80歳のほぼ100%が白内障!? 加齢と発症率の深い関係

今回は、白内障のメカニズムについて解説します。※いくら見た目年齢を若く保っても、「目の老化」は避けて通ることができません。50歳を過ぎれば、白内障や緑内障、加齢黄斑変性、眼瞼下垂など、加齢による目の疾患のリスクが上昇します。加齢による目の疾患は、症状が少しずつ進行するものも多く、気づいたときには取り返しがつかなくなるケースも少なくありません。本連載では、加齢によって生じる目の疾患について、医師がやさしく解説します。

眼球内のパーツは「見え方」にどのように関係するか

眼球内のそれぞれのパーツが、「目の見え方」にどう関わり、どうすれば目が見えるのか、そのプロセスを簡単にご説明しましょう。

 

私たちが「ものを見る」とき、それらの「もの」はすべて光として目に入ってきます。

 

まず、虹彩の中心部分にある「瞳孔」が光の量を調節してとらえます。先ほどもお話ししたように、暗いところでは大きくなってより多くの光を取り込み、明るいところでは小さくなって光の量を加減して見やすくします。

 

瞳孔から入った光は、角膜と水晶体という2枚のレンズを通して屈折し、目の奥にある「フィルム」としての役割を果たす網膜に、像を結ぶ役割をします。つまり、

 

①角膜

 ↓

②水晶体

 ↓

③網膜

 

と光が視覚情報として伝えられるため、すべてが正しく機能していて初めて、「ものがよく見える」状態になるのです。

 

そもそも角膜がなければ、光を取り入れることができません。水晶体が正しく働かないと、レンズを厚くしたり薄くしたりして、網膜にピントの合った像を結ぶことができません。網膜がはがれたり傷ついたりしていたら、カメラのフィルムそのものに傷みがあるということですから、像として映し出すことはできません。また、網膜には視神経という、脳に視覚情報を伝える大切な働きがあるので、ここが損なわれると、脳に情報を伝えることができなくなってしまいます。

 

加齢による目の疾患では、これらの部位に何らかの原因により障害が起こってきます。

 

なお、眼球以外の部位においても、筋力低下に伴い、まぶたが垂れ下がって視野が狭くなる「眼瞼下垂」などの病気もあります。

 

では順次、加齢によって起こりやすい目の病気について、ご説明していきましょう。

加齢が原因となる病気で、最も発症率が高いのが白内障

数ある目の病気の中でも、加齢によるもので最も発症率の高い病気が白内障です。白内障はよくある病気ではありますが、自分ではなかなか気づきにくい病気でもあります。

 

なぜかというと、非常にゆっくり進行するために、単なるかすみ目と混同することもあれば、「老眼がひどくなった」とか、「歳を取って目が疲れやすくなった」などと考えて放置してしまいやすい傾向があるためです。

 

そのため、気がついたときにはかなり進行していて、即刻手術が必要になるということも少なくありません。

 

みなさんの周りにも一人か二人は、「白内障と診断された」とか「白内障が悪化して手術をした」という人がいるのではないでしょうか。

 

実は白内障は、おそらくみなさんが考えているよりも早い時期から発症し、なおかつ発症率が非常に高い病気なのです。

 

白内障の発症率は、40代で40%、50代で60%といわれています。

 

「えっ? そんなに高いの!?」と驚かれたことでしょう。

 

今、この本を手に取られているあなたが50代の初めごろの年齢だとしたら、同級生の半数くらいが白内障を発症しているということです。

 

とはいえ、50代で「私、白内障なの」という人はそれほど多くはないのではないでしょうか。本人に自覚がなく、放置されている証しといえます。

 

もちろんその中に、あなた自身が含まれている可能性は十分にあります。

 

白内障の発症率は、60代で80%、70代で90%と年齢とともに上がっていき、80代ではほぼ100%に達するといわれています。

「目のかすみ」を感じたら、まず検査を

白内障は眼球の中の「水晶体」という部分に濁りが生じて、かすみ目や視力低下を起こす病気です。

 

水晶体は見たいものに焦点を合わせるために、厚みを調節し、外から入ってくる光を屈折させる働きを持っています。大きさは直径9ミリ、厚さ4ミリほどで、「嚢」と呼ばれる膜に包まれています。嚢の前面は前嚢、後ろ側は後嚢といいます。

 

水晶体の中身は、タンパク質と水で構成される透明な組織で、真ん中にある「核」と、その周囲の「皮質」に分かれます。

 

水晶体が無色透明であれば、外界から入ってくる光をよく通すため、レンズとしての役割をきちんと果たすことができますが、濁りが生じると光をうまく通すことができなかったり、光が乱反射するようになったりして、網膜に鮮明な像を結ぶことができなくなります。

 

そして目のかすみを感じるようになったり、まぶしさを強く感じるようになったりして、視力低下を招きます。

 

加齢性の白内障は、加齢によってタンパク質が変性することのほか、紫外線による目のダメージなどの影響で起こるものと考えられています。

 

白内障は眼球の中の水晶体が白濁する病気のため、最初の症状は「かすみ目」として表れることが多くあります。「老眼が強くなってきた」と思い込んで、眼科の受診が遅れることがしばしばあります。

 

かすみ目は白内障以外にも、緑内障や加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症などでもよく表れる症状です。

 

白内障以上にたいへんな事態を引き起こす病気にかかっている可能性もありますので、目が疲れやすくて、かすんで見えることがある場合には、早めに眼科を受診するようにしましょう。

 

 

佐藤 香

アイケアクリニック院長

医療法人トータルアイケア理事

アイケアクリニック銀座院副院長 医師

 

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アイケアクリニック院長
医療法人トータルアイケア理事
アイケアクリニック銀座院副院長 医師

獨協医大越谷病院・眼科専門外来として、黄斑外来・緑内障外来・糖尿病レーザー外来・PDT外来・硝子体内注射外来等を担当しながら、栗原眼科にも勤務。
白内障や眼瞼、結膜疾患の手術を中心に担当。その後、八潮中央総合病院眼科医長として、白内障、眼瞼、結膜疾患だけでなく緑内障手術、網膜硝子体手術、硝子体内注射など幅広く手術も行いながら、外来診療では地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載「目の疾患」の基礎知識…加齢がリスクになる白内障・緑内障・加齢黄斑変性とは?

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