東京五輪に向けて高まる「サイバーセキュリティ」の重要性

近年、世界中のあらゆる企業や政府機関はその規模に関わらず、常にサイバーアタックの脅威にさらされている。また、攻撃側は日々巧妙化、複雑化を続けており、画一的な対策では防御しきれなくなってきていることから、多角的、かつ包括的なセキュリティソリューションの提供が急務であるといえるだろう。そのような状況の中、新しいサイバーセキュリティの考え方を提唱し、AIの活用を柱としたセキュリティの確立を目指すのがジュピタープロジェクト株式会社だ。代表取締役CEOの石塚宏一氏に、詳しくお話を伺った。今回のテーマは「サイバーセキュリティの重要性」である。

なぜ今、サイバーセキュリティが重要なのか?

株式会社ジュピタープロジェクト 代表取締役CEO 石塚宏一氏
ジュピタープロジェクト株式会社
代表取締役CEO 石塚宏一氏

世界のIT業界において、日本が存在感を発揮できないのはなぜなのか。石塚氏は、その理由の一つに、「ガラパゴス化」があるという。

 

「日本には独自の素晴らしいケータイが多くありましたが、結果的にはAndroidスマートフォンとiPhoneに集約されてしまいました。つまり、日本でどんなによいものを作っても、それが日本のなかだけのものであったらグローバルスタンダードにはならない。それでは最終的にグローバルの大きな波が来たときに、すべて置き換わってしまうのです」

 

これまでの日本には、ものすごい技術や知識、叡智があるにも関わらず、グローバルスタンダードを生み出せていないと指摘する。

 

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「私がサイバーセキュリティに取り組むのは、第一義的には東京オリンピックに向けて日本を守る、防衛するためですが、それができたなら、次は普遍的に続けていかないといけない。そうしないと、仮に我々の作ったものより劣るものであったとしても、規模の経済で決まってしまう。日本発のグローバルスタンダードを生み出すためにも、サイバーセキュリティに取り組むことに意味があるのです」

 

日本の叡智を結集し、グローバルスタンダードになり得る新しいサイバーセキュリティシステムを構築することは、日本を守るだけでなく、世界をサイバー攻撃の脅威から守ることになり、全世界への貢献にもなる。

 

さらに2019年、日本ではさまざまなことが起こる。政治でいえば、ロシアとの平和条約交渉があり、皇位継承があるなど、まったく新しい時代にシフトしようとしている。そして、そのあとすぐにG20サミットが大阪で開催され、世界中のリーダーが日本に集まってくる。

 

「そこへ向けて、新しい日本を発信しなくてはいけないという思いが、私にはあります。そして、サイバーセキュリティ系の技術が、その一つになるのではないかと考えています」

 

さらに今年は消費増税が予定されているが、この機会にキャッシュレス決済拡大を目指す施策も検討されており、経済はこれまでとは明らかに違う方向に進むだろう。加えて国内で5G(第5世代移動通信システム)のプレサービスが始まり、来年からはアメリカ、中国、韓国、ヨーロッパの一部でも始まる予定だ。これらは、今後ますますネットワークが増強され、それだけ多くの情報がやりとりされるということを意味する。つまりサイバーセキュリティは、これまで以上に重要になるのだ。

 

「いろいろなセキュリティ技術が世界中にあるなかで、利用できるものはどんどん利用していくと同時に、日本として独自のものもこれから用意していかなければなりません」

 

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国策としての「サイバーセキュリティ」

では政府は、サイバーセキュリティに関して、どのような取り組みを行っているのだろうか。2017年11月に経済産業省/独立行政法人情報処理推進機構より発表された「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer 2.0」では、サイバーセキュリティは経営問題であるとされ、大企業及び、中小企業の経営者を対象として、「経営者が認識すべき3原則」及び、「サイバーセキュリティ経営の重要10項目」が定められた。

 

「データが盗まれる、改ざんされる、破壊される、成りすましをされる――これらは企業活動に甚大なダメージを与えることになります。企業活動を担保していくためにも、政府が動いて、サイバーセキュリティを経営の枠組みに入れていくのは、当然のことといえるでしょう」

 

さらに政府は、サイバーアタックに対して日米安全保障条約の第五条の対象に入れるための協議を始めた。また電力や水道、鉄道、金融などの重要インフラ14分野の関連企業が持つ主要な電子データについて、国内のサーバーでの保管を要請する方針が伝えられている。これらの分野では、物理的にも日本国内にサーバーを保管しなければならなくなるなど、サイバーセキュリティに対する取り組みは、着実に進んでいる。

 

ワールドカップやオリンピックなどのイベントがあると、世界中のハッカーから標的にされ、さらに昨今報道されている産業スパイや、明らかに国を対象とする攻撃まで、さまざまなリスクが高まります。そのような危機的状況からサイバーセキュリティが重要だというトレンドになり、認知度や必然性はさらに上がっていくと考えられます」

 

一方で国連では、2015年6月のサミットでSDGs(持続可能な開発目標)を全会一致で採択。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17項目の開発目標を設定した。しかし、その17項目すべての目標が達したとしても、ひとたび大規模なサイバーアタックを受ければ、すべての社会インフラの機能が止まってしまい、何もできなくなると石塚氏は指摘する。

 

「たとえば、すぐそこにあるコンビニエンスストアに、商品が何も並ばなくなる。つまり、石油ショックのときにトイレットペーパーさえ買えなくなったのと同じ状況になるどころか、人としての生活が存続できない状況になってしまう恐れがあるのです。“すべての社会インフラを止める”ということを本気でやられたら、果たして人間はどれくらい存続できるのか…想像もできないほど大変なことになるでしょう。ですから私は、サイバーセキュリティを、SDGsの18番目に位置付けてもよいくらい重要なものと考えているのです」

 

 

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ジュピタープロジェクト株式会社 代表取締役CEO

ソニーモバイル コーポレートバイスプレジデント、
ソニ―エリクソン 常務取締役、
ソニーディスプレイ事業部長、FTV事業部長など、
ソニーグループの要職を歴任。
米国、英国、ドイツ、ベルギー、シンガポール、ドバイなど、豊富な海外経験を持つ。

著者紹介

連載投資対象としても有望分野!?「サイバーセキュリティ業界」の可能性

取材・文/関根昭彦 撮影/杉能信介(人物)
※本インタビューは、2019年1月10日に収録したものです。