古民家投資で高収益が期待できる「身近な地方都市」6選

今回は、これから古民家投資を考える人におすすめのエリアを解説します。※本連載では、ハウスバード株式会社代表取締役の浅見清夏氏、マーケティングチームリーダーの鈴木結人氏、建築デザインチームマネージャーの竹内康浩氏が、「古民家」投資の最新事情をお伝えします。

専用ツールで「収益性の高いエリア」をリサーチ・分析

これまでの連載では、古民家をリノベーションして行う「一棟貸切旅館投資」の魅力についてお伝えしてきました。今回は、実際に物件を購入するにあたっておすすめのエリアをご紹介します。自社独自のプログラミングツールを使って全国の物件をリサーチ・分析した結果、意外なエリアも候補地として浮かんできました。

 

一棟貸切旅館用の古民家を購入する際に、最も重視すべきなのがエリアの選定です。ここを見過ってしまうと、その後の運営は非常に厳しいものとなるでしょう。具体的には次の条件に当てはまるところが、投資対効果が高いエリアになります。

 

●不動産取得コストが低い

●周囲の宿泊施設の客単価が高い

●周囲に宿泊施設が10軒以上ある

●国内外の宿泊者数の伸び率が高い

●交通の便が良い

 

日本中にある膨大な空き物件情報から、これらすべての条件をクリアする物件を探し出すのは至難の業ですが、弊社では、自社開発した独自のプログラミングツール「トレル君」と「ミエル君」を使って自動分析を行います。

 

「トレル君」は、住宅情報ポータルサイトなどから日々新着物件をピックアップし、掲載データから旅館業免許を取得できそうな物件かどうかを判別します。用途地域や間口の広さなどの条件により、そもそも旅館業免許の取得が難しい物件もあります。現在は、1日平均10件のペースで候補物件のデータをストックしています。

 

「ミエル君」は「トレル君」が蓄積した物件データを地図上にマッピングし、視覚化するためのツールです。物件の位置情報だけではなく、観光地や駅、バス停の位置などを地図上に全てマッピングすることができます。加えて、宿泊施設の客単価もマッピングすることができ、その際に客単価を色の濃淡で表すこと(単価が高くなるほど円の外周の色が黒くなり、安くなるほど白くなる)で、直感的に投資効果の高いエリアの選定を行うことができます。

 

[図表1]蓄積した物件データをマッピングして視覚化

観光地や駅、バス停の位置などもマップに追加することができる。 土地や、検討・選定した物件に対する理解が深まる。
観光地や駅、バス停の位置などもマップに追加することができる。
土地や、検討・選定した物件に対する理解が深まる。

 

[図表2]宿泊施設の客単価をマッピングし、客単価を色の濃淡で表現

どのエリアが高単価か可視化し、より直感的なエリア選別が可能に。
どのエリアが高単価か可視化し、より直感的なエリア選別が可能に。

 

例えば[図表2]は宮城県の例ですが、これを見ると仙台だけではなく、松島も客単価が高く需要があることがわかります。このように見落としがちなニッチなエリアを発掘できるのもこのツールのメリットです。

過去5年で外国人宿泊旅行者数が2〜6倍に伸びたのは…

観光客や宿泊客が多く、安定した収入が見込めるエリアといえば当然ながら東京と京都です。しかし、そもそも土地価格が高い東京はご承知のこととは思いますが、京都も近年、古民家投資の過熱に伴い、地価が徐々に上昇しており、不動産取得コストが高くなってきています。両地域ともに、利回りは安定するとはいえ、新規参入して古民家投資をする上では、以前に比べて高い利回りは見込めないかもしれません。そこで、弊社がおすすめするのは下記のエリアです。

 

 

国内観光客の伸び率、外国人観光客の伸び率、宿泊施設の稼働率、この3つのデータを元に分析した結果、愛知・福岡・千葉・北海道・神奈川・沖縄の6つのエリアに絞られました。

 

いずれも、2012年からの2017年にかけての5年間で外国人宿泊旅行者数が2〜6倍に伸びています。特に、福岡と北海道は伸び率が約4倍、沖縄は約6倍と急増しています。愛知や神奈川は、東京から関西方面に移動する途中に立ち寄り宿泊する観光客が増えています。北海道はスキーを楽しむために訪れる中国人観光客やオーストラリア人観光客に人気です。福岡や沖縄はアジア方面からダイレクトに訪問する旅行者が増えています。

 

番外編として、石川県の金沢や山中もここ数年で観光客が増えている注目のエリアです。客単価が高い割には不動産取得コストが低いため、利回りが良くおすすめです。山中や松島などのニッチなエリアほど、競合となるホテルが少なく、観光コンテンツを自分たちで作り上げていける魅力があります。

 

地方の自治体の中には、せっかくの魅力ある観光資源を上手にPRできていないところが多数あります。弊社では今後、地元と組んでの町おこしなどにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。例えば弊社が近年東京の曳舟に建てた宿では、商店街とコラボして宿泊客を周辺に観光案内する取り組みを始めています。ガイドブックには載らない地元の魅力を知ってもらうことで、商店街や街全体の活性化につなげていきたいと考えています。街全体が活気づけば、宿の稼働率アップにもつながるはずです。

物件の現地視察で確認すべき「重要ポイント」

候補となる物件が決まったら、現地視察でチェックしておくべき大事なポイントがあります。

 

●建物は劣化していないか?

●旅館業免許はとれそうか?

●観光地はどのくらい賑わっているか?

●宿が建つことに反対の住民はいないか?

 

などです。弊社では建築家やコンサルタントがプロの目で1つ1つ厳しくチェックしています。これらは、書面上のデータを見ているだけではなかなか見えてこない部分です。

 

写真ではキレイに見えた建物が、実際に見に行ってみると劣化が激しかったり、地元住民の中に宿の建築に反対派が多いことが判明したりするケースもあります。特に保守的な考えの人が多い地域では、外国人観光客が増えることへの不安を感じやすい傾向にあります。法律的に建てられないわけではありませんが、地元の理解が得らない中で強引に計画を進めてしまうと、最悪の場合中傷のビラを貼られるなどの営業妨害を受けるリスクがあります。

 

弊社では、周囲に反対意見がある場合は、宿が建つことのメリットを丁寧に説明し、コミュニケーションをとることで理解を得られるよう努めています。地元にとっても宿にとってもWin-Winな関係を築くことが、長く運営していくためには大切なポイントです。

ハウスバード株式会社 代表取締役社長

●青山学院大学 卒(在学中、上海・復旦大学に留学)
●アクセンチュア(株)戦略コンサルティング本部勤務
●中国・上海にて、幼児教育事業 レインボーバード幼児教室を起業後、ヤマトキャピタルパートナーズに売却
●政府系VC・産業革新機構にて投資サイドで勤務

著者紹介

ハウスバード株式会社 マーケティングチーム リーダー

早稲田大学卒
ハウスバード株式会社でのインターンシップを経て、新卒第1期生として同社に参画。
近隣住民対応や運営対応を経て、現在マーケティングチームのリーダーに就任。

著者紹介

ハウスバード株式会社 建築デザインチーム マネージャー

日本工業大学建築学科修士号。
株式会社アーキディアックに入社し、公共施設の設計・施工管理に従事。
2017年、ハウスバードへ建築デザインチーム マネージャーとして参画。

著者紹介

連載高まるインバウンド需要、税効果への期待・・・「古民家」投資の最新事情

 

 

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