コミュニケーション力の高い子を育てる「人」の知能とは?

今回は、コミュニケーション能力に影響する「人」の知能、目標達成力に影響する「人」の知能について見ていきます。※本連載は、モンテッソーリ教育を日本人向けにアレンジ・実践する乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳氏の著書、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)より一部を抜粋し、家庭で楽しく簡単にモンテッソーリ教育を実践する方法を紹介します。

人気者なら、仕事もプライベートもうまくいく

「人」の知能とは、他人の感情や意図、動機、欲求を理解して、他人とうまくやっていく能力のことで、この知能の高低がコミュニケーション力や人間関係の構築に大きく作用します。

 

幼稚園には、必ず他の子からも慕われる人気者がいます。ある子どもは人と関わるのが大好きで、登園するとカバンを放ったまま玄関で友だちがやってくるのを待っているほど。みんなで何か作業に取り組んでいるときも、絶えず友だちとお話をしているので、先生によく注意されていました。こういうタイプの子は、人に興味があるので、初対面の相手でも臆せずに話ができます。

 

こうして小さい頃から他人と関わる経験を重ねてきた子どもは、コミュニケーション力が高いので、大きくなってからも人間関係でトラブルを抱えることが少ない

 

それどころか、多くの仲間に囲まれて楽しい時間を過ごしています。

 

他人とうまく付き合っていく能力は、仕事に就いてからも重要です。

 

たとえば、営業の仕事は、人に興味を持ち、相手の感情や要望にうまく対応できる人のほうが結果は出ます。

 

もちろん、他人とあまり関わらずに済む仕事もありますが、組織で働く以上、ある程度のコミュニケーション力は求められます。

 

また、起業家やフリーランスとして働く場合も、人間関係やコミュニケーション力が仕事につながるケースが少なくありません。いずれにしても、一般的には他人とうまく関わりをもてる人のほうが、結果を出しやすいのは事実です。

 

だからこそ、子どもには乳幼児期から「人」の知能を伸ばすような体験をさせましょう。具体的には、同年代の子どもだけでなく、さまざまな年代の人とコミュニケーションをする機会をたくさん持つことです。

 

私自身の話をすると、私はキリスト教の家庭で育ったので、小さい頃から毎週日曜日は教会に出かけていました。教会には小さい子からお年寄りまで老若男女が集まります。

 

また、実家は両親の仕事柄、お客さんが多くやってくる家庭だったので、お手伝いをしながら多くの人と関わりをもちました。そのため、自然とさまざまな年代の人と話をし、他人と関わることが大好きになっていきました。

 

自分自身の経験からも、子どもたちはさまざまな年代の人と接点を持ったほうがいいと感じた私は、子どもといっしょに地域のミュージカルサークルに毎週参加することに。両親以外の大人、上級生や下級生と触れ合う経験をしたことで、娘たちは他人と関わりをもつことに苦手意識をもたなくなったように感じます。

様々な年代の人が集まる場に参加させよう

私の家もそうでしたが、今の日本はどんどん核家族化が進んでいます。平日は同級生や先生といっしょですが、土日は両親としか関わりをもたない子どもも少なくありません。

 

家庭に閉じこもっていると、子どもは両親の価値観にしか触れられません。それは、子どものためを思えば決して好ましいことではないでしょう。

 

社会にはさまざまな価値観があります。さまざまな年代の人とコミュニケーションをとることで、多様な価値観を知り、視野を広げることができます。

 

また、大人との接触が少ないと、子どもは必要以上に大人を恐れるようになってしまいます。

 

両親以外の世代の人と触れ合うこと機会があると、大人とも臆することなくコミュニケーションがとれるようになります。

 

「人」の知能を伸ばすのであれば、乳幼児期からさまざまな年代の人が集まる場に参加することをおすすめします

 

子どもといっしょに地域のコミュニティーや趣味のサークルに顔を出したり、親子キャンプツアーなどに参加するのもいいでしょう。

 

おすすめは、親子で海外留学すること。短期間でもいいので、異国の環境で海外の人と触れ合う体験は、子どもの対人関係力に大きなプラス効果を生みます。

 

もちろん、保育園や幼稚園なども子どもにとっては、「人」の知能を伸ばす絶好の場となります。

 

