「女性の保険加入」にまつわる大きな誤解とは?

本記事では「女性の保険加入」にまつわる大きな誤解について見ていきます。

大黒柱である「男性の保険加入」に意識が行きがちだが…

女性の場合、特に既婚の女性は、ご主人が家計を支えている家庭が多いためか、女性の保険に対する意識が低くなりがちです。まったく保険に加入していない、もしくは加入していても医療保険だけといったパターンが少なくありません。

 

確かに、多くの場合、収入の大黒柱であるご主人が亡くなった場合、一家の収入はそこで閉ざされてしまいますから、男性の死亡保険が重視されるのは当然でしょう。

子どものいる家庭では、思った以上に大きい女性の影響

では、本当に奥様が亡くなったところで家計に影響はないと断言できるでしょうか。私はそうは思いません。

 

最近は育児や家事を夫婦で平等に負担する家庭も増えてきています。しかし、小さな子どもがいる家庭では、どうしても母親である女性の役割が大きくなります。そんな時期に奥様が亡くなったら、ご主人はどうすればよいのでしょうか。

 

女性の皆さんは、自分のご主人がまだ手のかかる子どもを抱え、仕事もこなさなければならないシングルファーザーになったときのことを想像してみてください。

 

子どもの面倒を見てくれる人、例えば両親などが近くに住んでいれば多少は楽になるかもしれませんが、それでも体力的、精神的、そして時間的な余裕はなくなります。それに仕事を続けるためにベビーシッターやお手伝いの人を雇うにはお金がかかりますから、これまで通りの収入では家計のやりくりが大変になります。

 

それだけではありません。家事を負担していた女性がいなくなると、外食が増えたり、家で洗っていた洗濯物をクリーニングに出したりといったように家事をアウトソーシングする割合が増加します。そしてその分の支出が増え、余計に家計を圧迫します。

 

それに残業も思うようにできなくなりますし、休日出勤時はどうするのか、転勤になったらどうするのかなど、今までの働き方を全面的に見直さなければならなくなるかもしれません。

 

職場に理解があればよいですが、場合によっては退職しなければならなくなることもあるでしょうし、そうなると当然収入は途絶えてしまいます。

家族の将来にとって重要な役割を果たしている女性

仮に、奥様が「役に立つ保険」に加入していたとしましょう。その保険金で、ベビーシッターを雇ったり、家事をアウトソーシングしたりといった負担増に備えることができます。

 

たとえ両親など親族に頼ることができたとしても、保険金という金銭的なバックアップがあることは決して無駄ではありません。親世代はいつまでも元気なわけではなく、孫の面倒を見るのが体力的に辛くなるときも必ずありますから、そのような場合も保険金を活用すればアウトソーシング等の外部の力を借りることが可能になるでしょう。

 

女性の場合、「家計を支えるわけではないから死亡保険は葬式代が出ればいい」程度に考えている人がたくさんいます。しかし、決してそうではないことがわかってもらえたでしょうか。女性だからこそ、家族の将来にとってとても重要な役割を果たしているのです。その不在を補うのは、並大抵のことではありません。

 

決して葬式代レベルで保険を考えることなく、ご主人と同様に家族を支える存在であることを念頭に置いて保険加入を検討してください。

安心して妊娠・出産をするためには・・・

そしてもう一つ、女性にとって保険加入を早期に検討してほしい理由があります。それは女性ならではの理由によって、保険に加入できなくなってしまう可能性があるからです。

 

女性が妊娠した場合、基本的に保険には加入できなくなります。妊娠は病気ではありませんが、出産はどうしても生命に関するリスクが高くなります。したがって、ほとんどの保険が妊婦の加入を認めていません。

 

もちろん、数ある保険の中には妊婦の加入を認めているものもありますし、出産が終わればその後は通常の人と同様に加入条件さえ満たせば加入可能な保険もあります。

 

ところが、妊娠する前に保険に加入さえしていれば、出産時に何かあったときにも保障の対象となります。医学は進歩しましたが、出産時における生命のリスクは依然として存在します。ましてや晩婚化によって出産年齢が高くなっているため、母体にかかる負担も大きく、出産時のトラブルも考えられます。

 

また、現在5人に1人が帝王切開での出産と言われており、その数は年々増加しています(厚生労働省「平成22年度我が国の保健統計」医療機関における分娩件数と帝王切開娩出術割合の年次推移)。

 

帝王切開による出産は自然分娩より入院日数が増えます。自然分娩の場合、出産後4、5日で退院できますが、帝王切開の場合は1週間から2週間ほどの入院が必要になり、その分入院費がかさみます。

 

もちろん帝王切開による出産も自然分娩と同様に健康保険が適用されますが、妊娠前に医療保険に加入しておけば帝王切開の手術や入院については医療保険が給付され、その分で出産費用の自己負担分をカバーすることもできます。

 

したがって、将来妊娠・出産の予定がある女性は、妊娠する前に保険に加入しておいたほうが、安心して出産に備えることができるでしょう。

 

また、健康診断で女性特有の病気、特に乳がんや子宮系の指摘が入ってから、保険加入の相談にいらっしゃる女性もいますが、このケースも先に説明した通り、健康診断で指摘された段階ですでに加入できる保険の選択肢は狭まってしまい、限られた保険からしか選べなくなります。

 

それに、最近は年齢差があるカップルの結婚も珍しくはありません。特に男性が女性よりも大幅に年齢が高い場合、日本の男女の平均寿命を考えると、ご主人が亡くなった後の奥様のその後の人生の長さを考慮して保険に加入する必要もあるでしょう。

 

老若男女、既婚・未婚を問わず、誰もが保険に加入して将来に備えてほしい、私がそう考える理由がわかっていただけたでしょうか。

誰しもまた、いつ家族を残して死ぬか分からない・・・

人間、死なない人はいません。このようなことを断言するのもどうかと思いますが、私も、皆さんも、生まれたからには必ず死ぬ日がやってきます。

 

「自分はまだ若いから大丈夫。死ぬなんて考えられない」と思うかもしれませんが、皆さんと同い年や年下の人が、今日も世界のどこかで、日本のどこかで命を落としています。死なない人はいません。そしていつ死ぬかは誰にもわかりません。それは誰にとっても平等に言えることです。

 

もしかしたら今日かもしれないし、明日かもしれません。1年後か、10年後か、それだけは誰にもわからないのです。だとしたら、一刻でも早く保険に加入するべきです。皆さんとご家族の将来を守ることにつながるのですから、後回しにしていいはずがありません。

 

若くて健康なうちなら、多くの選択肢の中から選ぶことができます。その反対に、歳をとればとるほど、保険加入のハードルは高くなり、選択肢も狭まっていきます。少しでも条件が良いうちに、皆さんとご家族の将来を守る保険に加入されることをすすめます。

 

1970年生まれ。東京都港区在住。20代は建築設計、30代半ばまでは住宅セールスと住宅業界に身を置き、35歳より保険業界へ。外資系生保にて新人賞、TOPアドバイザー等多数のコンテストに入賞。

著者紹介

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本記事は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

死亡保険金は「命の値段」

死亡保険金は「命の値段」

杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。 加入者は要望に合わせて自由に保険を選べるようになったものの、その選び方…

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