子どものロジカル思考を伸ばす「数」の知能とは?

今回は、計算力や論理的思考に影響する「数」の知能、創造性に影響する「絵」の知能について見ていきます。※本連載は、モンテッソーリ教育を日本人向けにアレンジ・実践する乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳氏の著書、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)より一部を抜粋し、家庭で楽しく簡単にモンテッソーリ教育を実践する方法を紹介します。

計算や暗算、問題を論理的に分析したりする能力

「数」の知能とは、計算や暗算をしたり、問題を論理的に分析したりする能力のことをいいます。

 

この知能が高い人は、ロジカルに物事を考えることが得意です。

 

また、順序立てて考えられるため、整理整頓が上手な人が多いのも特徴といえます。

 

「数」の知能というと、理系に必要な能力という印象を持つかもしれませんが、論理的に考えることは文系でも求められますし、将来的には文系と理系の垣根が低くなっていきます

 

小学校でのプログラミングが必修化されたのも、そのあらわれのひとつです。文系・理系を問わず、赤ちゃんの頃から「数」の知能をバランスよく育てる必要があるのです。

 

「数」の知能を伸ばすためには、生活の中で数字に触れさせることが大切です。

 

たとえば、公園で拾ってきたドングリの実を並べて、いくつあるかいっしょに数えてみる。

 

また、「3秒だけ待ってね」「時計の針が10のところに来たら帰ろうね」など時間の感覚を身につけさせることも有効です。

 

こうして日常生活の中で数の概念に触れることによって、子どもの脳に数の概念が備わっていきます。

数えるだけでは「数の概念」は理解できない

ただし、家庭で数を教えるときには、大事な注意点があります。それは、1、2、3(イチ、ニ、サン)と口に出して教えるだけでは、本当の意味で数の概念を理解することはできない、ということです。

 

よくお風呂で「イチ、ニ、サン」と口で数えさせることがありますが、それだけではそれぞれの数字がどのような状態を意味しているのか、子どもには明確に認識できないのです。

 

「数」を教えるには、①数唱(イチ、ニ、サンという呼び方)、②数量(具体的な現実)、③数詞(1、2、3という数字そのもの)の三拍子をそろえないと、子どもは数を理解できません

 

たとえば、どんぐりの実物や絵を見せると同時に、数字を見せながら「どんぐりがイチ、ニ、サン」と発音がするのが、いちばん効果的なのです。

 

なお、数の感覚を磨けるような教材を使ってもいいでしょう。

 

合計100個の玉が並んでいる「100玉そろばん」は、私のベビースクールや保育園でも人気の教材です。

 

子どもが楽しみながら学べる教材を選んであげてください。

視覚的に空間のパターンを認識する「絵」の知能

「絵」の知能とは、視覚的に空間のパターンを認識する能力のことです。絵、色、線、形、距離に敏感に反応できたり、イメージできたりします。

 

いわゆる「空間認識力」も、この知能が大きく関係しています

 

特に、デザイナー、建築家、画家などクリエイティブな職業に就いている人は、「絵」の知能が高いと考えられます。

 

赤ちゃんに何か新しいモノを与えると、手に持って何度もひっくり返すような仕草をすることがあります。これは、モノを回転させることによって、どんな形をしているのか観察しているといわれています。本能的にモノを平面ではなく立体でとらえ、空間認識力を鍛えようとしているのでしょう。

 

さまざまな角度からとらえられる空間認識力が発達することによって、平面図を見て立体を想像したり、ボールを投げたりつかんだり、地図を見て行き先を把握したりできるようになります。図形問題なども得意になるでしょう。

 

こうした空間認識力を伸ばすには、積み木や折り紙などが最適です

 

実際にさまざまな形の積み木を手でつかみ、積み上げていくことによって立体でとらえる能力が培われていきます。折り紙も、紙という平面から立体のモノをつくりあげていく過程で、空間認識力が高まっていきます。

 

最近気になることは、iPadなどのタブレット上でしか積み木を経験したことがない子どもが増えていることです。とても便利で、子どもも夢中になりやすいかもしれませんが、やはり実物の積み木と違って肝心の空間認識力が身につきません。

 

また、「絵」の知能を伸ばすには、美術館などで一流の絵画作品やデザイン、彫刻などに触れることも大切です

 

色づかいや構図、線の強弱などを実際に目にすることによって、子どもは大人がびっくりするほどたくさんのことを吸収していきます。

空間認識力は、コミュニケーション力にもプラスに

「絵」の知能は人間関係とも無縁ではありません。

 

赤ちゃんは生まれてすぐに、空間を認識し始めます。出生直後の赤ちゃんの視力は非常に弱く、成人の視力の約30分の1といわれています。この視力だと、30㎝先が見える程度ですが、これは授乳時に母親とちょうど目を合わせられる距離にあたります。

 

赤ちゃんは、生まれた直後から落ち着く距離感を学んでいるのです。

 

こうしてほどよい距離感を学習した子どもは、大きくなってからも人との距離感を上手にとれるといわれています。

 

「絵」の知能(空間認識力)を高めることは、人との距離感を測ることに活かされ、コミュニケーション力や人間関係にもプラスの効果をもたらすのです。

 

 

伊藤美佳

「輝きベビーアカデミー」代表理事

(株)D・G・P代表取締役

 

「輝きベビーアカデミー」代表理事
(株)D・G・P代表取締役

0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

モンテッソーリ教育を実践していく中で、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。子どもの隠れた才能を発見し、最大限伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。現在、自身のスクールを運営し、ママ向けの子育て講座やインストラクター養成講座を開催するほか、保育園・幼稚園教員向けに指導を行うため全国を飛び回っている。

著者紹介

連載子どもの才能を伸ばす「モンテッソーリ教育×ハーバード式」メソッド

 

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

伊藤 美佳

かんき出版

「9つの知能」で子どもの才能を見つけ、「集中(フロー)状態」でぐんぐん伸ばす! 史上最年少プロ棋士・藤井聡太さんが幼児期に受けた教育として、一躍脚光を浴びた”モンテッソーリ教育”。 最も脳が発達する幼児期に受ける…

 

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