会社員が「マンション経営」を始める前に把握すべき6つのこと

今回は、リノベーション投資に強みをもつ株式会社リズムの山崎博久氏が、不動産投資の専門家の立場から、会社員がマンション経営を行う前に知っておいてほしいことを紹介していきます。※本連載では、資産運用や不動産投資の専門家が、投資初心者に向けて不動産投資の基本を分かりやすく解説しています。

マンション経営において「成功」と「失敗」とは?

本業とは別に副収入を得たいと考える会社員にとって、自分の時間と手間を犠牲にしない「マンション経営」は、リスクが少ないの投資方法として人気が集まっています。一方で、顧客の預金額改ざん問題など不動産業界の相次ぐトラブルに「不動産投資はやっぱり怖い」という印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、起こりうるリスクやその回避策など、会社員がマンション経営を始める前に把握しておいてほしいことを、順を追って紹介していきます。

 

マンション経営の成功と失敗

 

まず大前提として、不動産投資に関して「これが成功」「これが失敗」という決められた定義はないというのが、筆者の見解です。というのは、不動産投資は、行う人の目的やゴール設定によって、まったく異なる性質を持つからです。

 

しかし、万人に当てはまるような、成功・失敗の例をあえて挙げるのであれば、「破産してしまった」ということがあれば「失敗」になるでしょうし、「億万長者になった」のであれば「成功」として誰しもが認めるだろうというように、非常に両極端のことはいえるかもしれません。

 

筆者が主に提案している「東京23区の中古区分マンション投資」は、長期保有をすることでリスクを減らすと共に、金銭的な負担を最小限に抑えながら安定的に収益を得ることに適した運用であるといえます。その観点から「マンション経営」の成功・失敗について考えていきます。

 

(1)マンション経営の成功とは

成功の鍵は何といっても、それぞれの価値観に合わせて「目的をどう設定するか」というところに尽きます。マンション経営を短期ではなく長期で見据えることができている人こそが、「失敗しにくい=成功する人」といっていいでしょう。たとえば、月々の家賃8万円の物件を3戸、ローンを活用して運用を開始された方の場合、毎月8万円×3戸=24万円分の他人資本を「上手に活用できている」という点に置いて、「成功」といえるでしょう。

 

(2)マンション経営の失敗とは

マンション経営において、「儲けてやろう」という意識が強く、短期での売買やキャッシュフローで大きな利益を出すことを前提にする方は、少し注意が必要です。また、充分な知識がないまま「サブリース」「空室保証」などの甘い言葉に惹かれて安易に「安心」を買ってしまうケースや、見た目上は高い利回りで魅力的に見えても、実は空室リスクが高く、結果的にキャッシュフローが悪くなってしまうケースなども、「やらなきゃよかった」と思ってしまう、つまり「失敗」の代表例になるかと思います。

 

マンション経営のリスクとデメリット

 

様々な不動産投資があるなかで、マンション投資が特に優れている点は、時間的にも精神的にも、そして金銭的にも「本業を邪魔しないこと」です。その上で、会社員がマンション経営をするリスクとメリットについて見ていきましょう。

 

(1)リスク

会社員の方がマンション経営を行う際のリスクの大きさは、「物件選び」の段階で決まっているといっても過言ではありません。実際によくある3つの事例でご説明していきたいと思います。

 

①購入時の家賃設定が相場よりも高く、期待していた家賃収入が得られないリスク

どんなに場所がよくても、その周辺の家賃の相場よりも高く家賃が設定されていた場合、初めはよいかもしれませんが、次第に家賃を下げざるを得ない状況になることがあります。これは、建築費や土地代、販管費から価格が決定される、いわゆる「新築プレミアム」としてよく起こる現象ですが、中古を購入される場合でも決して油断してはいけません。

 

不動産会社のなかには、周辺の物件数戸だけを見て、安易に家賃を決定しているところも少なくありません。購入を検討中の物件の家賃が相場と乖離していないかしっかりと見極めるためには、充分な裏付けを持った家賃設定がなされているかどうかを確認することが必要になります。

 

