白内障の症状・検査法・手術の手順…「片目」でも放置は禁物

今回は、白内障の症状をはじめ、検査法、手術法について見ていきます。※いくら見た目年齢を若く保っても、「目の老化」は避けて通ることができません。50歳を過ぎれば、白内障や緑内障、加齢黄斑変性、眼瞼下垂など、加齢による目の疾患のリスクが上昇します。加齢による目の疾患は、症状が少しずつ進行するものも多く、気づいたときには取り返しがつかなくなるケースも少なくありません。本連載では、加齢によって生じる目の疾患について、医師がやさしく解説します。

白内障は、水晶体の濁る部分によって症状の出方が違う

白内障の症状は、その人その人で個人差が大きく、また、濁りが生じた場所によっても見え方に違いがあります(図表)。

 

[図表]水晶体の濁る部分によって、症状の出方が違う

出典:杉田美由紀監修(主婦の友社)『目の病気の最新治療』をもとに作成
出典:杉田美由紀監修(主婦の友社)『目の病気の最新治療』をもとに作成

 

①皮質白内障


水晶体の周辺部にあたる「皮質」から濁りが生じるタイプのもので、加齢性白内障ではこのタイプが最も多く見られます。病気の初期の段階では、水晶体の中心部にある「核」には白濁が生じていないため、視力低下が生じにくい傾向があります。しかし、病気が進行するにつれて、目がかすむのを感じるようになっていきます。そして、白濁が中心部に近づいていくと、光を非常にまぶしく感じたり、メガネをかけても細かい字が読みづらかったりといった現象が出てくるようになります。


②核白内障


核白内障は、水晶体の中心部にある「核」の部分に濁りが生じるタイプの白内障です。この病気にかかると、水晶体の真ん中が厚くなって屈折力が増して、一時的に近くが見やすくなるため、老眼の人は「老眼が治って、目がよくなった」と感じることがあります。
また近視の人は、「一段と近視が進んだ」と感じます。これまで使っていたメガネやコンタクトレンズの度が合わなくなったら、「もしかしたら白内障?」と疑ってみてください。放置すると、次第に目がかすむようになり、片目でものを見たときに二重三重に見えるなど、乱視のような症状が表れてきます。


③後嚢下白内障


水晶体の後嚢から濁ってくるタイプの白内障です。目がかすんだり、まぶしさを強く感じる症状が早くから出てきたりする特徴があります。明るいところよりも、むしろ暗いところのほうがものを見やすく感じたら、この病気にかかっている可能性があります。


健康診断の際に白内障が見つかり、「要検査」を指摘されたにもかかわらず、「まだ見えているから大丈夫」と放置する人が少なくありません。片目だけ白内障を発症しており、もう一方の目には症状が出ていないという場合、特に危機感が薄れる傾向があるようです。しかし、片方がすでに発症しているということは、もう一方が発症するのも時間の問題です。早めの受診を心がけるようにしましょう。

白内障の検査方法

眼科では、最初に問診を行い、白内障が疑われたら検査をします。


●屈折検査・視力検査


近視・遠視・乱視などの検査や、裸眼とメガネ等で矯正したときの視力検査をします。矯正視力の結果がよくない場合には、白内障を発症している可能性があります。


●細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査


顕微鏡で拡大した目に、細い光を当てて、角膜や水晶体の状態や、どこに濁りがあるかを見ていきます。


●眼底検査


白内障以外の病気がないかどうか確認するため、網膜や黄斑部、血管、視神経などが存在する眼底の状態を見ます。ほかの病気がある場合、まずそれを優先的に治療してから白内障を治していきます。

白内障の手術手順

加齢性の白内障は進行が遅いので、よほど進行した状態でない限り、ただちに手術が必要になることはありません。当面は点眼薬や漢方薬などで、進行を遅らせる治療を行います。


とはいえ、濁った水晶体を元の透明な状態に戻すことはできません。白内障の根治的な治療法は、現段階においては手術だけです。手術は以下の手順で行われます。


①点眼麻酔を行う

 

②角膜のふちを2.4ミリ程度切開する

 

③②で切開したところから、水晶体の前嚢に丸く穴を開け、超音波の機械を挿入し、内部にある核と皮質を砕く

 

④砕いた③を吸引、除去する

 

⑤人工の眼内レンズを入れて固定する


これでおしまいです。


切開創がとても小さいので、縫う必要はありません。1カ月くらいで完全にふさがります。

 

 

佐藤 香

アイケアクリニック院長

医療法人トータルアイケア理事

アイケアクリニック銀座院副院長 医師

 

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アイケアクリニック院長
医療法人トータルアイケア理事
アイケアクリニック銀座院副院長 医師

獨協医大越谷病院・眼科専門外来として、黄斑外来・緑内障外来・糖尿病レーザー外来・PDT外来・硝子体内注射外来等を担当しながら、栗原眼科にも勤務。
白内障や眼瞼、結膜疾患の手術を中心に担当。その後、八潮中央総合病院眼科医長として、白内障、眼瞼、結膜疾患だけでなく緑内障手術、網膜硝子体手術、硝子体内注射など幅広く手術も行いながら、外来診療では地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載「目の疾患」の基礎知識…加齢がリスクになる白内障・緑内障・加齢黄斑変性とは?

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