不動産投資業者が語る「悪徳業者に騙されない」ためのポイント

今回は、株式会社リズムのアセットコンサルティング事業部長である山崎博久氏が、世間的に不動産投資が不安に思われる理由と、その不安を払拭し不動産投資で成功するためのポイントを紹介していきます。※本連載では、資産運用や不動産投資の専門家が、投資初心者に向けて不動産投資の基本を分かりやすく解説しています。

なぜ「不動産投資は怖い」と不安に思うのか

不動産投資業界の不祥事の報道を耳にして、

 

●騙されるのが怖い

●失敗するのが怖い

●自分には不動産投資ができるかが不安

 

などと、ネガティブなイメージを持っている方は少なくないでしょう。一方で、多くの「サラリーマン大家さん」が、低リスクでしっかりと安定収入を得ているのも事実です。 つまり、不動産投資は「怖い投資商品」ではなく、どのように投資をするかが肝心なのです

 

そこで今回は、不動産投資のネガティブ要素を紹介しながら一つひとつクリアにし、自信を持って運用を開始するための正しい知識と注意点を伝えしていきます。

 

まず、近年、通信や情報取得手段、AIなどの目覚ましい発展により、消費者はより「賢く」モノを選択できる時代となり、いわゆる「押し売り」のような営業手法は格段に減少しています。 不動産業界においても、昔ながらの「気合いと根性」の営業スタイルよりも、AIを活用した精度の高い情報提供や、最先端のシステムでライフプラン全体のシミュレーションサービスを行うなど、時代に合わせた提案を行うようになっています。

 

(1)しつこく営業する「旧スタイルの不動産屋さん」はまだいる

不動産業者の多くが時代に合わせて変化しているのに対し、「売りたい!売りたい!」という気持ちのみで営業活動を行い、お客様に過剰にプレッシャーを与えるような、時流に逆らった「旧スタイルの不動産屋さん」がいまだ存在することも否定できません。たとえば、「威圧的に売り込んでくる」「断っているのにしつこい」「会社にまで電話してくる」といった、一昔前のやり方が「業界のほんの一部」で根強く残っていることも、少なからず不動産投資のイメージに悪影響を与えていると考えられます。

 

なかには、不動産投資の「長期運用」の特性を悪用し、故意にリスクを伝えず、何年か後に発覚したときには連絡が取れないという、非常に悪質なケースがあることもまれに見られるので注意が必要です。

 

(2)不動産投資における代表的なトラブル

では、具体的にどのようなトラブルがあるのでしょうか。代表的な事例を紹介していきます。

①「買ってみたら話が違った」「嘘をつかれていた」などのトラブル

投資用マンション購入後のトラブルとして、

 

「賃貸がついていると思ったらすぐ退去された」

「曰く付きの事故物件だった」

「本当はより有利な条件で融資を受けられる属性なのに、好条件の金融機関と提携していない業者だったために高金利でローンを組まされた」

 

などといった話を聞くことがあります。入居者の急な転勤で退去が決まったなどのやむを得ない事情は、ある程度致し方ない部分はあります。しかし故意または過失により、正しい情報を得られないまま購入してしまうことがないよう、不動産業者の言葉だけに鵜呑みにせず、自身で情報収集を行ったり、必要に応じて書面で提出してもらうなど、少しでも疑問を感じたら、購入前に必ず確認をするようにしてください

 

②必要経費を加味しないキャッシュフローを提示されていた場合のトラブル

区分マンションの場合は、修繕費などはあらかじめ設定されていますが、一棟の場合は、想定される経費や空室を、自身でキャッシュフローに組み込んで考えておくことが必要になります。しかし、知識が不十分なまま、不動産業者から、机上の書類だけで「儲かりますよ」と強くアピールされて購入してしまうと、思わぬ損失を被ってしまうことがあります

 

特に一棟ものは、都心の好立地で値ごろ感のあるよい物件はなかなか出にくいため、妥協して地方の物件を購入した結果、入居者が半分くらいしかつかず、キャッシュフローがマイナスになってしまった事例を多数聞いています。賃料収入がないためローンの支払いができず、自分の給料から多額の手出しが発生してしまう…これではせっかくの不動産投資が「失敗」に終わってしまいます。

