでも15日(②の期間:15日で売り終えた)。そして、ここから1月の大きな上ヒゲ高値まで15日(③の期間)と、15日のサイクルで投資家の資金が回転していたのです。

 

このように、ある銘柄において取引参加者の資金が何日で回転しているのかについて把握することは、極めて重要です。あらかじめ「◯日で1サイクルが終わりだから、〇日までには売る」と決めておくことは株取引において、有効な手段だと考えるからです。

 

個人的な感覚ではありますが、この手法は「高ボラティリティー相場」で使えるはずです。直近ではマザーズ指数で顕著に回転日数が表れていました。このときの動きを解説します。

 

まず、マザーズの指標となるマザーズ指数の特に乱高下している部分を切り抜きます。

 

図3 マザーズ指数

 

切り抜いた図4を解説します。

 

図4 マザーズ日柄

このチャート1つを取ってもさまざまな見方ができますが、上昇時にフォーカスをして解説します。

 

図4を見ると、今回のマザーズの乱高下は、実はきれいなリズムで動いています。

 

①の部分でいえば、上昇前の最安値をスタート地点にすると、13日上昇し、その後数日の調整をはさんで、また13日上昇しています。

 

②の部分では、同様に底打ちから9日上昇した後、調整をはさみ(実はこの調整も9日)、そこからさらに9日上昇しています。

 

③の部分は、昨年末の底値から8日上昇した後、調整し、ほぼ同期間の7日間上昇をしています。

 

市場に資金流入がない限り、一定のリズムで相場は上がったり下がったりして、その中で勝者と敗者が決まることになると言えるのかもしれません。

 

ちなみに、④の部分は1回目の上昇が18日と筆者は考えています。ここから察するに4月4日前後までマザーズ指数は強いかもしれません。

 

いかがでしょうか。

 

回転日数を読んで挑む方法は、比較的分かりやすいはずです。マーケットの情報は、マーケットの動きからよりシンプルな方法で得るべきなのです。

 

 

菅原 良太

株式会社Horizon

 

※本記事は、2019年4月1日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

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