②購入直後に想定外の設備修繕費が発生し、まとまった出費が必要になるリスク

給湯器やエアコン、ビルトインの洗濯機など、定期的にメンテナンス・交換が必要な備え付けの設備についての費用も、必ず想定しておくことが大切です。購入直後に万が一壊れてしまった場合には、修理で済めばまだ負担は少ないですが、交換となると、ある程度まとまった出費が発生することになります。したがって、購入前にしっかりと交換時期や費用なども確認しておくと安心です。

 

③利回りだけで選んでしまって、結果的に時間や金銭的な負担が発生するリスク

一般的に、主要駅から遠い物件や、地方の物件は見た目の利回りがよく見えるものがあります。「収益がいいと思って買ったら、空室がなかなか埋まらない」といった場合、当然その間、家賃収入がありませんし、現地に自ら出向いて状況を確認したり、不動産会社に賃貸付けを頼み込むなど、時間と手間をかけて結局自分が「労働」してしまうことにもなり兼ねません。さらには、空室による不安が精神的な負担となり、本業に影響してしまっては本末転倒です。

 

以上のように、会社員がマンション経営を行うにあたり、気をつけるべきリスクがあることは事実ですが、「物件選び」及び「管理会社選び」をしっかりと行うことで、「リスクは回避できる」ことを覚えておきましょう。

 

(2)メリット

自分の時間とお金を使わずに、他人資本の活用できるということは非常に大きなメリットです。マンション経営は、言葉の通り「経営」なので、不動産が「社員」として働いてくれて「お金を稼ぎ出してくれる」というイメージをしていただければわかりやすいかもしれません。

 

副業禁止だけど、「副収入が欲しい」「老後資金が心配」といった会社員にとって、会社勤めだからこその与信力を生かせるマンション経営は、少ない自己資金でレバレッジを効かせて効率的に、大きな安定資産を手に入れられるという点において、リスク以上に充分なメリットがあります。もちろん、想定されるリスクを事前にしっかりと潰しておくことが最も重要だということは忘れないでください。

社会的信用の高い会社員は融資を受けやすい

マンション経営に向いている人、向いていない人

 

(1)向いている人

前述の通り、マンション経営の最大のポイントは、他人資本でレバレッジを効かせ、いかに長期的運用の恩恵を享受するかということにあります。NISAiDeCo等の積立投資同様、長期間運用することでリスクを減らすことも可能です。

 

また、同じ30年ローンでも、30歳で始めた場合は60歳から、45歳で始めた場合は75歳から、家賃がそのまま不労所得として入ってくる形になります。つまり、早く始めれば始めた分だけ利益を享受できる期間が増え、当然受け取れるトータル利益も大きくなりますので、思い立ったらできるだけ早めに運用を開始するのがおすすめです。

 

レバレッジを効かせたマンション経営に不可欠なローンにおいても、会社員は「会社で働いているからこその信用」を金融機関から獲得できるという強みがあります。特に「安定しているから何となく上場企業に入ってみた」といった方などは、改めて「この会社で頑張ってきてよかった!」と思うかもしれません。

 

(2)向いていない人

「短期的に稼ぎたい」と思っている方や、知識もないままに流されてしまう方、「周りがやっているから」と自身の目的を持たずに始めてしまう方は、リスクの大きい選択をしてしまうケースも多いので、慎重に検討した方がよいでしょう。

 

一方で、心配性過ぎる方や、メリットよりも不安のほうが勝ってしまう方、逆にすべてが納得できないと始められない方などは「あまり向いていない方」といえるのかもしれません。また、もし不動産購入と転職を、同時期に考えられている方がいたら、転職直後だとローン審査で厳しく見られてしまう場合もあるので、タイミングに注意が必要です。

 

とはいえ、融資の交渉をする会社・打診する金融機関によって融資可否・条件等は様々なので、転職や住宅ローンの関係で「自分は融資を受けることが難しいのでは」と思われている方も、一度、信頼のおける不動産投資会社に相談してみてください。

 

マンション経営の実情

 

(1)マンション経営時に必要な自己資金

区分マンション経営を始めるにあたり、購入時に必ず必要となってくるのは、所定の頭金、諸経費、不動産取得税です。また、購入から少し経ってからですが、固定資産税と都市計画税の支払いも毎年発生します。尚、頭金については会社により異なりますが、弊社の場合は業界最安レベルの10万円でスタートして頂くことが可能です。

 

(2)マンション経営の利回りは?