入園したばかりの子どもにとって、自分よりもいろいろなことができる年上の子どもは「憧れの存在」です。尊敬のまなざしで見つめ、ぴたっと寄り添うと、そばから離れません。そうすると、年長さんが年少さんに、遊び方を教えてあげます。

 

このようなコミュニケーションを体験すると、自らが年上の立場になったとき、自分がしてもらったときと同じように、年下の子に接することができます。

 

しかし、年上の子から何かを教わるという体験をしてこなかった子どもは、年下の子が「教えて!」とやってきても、うまく相手をできなかったり、「なんでこんなことができないの!」と相手を責めたりしてしまうことがあります

 

保育園や幼稚園は、人間関係やコミュニケーションを学ぶ絶好の場ととらえることが大切なのです。

目標達成能力の高い子が持つ「自分」の知能とは?

「自分」の知能は、自分自身の長所や短所などを理解したうえで、目標達成や動機づけなどを自律的に行う能力です。

 

この知能が発達している人は、いわゆる「妄想タイプ」が多く、人の話を聞かずに、頭の中で深く考え、妄想が膨らんでいくようです。

 

特に、起業家は、この「自分」の知能が突出しているタイプが多いとされています。

 

起業家として成功するためには、人から言われたことをこなすだけではダメで、自分自身の頭で起業プランや戦略を考える必要があるからでしょう。

 

「自分」の知能が発達している子どもは、内省的なのでとらえどころがない印象を持たれることも多々あります。

 

私が勤めていた幼稚園にも、いわゆる〝問題児〟がいました。ボーッとして行動が遅いので、担任の先生にいつも「〇〇くん、早くして!」と注意されていました。

 

先生の間では、「全然思い通りに動いてくれない」「何を考えているかわからない」という評価になっており、特に、担任の先生にはまったく心を開かず、1年間ひと言もしゃべっていない状態でした。

 

ある日、いつものように1人でボーッとしていたその子をそばで観察していると、彼がぼそっとひとり言を言っているのが聞こえました。近づいて「どうしたの?」と話しかけてみると、「〇〇ちゃんと〇〇くんは仲がよくて、〇〇くんと〇〇くんはいつもケンカしている」といった情報を教えてくれました。

 

その男の子は一見、何も考えずボーッとしているように見えたのですが、実は、まわりのことをよく観察して、自分なりにいろいろと分析していたのです。

 

こういうタイプの子でも、成長するにつれて活発な子になることもよくあります。みなさんも心当たりがあるかもしれませんが、長い人生では内省的な時期もあれば、活発的な時期もあるものです。

 

9つの知能がバランスよく伸びていれば、何かのきっかけで違う才能が開花して、性格や好きなことが変化することは十分考えられます。

 

「自分」の知能が突出している人は、自分勝手で、コミュニケーションが苦手というイメージを持たれがちですが、実際には、その反対のほうが多いもの。

 

内省的によく考えているので、自分自身を客観的に理解することができ、自分の気持ちをきちんと表現できます。また、自分の感情に敏感である分、他人の気持ちも汲み取ることもでき、人間関係もうまくいきます。

 

以上、本連載を通じて「9つの知能」の概要を説明してきました。

 

乳幼児期にこれらの知能をバランスよく伸ばすことを心がけると、子どもはどんな環境変化の中でも才能を引き出すことができ、人生も豊かになっていきます

 

 

伊藤美佳

「輝きベビーアカデミー」代表理事

(株)D・G・P代表取締役

 

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「輝きベビーアカデミー」代表理事
(株)D・G・P代表取締役

0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

モンテッソーリ教育を実践していく中で、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。子どもの隠れた才能を発見し、最大限伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。現在、自身のスクールを運営し、ママ向けの子育て講座やインストラクター養成講座を開催するほか、保育園・幼稚園教員向けに指導を行うため全国を飛び回っている。

著者紹介

連載子どもの才能を伸ばす「モンテッソーリ教育×ハーバード式」メソッド

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

伊藤 美佳

かんき出版

「9つの知能」で子どもの才能を見つけ、「集中(フロー)状態」でぐんぐん伸ばす! 史上最年少プロ棋士・藤井聡太さんが幼児期に受けた教育として、一躍脚光を浴びた”モンテッソーリ教育”。 最も脳が発達する幼児期に受ける…

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