 

また、購入してからしばらくは順調に回っていても、510年経った後に、外装の修繕などで、場合によっては数百万円ものまとまった費用が発生することもあります。いざという時に「聞いてなかった」とならないように、事前にしっかりと経費として準備をしておくようにしてください。なお、区分マンションでも新築の場合は、新築時の修繕費は低くても、数年後に一気に値上がりすることもあるので、将来に発生するであろう経費も事前にシミュレーションをしておくことが大切です。

 

③その他のトラブル

上記の他、下記のようなトラブルも挙げられます。

 

●よい物件だと思って買ったら、周辺の畑がどんどん、値ごろ感のある新しいマンションやアパートに変わり、相対的に所有物件の資産価値が落ちて、入居率も下がってしまった

 

●本来借入れのできない資産状況にも関わらず、金融機関の改ざんによりローンが提案通りに通過。提案通り不動産に投資したが、想定通りに収益が上がらず次第に返済が滞り、自己破産せざるを得なくなってしまった

 

(3)不動産投資業界に関する不祥事について

不動産投資に関わる不祥事のニュースが気になっている方も多いと思いますが、これらは、決して今に始まったことではありません。 真面目にやっている業者が大半ですが、「今、儲けてしまおう」と不正により利益を上げる→金融機関から融資を受けられなくなる→計画倒産→名前を変えてまた会社を起こし不正を行う…このようなことを繰り返し行う業者も、残念ながら存在してきました。

 

これらの業者は、利益優先で顧客とずっと長く付き合おうと思っていないために、ヒドイことができるのでしょう。一方で、不動産投資業界が盛り上がってきているからこそ、業界の不祥事は世間を騒がせているともいえます。「周りがやっているから自分も何となく始めてみた」と、充分な知識のないまま不動産投資に手を出す人たちは、業界が盛り上がると増えていきます。このような人たちを「悪徳業者」は虎視眈々と狙っているのです

 

一部のそのような業者によって、不動産投資のイメージが下がってしまうのはとても不本意なことです。これから不動産投資を検討する方は必ず、表面的な「儲け」だけでなく、本質をしっかりと見極めた上で、物件やお付き合いする会社を選ぶようにしてください

「悪い業者」にひっかからないためには?

では、不動産投資の不安を拭い去り、正しいスタートを切るにはどうしたらよいのでしょう。

 

STEP1 不動産投資をする目的を明確にする

はじめに認識しておきたいのは、不動産投資は物件を「買うこと」が目的ではないということです。そして、自身のライフプラン、人生のために、どのくらいの費用がいつまでに必要かを明確にし、自身が目指すべきゴールや目的を設定するところからスタートしてください

 

目標が定まれば、具体的なプランニングに入りますが、今の生活が立ち行かなくなったら意味がないので、今の自分と将来の理想とのバランスを取りながら、どういうのが理想なのかをしっかり考えていきます。年齢や自己資金の状況、年収、家族構成、趣味などによって、運用の選択肢は本当に様々です。直近で思わぬ事態が起きた時の費用、数年〜十数年後に必要になるであろう費用、老後に必要な費用なども含めて、しっかりとシミュレーションすることが重要になります。

 

STEP2 自分に合った投資商品を選ぶ

資産運用の一つとして不動産投資を選んだ場合には、一棟なのか区分なのか、新築なのか区分なのかなど、自身の目的にあった商品を選んでいきます。前述のような「自分の儲け」重視の業者や営業マンの口車に乗って失敗するのを避けるため、営業マンに「いいですよ」と勧められたときに、ある程度適切に判断できるだけの、最低限の知識は身に付けておくようにしましょう。

 

ただ会社員の場合、多くの方の目的は決して不動産投資の「プロ」になることでも、不動産投資を本業にすることでもないでしょう。「何年もかけて猛勉強をしてから始める」のは、時間を味方につけてレバレッジで利益を得たい不動産投資においては、効率の良いベストな方法とはいえません。

 

