子どもの運動能力をぐんぐん伸ばす「体」の知能とは?

今回は、子どもの運動神経に影響する「体」の知能、表現力に影響する「言葉」の知能について見ていきます。※本連載は、モンテッソーリ教育を日本人向けにアレンジ・実践する乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳氏の著書、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)より一部を抜粋し、家庭で楽しく簡単にモンテッソーリ教育を実践する方法を紹介します。

ハイハイは運動能力の土台を作る時期

「体」の知能とは、体全体や身体部位を問題解決や創造のために使う能力のことです。

 

この知能の高低が、運動能力やスポーツの得手不得手にも関係してきます。

 

いわゆる「運動神経のいい子」はどんなスポーツでも短時間で習得し、そつなくこなすことができますが、このようなタイプは、乳幼児期の経験によって「体」の知能が発達したと考えられます。

 

「体」の知能を育てるには、身体の発達段階に合わせて、その時期に必要な運動や動作をさせることが必要です

 

赤ちゃんが1人で立って歩けるようになるまでの期間は、魚類から人類に至るまでの動物進化の歴史ということができます。

 

赤ちゃんは5億年にわたる進化の各段階を一つひとつじっくりクリアして、1人の人間として成長できるようにプログラミングされているのです

 

生まれたばかりの赤ちゃんは陸に打ち上げられた魚と同じ状態です。お母さんの羊水から抜け出して、肺呼吸を始めます。

 

しばらくすると、うつぶせの姿勢になり、「ずりばい」(両生類の歩行パターン)を始めます。

 

さらに、時間がたつと、「ハイハイ」(爬虫類の歩行パターン)を始めます。

 

その後、赤ちゃんはさらにつかまり立ち、二足歩行ができるようになっていきます。

 

「体」の知能を育てるために大切なことは、こうした体の発達のプログラムに合わせて、それを強化してあげることです。

成長のスピードを気にしすぎてはダメ

「つかむ」「握る」などの動きをあまりさせないでいると、将来、鉄棒やうんていなど握力を必要とする運動が苦手な子になってしまいます。

 

また、ベビーベッドやサークル内にいた時間が長くてずりばいやハイハイなどを十分にする機会がなかった子は、将来的に足腰の筋力が弱いなどのマイナス面があらわれることがあります。

 

さらに、バランス感覚も「体」の知能のひとつですが、乳幼児期にそれを育てる機会が少ないと、肩車をしたときなどに揺れに恐怖を覚え、泣き出すことがあります。

 

「うちの子は、他の子よりも歩き始めるのが遅い」などと成長の速度を心配する親は少なくありません。

 

しかし、成長のスピードには個人差がありますし、体の成長プロセスを考えれば、必ずしも早く歩かせることがプラスになるとはかぎりません。

 

大事なのは、発達段階に合わせて、それを強化するような運動をさせること。それによって、「体」の知能が発達し、運動に苦手意識を持たない子どもが育ちます

話し言葉・書き言葉を使いこなす「言葉」の知能

「言葉」の知能は、話し言葉や書き言葉を効果的に使いこなす力です。この知能の高低が、コミュニケーション能力に影響を与えます。

 

赤ちゃんは言葉によるコミュニケーションを十分にとれませんが、生まれたときからすでに父親と母親の声を聞き分けられるといいます。話しかけるとニッコリ笑うのも、両親の声をきちんと聞きとっているからです。

 

特に乳幼児期の子どもは、音を聞き分ける能力に長(た)けています

 

日本人が苦手としている英語の「L」と「R」の発音の違いも、生後8カ月くらいまでに正確な発音を聞かせるようにすると、大きくなってからも明確に区別できるといわれているほどです。

 

「まだ言葉がわからないから」と決めつけてはいけません。積極的に両親が話しかけることによって、子どもは両親の声を聞き分け、言葉を覚えているのです。まだ言葉を話さない時期でも、できるかぎり話しかけるようにしましょう。

 

おむつ交換のときも、黙々と作業をするのではなく、「〇〇ちゃん、おむつ換えようね」「たくさんおしっこ出たねえ」などと声をかけてあげましょう。赤ちゃんから言葉は返ってきませんが、その声は必ず子どもに届いています

 

ちなみに、赤ちゃんの頃は、「オノマトペ」(擬態語・擬音語)の音が聞き取りやすいと言われています。「ぱっぱっぱっ」「にょきにょき」「にゃんにゃん」といった表現を使ってあげるといいでしょう。

