「Society 5.0」時代を実現させる「サイバーセキュリティ」

近年、世界中のあらゆる企業や政府機関はその規模に関わらず、常にサイバーアタックの脅威にさらされている。また、攻撃側は日々巧妙化、複雑化を続けており、画一的な対策では防御しきれなくなってきていることから、多角的、かつ包括的なセキュリティソリューションの提供が急務であるといえるだろう。そのような状況の中、新しいサイバーセキュリティの考え方を提唱し、AIの活用を柱としたセキュリティの確立を目指すのがジュピタープロジェクト株式会社だ。代表取締役CEOの石塚宏一氏に、詳しくお話を伺った。今回のテーマは「Society 5.0時代を実現させるサイバーセキュリティ」である。

すべてがつながる「Society 5.0」で実現する社会

今後加速する高度情報化社会のなかで、サイバーセキュリティの重要性はさらに増していく。では今よりもサイバーセキュリティが重要になる社会とは、どのようなものなのか、考えてみよう。

 

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内閣府が進める取り組みに「Society 5.0」がある。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国がめざすべき未来社会の姿として初めて提唱されたものだ。

 

Society 5.0で実現する社会では、IoT(Internet of Things)ですべての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服するという。また人工知能(AI)により、必要な情報が必要なときに提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服される。もう少し具体的にいえば、ドローンによる宅配やAI家電、遠隔診療や介護ロボット、無人トラクター、自動走行バスなどが実現することで、新しい価値やサービスが次々と創出され、人々に豊かさをもたらすとされているのだ。

 

株式会社ジュピタープロジェクト 代表取締役CEO 石塚宏一氏
ジュピタープロジェクト株式会社
代表取締役CEO 石塚宏一氏

「Society 5.0はいろいろな解釈ができますが、私は技術基盤として、圧倒的な情報量のやりとり、とイメージしています」

 

これまでならば、携帯電話やパソコン、ダブレット端末ぐらいだったインターネット端末だが、IoTと称してさまざまな種類のデバイスが、ものすごい数でインターネットとつながるからだ。

 

「私はそれをIOeT (Internet of Every Thing)と呼んでいます」

 

いずれはあらゆるモノが、もしかしたら人間までもがつながっていくことになり、逆にいえばつながらないものはなくなると石塚氏。それには、5Gも一翼を担うことになる。

IoT社会の推進によって大きく変わる「働き方」

Society 5.0で実現する社会において重要になるのが、収集したデータの取り扱いだ。集積されたデータはクラウド上などに保存され、ディープラーニングされる。それによってAIは、さらにいろいろなことができるようになり、IoTも広がっていくのだ。

 

「しかし、AIが出てきたからといって、一部で話題になるように、人々の仕事がなくなるかといえば、私の予想では、なくなりません。しかしながら、AIがさらに進化をしていくなかで、たとえば弁護士や医療の仕事には、変化が出てくるのではないでしょうか。医師の場合は確かにAIによって正確性や信頼性が増すということはあるかもしれませんが、医師の究極の目標は予防医学であり、病気にならず生涯現役をまっとうできる社会づくりに貢献できるはずです。弁護士なら、犯罪や紛争が起こったあとの処理が現在の主な仕事ですが、彼らの知見を使って、犯罪や紛争に巻き込まれないようにするコンサルティングのような業務にも貢献できるはずなのです。つまり、人にしかできない仕事というのが必ずあり、私の拡大解釈でいうと、これが働き方改革であり生涯現役につながる道なのです。国の仕組みがこれから変わっていくなかで、たとえば60歳での定年は、なくなっていくでしょう」

 

生涯現役でいるためには、健康でなければいけない。その上で、すべては自身の実力とやる気、知識と経験が重要になるという。

 

「知識は経験と相関関係があります。そして、一般的に歳を重ねることにより、知識や経験が豊かになり、それが圧倒的な宝となっていきます。しかし新しい知識、たとえばITやそれを拡張した上でのIoTに対するマネジメント、AI、サイバーセキュリティに関する最先端の知識は、若い人のほうが持っているかもしれません。一方で知識を事業化し、すでに社会にあるインフラにどうインテグレートするか、どうマネタイズするかというのは、やはり経験的なセンスがないとできないのです。加えるならば、半径100メートル、1キロ、10キロ、100キロの世界でしか物事を見られないとガラパゴス化します。つまり、いろいろな年代のいろいろな人の叡智を集めて、それを企業価値創造に持っていかないといけない。それが私からいわせると、働き方改革なのです」

 

また、障害などで体が不自由な人、たとえば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)で眼球運動しかできないような人でも、アイトラッカー(目の動きを検知する装置)を使えば、意思がある限りなんでもできるようになるという。

 

「セキュリティのシステム構築をさらに推進していくには、それをやってくれるシステムエンジニアもたくさん必要になってきます。そういうときに、障害者をはじめとして、さまざまな人の取り組みも充実させていくことが、働き方改革の一部として重要になってくるのではないでしょうか」

 

すべてのモノがつながることで、ライフスタイルが変わり、働き方も変わる。私たちのあらゆる価値観が大きく変化する――そのような時代を実現させるには、すべてのモノをつなげるサイバー空間が安全な状態でなければならず、さらにその状態が継続していかなければならない。サイバーセキュリティが果たす役割と期待は、あまりに大きいのだ。

 

 

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ジュピタープロジェクト株式会社 代表取締役CEO

ソニーモバイル コーポレートバイスプレジデント、
ソニ―エリクソン 常務取締役、
ソニーディスプレイ事業部長、FTV事業部長など、
ソニーグループの要職を歴任。
米国、英国、ドイツ、ベルギー、シンガポール、ドバイなど、豊富な海外経験を持つ。

著者紹介

連載投資対象としても有望分野!?「サイバーセキュリティ業界」の可能性

取材・文/関根昭彦 撮影/杉能信介(人物)
※本インタビューは、2019年1月10日に収録したものです。