STEP3 相性のいいパートナーを見つける

本業が忙しく不動産投資を検討されている方にお勧めしたいのは、「信頼できるパートナー」として、自身に合う会社を見つけ、プロのアドバイスを多くもらうことです。恋人や結婚相手同様、不動産投資においても、パートナーとの「相性」はとても大切です。信頼できる会社や営業との出会いが、その後の運命を大きく左右するといっていいでしょう

 

見極めるポイントは、その会社がどこまでフォローや管理をやってくれるかという部分をチェックすることです。とはいえ、なかなか見えにくいところもあるので、最低限、デメリットやリスクの説明をきちんとしてくれるかどうかを、一つの基準とするのもよいと思います。 不動産投資は、その性質上、必ずしもすぐに結果が出るものではありません。10〜20年経ってようやく、自分の選択が正しかったかがわかってきます。つまり、不動産投資では会社や営業と本当に長いお付き合いになるので、業者選び、パートナー選びが肝になってくるのです。

 

つづいて、「悪い業者」に引っかからずに、不動産投資で成功するために注意すべき5つのポイントを紹介します。

 

(1)キャッシュフローに惑わされない

書類一枚で儲けを説明してくるような、「うまい話」には十分注意してください。パッと見で「よ過ぎる」話は一番危ないので、必要な情報をしっかりと収集し、客観的にジャッジするようにしましょう。

 

(2)業者の「気合いと根性」に巻き込まれない

「安心ですよ」「儲かりますよ」「保証しますよ」「お得ですよ」「安いですよ」「今しかないですよ」などと、明確な根拠なく、よいことしかいわない業者にも注意が必要です。不動産投資は、「気合と根性」だけでは成功しません。勢いだけで決めてしまうことなく、正しい知識を元に、冷静に見極めるようにしてください。

 

(3)物件を見た目だけで選ばない

「見た目が綺麗だから大丈夫」「新築だから大丈夫」と表面的な事実だけで安心せず、修繕費の計画や実績、管理状況など、しっかりと中身も見なければなりません。また、物件選びには「立地」も大切な要素ですので、エリアの特性や周辺環境もきちんとチェックするようにしましょう。

 

(4)客観的データを参考にする

表面的な利回りや単年度のシミュレーションではなく、想定されるリスクを加味した長期のシミュレーションを見ていくことは当然です。さらに、空室率、家賃下落率、資産価値の推移、内装費、設備費、突発的な費用などを、客観的なデータを基に分析することが大切です。

 

(5)長期的に付き合えるパートナーを見つける

お客様との将来を見据えている業者であれば、長期シミュレーションやリスクヘッジ方法を提示してくれたり、少しでも有利な条件の金融機関を提案してくれるはずです。 売って終わりではなく、長期的に付き合って行くという意思があれば、「上手い話しかしない」というのはできません。リスクやデメリットも誠実に説明してくれる会社を選ぶようにしましょう。

事例:不動産投資に成功した5人のオーナー

最後に、弊社で実際に成功したオーナーの5つの事例を紹介します。

 

(1)繰上げ返済で、早期に不労所得が手に入ったS様の事例

S様は所有している物件の家賃からローンの返済にあて、また繰り上げ返済もして行くことで、自己資本+他人資本で35年間ローンを12年間に短縮することができました。 30歳からスタートしたので、42歳で1つ目の物件を完済し、月々10万円の不労所得を得られるようになりました。途中で買い増しして2つ目の物件も購入し、こちらも繰り上げ返済などを活用し、50歳で完済予定です。早期退職、もしくはセミリタイアも視野に入れて、プライベートも充実しています。

 

(2)所有して数年で、価格が上昇。売却益を得られたT様の事例

T様は2012年に物件を購入し、繰上げ返済をせず、節税の恩恵を受けながら6年間所有しました。 2018年に売却をし、購入時よりも価格が400万円ほど高い金額で売却することができました。 その時、残債が200万円くらい減っており、空室もなく、内装・設備費もかからなかったため、結果的に、6年間で600万円の利益を得ることができました。

 

なお、この事例で注意いただきたいのは、このケースは時代の恩恵を受けたものであり、元々転売を目的にしないということです。今の日本の不動産投資は、短期でのキャピタルゲイン、売却益を狙うものではありません。売却益はあくまで結果論であり、基本的には長期間保有を無理なくできる状態を確保することが大切です。