中古区分マンション投資においては、表面利回り5〜6%、実質利回り4%台といったところが平均的な利回りとなり、一棟と比較して利回りが悪いように見えてしまいがちです。

 

しかし、利回りはあくまで「机上の空論」のようなものであり、マンション経営で利益をしっかり確保する上では、パッと見の利回りに惑わされることなく、しっかりと空室なく家賃収入を得られるかといった稼働率や、いかに低い金利で有利に融資を受けられるかといった部分をしっかりと見極める必要があります。

3つの視点で「いい物件」かを見極める

物件選びのポイント

 

では、入居者が住みたい物件とはどのような物件でしょうか。いい物件の見分けする3つのポイントをご紹介します。

 

(1)立地

マンション経営において、物件の立地は命です。場所さえ間違えず、しっかり適切な家賃査定を行っていれば、不安になるような大きなリスクを負うことはありません。逆に、場所選びを失敗してしまうと、家賃をいくら安くしても賃貸が付かず空室が続いてしまう恐れがあります。

 

(2)管理状況

どの会社がどんな風に「お世話」するかで、マンション経営はまったく違ってきます。一般の人にはわからない管理状況などは、信頼できる会社からしっかりと情報をもらうようにしてください。

 

(3)物件の現況

声を大にして伝えたいのは「物件の見た目に騙されるな!」ということです。物件の見極め方はある意味、「結婚相手の見極め方」と同じです。生涯のパートナーを選ぶ際、見た目や年齢に惑わされず、内面のきれいさ、誠実さ、価値観などを確認することが大切なように、物件においても表面がきれいなだけでなく、中身をしっかりと確認することが大切なのです。

 

「物件の中身なんてどうやって確認するの」という疑問を持った方もいるかもしれません。その場合、管理会社にて物件の修繕履歴を確認するようにしましょう。たとえば築古でも、骨組以外をまるごと替えるフルリフォームをしている物件などは、中身として「より安心」といえるでしょう。

 

マンション経営を始めるまでの手順と留意点

 

(1)手順

大まかな流れは次の通りです。

 

STEP1:目標設定

・ライフプランを立てる

・定年後にどのくらい収入が必要かを確認する

・直近で、副収入がどのくらい必要かを考える

 

STEP2:具体的な不動産運用プランを立てる

・目標達成のために、物件を何戸所有するかを決める

・自身の融資可能枠を確認する

・どんな会社で購入するか(金融機関・融資条件含む)

・どんな物件で運用するか(新築・中古・予算など)

 

STEP3:会社・物件を選び契約、融資に向けての手続きを行う

 

STEP4:決済・お引き渡し

 

(2)マンション経営の留意点

会社によって提携している金融機関や融資条件、融資枠が異なるので、会社、融資、物件選びは並行して行う必要があります。さらに、購入前だけでなく、購入後に安心してマンション経営を続けられるように、どこの会社に管理を任せればいいかというところもポイントです。

 

また、年に一度確定申告の際には、所有の不動産に関する情報が必要となります。確定申告に必要な情報をどのように管理・提供してもらえるかも、購入の前に確認いただくことをお勧めします。

 

 まとめ 

今回は、会社員がマンション経営を行うことについて考えてきました。会社員だからこそのメリットもあるので、マンション経営のリスクも把握した上で、自身に合ったマンション経営を検討してみてください。

 

リズム株式会社 アセットコンサルティング事業部長

築古でも収益アップを狙え、リスクの少ないリノベーション投資で定評のある、リズム株式会社で部長を務める資産コンサルタント。

以前は保育士として、児童養護施設で様々な境遇の子供達の親代わりを務めていたという異例の経歴を持つ。両親からの愛情を阻害してしまう原因にもなり得る“金銭的事情”を目の当たりにしてきた経験から、「一人でも多くの方の“お金の悩み”を解消したい」という強い信念で行う心の込もった提案は、お客様からの信頼も厚い。

保有資格:FP技能士2級・住宅ローンアドバイザー・宅地建物取引士・保育士

著者紹介

連載資産運用のプロが伝授!投資初心者のための「不動産投資」基本ルール

本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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