文字や言葉を「瞬間」かつ「無意識」にイメージに変換
◆右脳のイメージ記憶を活用した記憶力の向上法とは
人間が覚えやすいのは、テキスト(文章)とイメージ(画像)のどちらかご存知でしょうか。
正解はイメージ記憶です。文章の情報よりはるかに、大量に覚えることができます。イメージと文章の「情報量の違い」を理解するために、例えば今、あなたがいる部屋を文章で説明することを考えてみて下さい。
「ドアの色は何色で、材質はこうで、家具はこんな形をしていて・・・」といくら書いても、その部屋の写真一枚のほうが、正確に理解してもらえますよね。覚えるときも、イメージを活用した方が、何倍も楽に覚えることができます。
これには、右脳の力が関係しています。左脳の何倍もの情報処理能力を持つ右脳。その右脳が得意とするのが、イメージ記憶なのです。ただ残念なことに、日本人の多くが、文章型の記憶を使っています。その分、右脳を使ったイメージ型の記憶には慣れていないのです。
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実は、世の中の「記憶力に自信のある人」は、文字や言葉を「瞬間」かつ「無意識」にイメージに変換して理解しています。そして逆に、文章を書いたり人に説明をするときは、頭に浮かんだイメージを、これまた「瞬間」かつ「無意識」に文字に変換して、脳から出力しています。
この光景を、記憶に自信のない人間が見ると、「やっぱり頭のいい人は、ドンドン頭の中に文字が吸収されているんだな」と誤解してしまいます。そして、記憶するために、文字をたくさん書いたりして、更に記憶することを難しくしています。
人間が外部から受ける情報は、まず右脳に入ります。右脳は、別名「イメージ脳」といわれ、聴いたり見たりした情報などを、イメージを含めて、丸ごと受け取ることになります。そして、左脳の仕事は、この情報やイメージを整理、整頓するため、さまざまなラベルをつけて、脳の引き出しにしまっておくことになります。
つまり、右脳が受けたイメージや情報を、左脳が論理化して脳におさめておくということです。この右脳と左脳との協力によって、頭の中に外部からの情報が蓄積されていくことになり、これが「覚える」ということになるのです。
左脳の力のみに頼るのは、単なる「暗記」となり、「思い出す」ことは困難になります。情報をイメージ抜きで覚えるということは、言葉や数字を単なる記号として、脳にしまいこむことを意味しています。つまり「思い出す」ことが大変難しい作業となるのです。
一方、右脳のイメージ力と左脳の言語、論理作業力をバランスよく働かせるのが「記憶」であり、これにより、人間の脳は「覚える」ことと「思い出す」の2つを完璧にできるようになります。
ぜひ、お子さんにもイメージ記憶の活用をしてもらいたいですね。
「子どもの心を育てる」ことを意識した教育を
◆瀬戸内寂聴さんに学ぶ「幼児教育と生きる意味」
瀬戸内寂聴さんは、お子さんに「何のために生きるの?」と聞かれたら、「誰かを幸せにするために生きるのよ」と答えてあげて下さい、と言っています。
そのような、全体の幸福に役立つような生き方は、素晴らしいですね。本項では、幼児教育のそもそもの意味合いについて、考えてみたいと思います。
幼児教育を「小さな幼児の頃から何かを教え込むこと」と考えてはいけません。幼児教育とは、子どもの心を育てることなのです。子どもの心を見ることができずに、ただ子どもを賢く育てたいと思うあまり、いろいろ習わせることばかり考えてしまうと、子どもの心が見えず、自立心を失わせてしまうという落とし穴に、はまり込むことになります。
困ったことは、そのような場合でも、親は間違いに気づかずに、子どもに愛情を持っていると信じ、愛情があるからこそ、幼児教育をしているのだと思っていることです。子どもがお母さんのすることにのってこないのに、無理やりさせていませんか。
もし、子どもが喜ばないのに、無理に何かをしているとしたら、子どもは笑顔を失っています。お母さんも笑顔を失っています。これは、良くない幼児教育になっていることに気づかなくてはいけません。
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幼児教育は、心を育てることが大切なのです。心を育てると、子どもはお母さんと心が通い、お母さんのすることをとても喜び、お母さんと学ぶことが大好きになります。こうなると、お母さんはニコニコ、子どもはのびのび育ちます。この前提を忘れてはいけません。
子育てをするお母さんは、たいてい子どもが何かができる・できないという基準で子どもを見ます。そして、これが子育てのガンであることに気づいていません。目の前の何かができる、できないということよりも、子ども一人一人の個性に気づいてほしいのです。
一人一人が違う使命や才能を持っていて、得意な分野を活かしていけば、どの子もその分野で一流になれるものを秘めているのです。目の前のことで、子どもを決めてしまわないようにしたいですね。
大坪 信之
株式会社コペル 代表取締役