 

(3)相続税対策で不動産投資。相続税を減額できたH様の事例

 

H様は相続税対策として、現金2,330万円でワンルームマンションを購入し、現金で相続するより「242万円」の節税に成功しました。

出典:国税庁「相続税の速算表」
出典:国税庁「相続税の速算表」

 

①現金の場合の相続税

課税評価額2,330万円×15%−50万円≒300

 

②不動産に置き換えた場合の相続税

2,330万円で購入した物件の、土地と建物それぞれの評価額から課税評価額を算出します。 土地の課税評価額約420万円+建物の課税評価額約162万円≒58万円 

 

③ポイント

ここでご注意したいのは、相続税対策のみを第一目的にしてはいけません。不動産の選び方によっては、節税効果以上の損失は簡単に出てしまうので、事前に専門家に相談するなど、しっかりと準備をするようにしてください。

 

(4)団体信用保険で家族に大きな資産を残せたA様の事例

A様は物件をご購入当時、初めは奥様に大反対されましたが説得を重ね、最終的に、奥様と2人のお子様のために3戸を購入しました。融資を活用した場合「団体信用保険」に加入する必要があります。融資の返済期間中にご契約いただいたA様にご不幸がありましたが、団体信用保険でローンの返済がなくなり、家賃収入のみが安定的に入ってくる状態にすることができました。 子供との時間を作れ、進学に関するお金の心配もないことに、奥様は「今となっては、主人が形として残してくれたもの」といって、大変感謝されています。

 

(5)リノベーションで資産価値アップ、金利を下げられたY様の事例

Y様は、予算350万円ほどかけて、物件のフルスケルトンのリノベーションを実施しました。トイレ・風呂・キッチンすべてを新しいものに、床は木材にし、家賃を20%アップして入居者が決まりました。さらに提携の金融機関から低金利で借換えも実現しました。

どの物件もいつかは必ず古くなります。避けられない「老朽化」に向けてどのような対策をするかが重要です。通常は、なるべくお金をかけないで、フローリング調のカーペットフロアやクロスを取り替えるだけで、入居者をつけようとしますが、それだけで家賃が大幅に上がるものではなく、30年なら30年なりの家賃となってしまいます。

 

目に見える表面的なところだけでなく、給水管、配水管といった目に見えない部分での老朽化は進んでいきます。最悪の場合、漏水などで何百万円の賠償金が発生してしまうこともあり得ます。見えないところも含めて一新することで、家賃アップ=資産価値アップが実現する場合があるので、築20年以上の物件を所有されている方はぜひ検討してみてください。 

 

 まとめ 

不動産投資業界において、お客様を不安にさせてしまうようなトラブルが少なからず存在することは、残念ながら事実です。しかしお客様自身が得られる情報は以前より格段に広がっています。また不動産投資で重要なのは「パートナー選び」であり、客観的データ分析による投資効果の高い物件選定など、不安を払拭してくれるノウハウを蓄積している会社を選ぶことが大切です。 不動産投資は、長い付き合いになる「物件」と「会社」を正しく選びさえすれば、身の人生を支える「最良の運用」になり得るものなので、ぜひ一度、「不動産投資は怖い、不安」という先入観を捨て、その本質をしっかりと見極めてください。

 

 

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リズム株式会社 アセットコンサルティング事業部長

築古でも収益アップを狙え、リスクの少ないリノベーション投資で定評のある、リズム株式会社で部長を務める資産コンサルタント。

以前は保育士として、児童養護施設で様々な境遇の子供達の親代わりを務めていたという異例の経歴を持つ。両親からの愛情を阻害してしまう原因にもなり得る“金銭的事情”を目の当たりにしてきた経験から、「一人でも多くの方の“お金の悩み”を解消したい」という強い信念で行う心の込もった提案は、お客様からの信頼も厚い。

保有資格:FP技能士2級・住宅ローンアドバイザー・宅地建物取引士・保育士

著者紹介

連載資産運用のプロが伝授!投資初心者のための「不動産投資」基本ルール

本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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