 

積極的に言葉や音を聞かせていると、将来的に子どもは言語能力が発達し、コミュニケーションを楽しめる子に育ちます。表現力も豊かになり、自分の気持ちをきちんと言葉で伝えられるようにもなります。

 

その結果、人間関係もよくなり、まわりの信頼も得られるでしょう。

 

言葉の知能を伸ばすことは、自分らしい豊かな人生を送るためにも必要な能力なのです。

子どもには「インプット」の機会が非常に大切

言葉にかぎらず、赤ちゃんの頃からさまざまな経験をさせると、子どもはすごい勢いで学び、吸収していきます。一つひとつの経験は「点」にすぎませんが、さまざまな経験をすることで「点」と「点」が結びつき、「線」となっていきます。

 

たとえば、小さい頃から言葉をインプットする機会に恵まれていると、それらが結びつき、ある日、突然言葉を話したり、読めたりするようになり、みるみる言語能力が発達していきます

 

言葉でのコミュニケーションがまだままならない時期は、言葉を教えたところで特に反応はありませんが、子どもの脳には確実にインプットされていきます。そのインプットされた数々の「点」がつながって「線」となり、言葉を話す、読むといったアウトプットにつながるイメージです。

 

個人的には極端な英才教育はおすすめしませんが、学習教材も適度にとりいれることで、子どものインプットの量を増やすことができます。

 

また、インプットと同じくらいアウトプット(話す、読む)も大事です

 

「これがまだできないのはまずいのでは・・・」。子どもによって発達のスピードが異なるとはいえ、まわりの子どもができていることを、自分の子どもができていない場合は親にとって心配でしょう。

 

たとえば、ひらがなの覚えがまわりの子どもよりも遅れている、というケース。子どもが興味を持たないうちに、ひらがなを教えようとしても、なかなか身につかず、親子ともにストレスがたまります。

 

そういうときは、子どもが興味のあることと関連づけて教えることをおすすめします。

 

子どもが昆虫に関心があるなら、フラッシュカードなどに昆虫の絵や写真と一緒に、ひらがなの情報を与えます。

 

かぶとむしの絵や写真のそばに「かぶとむし」とひらがなで書き、情報を忍び込ませるのです。

 

その場ではひらがなを覚えることはないかもしれませんが、子どもが本物のかぶとむしを目にしたとき、一気に興味を持ち、ひらがなの情報もいっしょに記憶していきます。

 

受験勉強に代表されるように、日本の教育は暗記などのインプットに重点を置きがちです。

 

しかし、インプットと同時に、それをアウトプットできる環境をつくらなければ、なかなか記憶として定着しませんし、活きた知識になりません。

 

だから、子どもに何を教えるときも、インプットさせることも大事ですが、それと同じくらいアウトプットも大切です。外に出かけていろいろと経験させることによって、インプットされた知識が現実のものに結びつきます

 

インプットとアウトプットは両方とも大切であることを意識しておくと、子どもはさまざまなことに関心を持ち、言葉の吸収力もグンとアップするはずです。

 

 

伊藤美佳

「輝きベビーアカデミー」代表理事

(株)D・G・P代表取締役

 

→毎日読むのが楽しみ!「幻冬舎ゴールドオンライン」無料メルマガ登録はこちら​

 

 

幻冬舎ゴールドオンラインの主催・共催・協賛セミナーをいち早くお届けする、

LINE@アカウントを始めました!お友達登録はこちらからお願いします。

 

友だち追加

 

「輝きベビーアカデミー」代表理事
(株)D・G・P代表取締役

0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

モンテッソーリ教育を実践していく中で、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。子どもの隠れた才能を発見し、最大限伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。現在、自身のスクールを運営し、ママ向けの子育て講座やインストラクター養成講座を開催するほか、保育園・幼稚園教員向けに指導を行うため全国を飛び回っている。

著者紹介

連載子どもの才能を伸ばす「モンテッソーリ教育×ハーバード式」メソッド

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方

伊藤 美佳

かんき出版

「9つの知能」で子どもの才能を見つけ、「集中(フロー)状態」でぐんぐん伸ばす! 史上最年少プロ棋士・藤井聡太さんが幼児期に受けた教育として、一躍脚光を浴びた”モンテッソーリ教育”。 最も脳が発達する幼児期に受ける…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