空家増・相続問題・暴落懸念…不動産を売りたい人が増えている

空き家の増加、相続問題、暴落の心配などから、不動産の売却を希望する人が増えています。本連載では、不動産売却の選択肢として「オークション」を上手に利用する方法と、その他不動産売却に伴う注意点を解説します。

不動産を「思い通りの値段」で売れる人はごく一部

さて、主に前述してきたような6つの理由や動機から「不動産を売ろう」となったとき、多くの人が考えるのは「できるだけ高く売りたい」ということでしょう。急いでいる人は「早く売りたい」という気持ちも働きます。

 

実際のところ、昔から不動産を売りたい人は一定数いましたが、近年は特に上昇傾向にあるようです。不動産流通推進センターの調査によると、平成28年度に新規で売りに出された物件数は全国総数で約162万件となっています。平成20年度の約124万件からほぼ毎年、右肩上がりに上昇を続け、この9年間で約40万件も増えたということです。

 

ところが、不動産を自分の思い通りの値段や予想以上の値段で売れる人は、ごく一部のラッキーな人に限られます。自身に不動産売却の経験がなければ、周りで不動産を売った経験のある人に聞いてみれば分かると思いますが、おそらくほとんどの人が「思っていたより安かった」とか「あれが適正価格だったのか分からない」と答えるでしょう。なかには「完全に買い叩かれた」という人もいるかもしれません。

 

どうしてそういう憂き目に遭ってしまうかというと、そこには素人の目には見えにくい〝買取業者の論理〟があります。

 

例えば、不動産のような大きな売買でなくても、ブランド品などの買取額をめぐっての客と店主との攻防は、だいたい次のようなものです。

 

店主が物品を査定して出した金額を伝えると、客は納得のいかない様子で「もう少し高くならない?」「買ったときはもっと高かったのよ。いい商品なのは間違いないんだから」「あと1万円くらいオマケしてよ」などと要望します。すると、店主は「これが精一杯なんですよ」「先月までは買取セールをやっていて、もう少し色を付けられたのですが」などと答えます。

 

高く買ってほしい客と、安く買いたい店主との一騎打ちです。こういうリアルなやり取りは単に傍観者として見ている分には面白いのですが、当事者同士は必死です。しかし、最終的には、店主が提示した〝これ以上は高くできない〟という価格で決着します。決着の仕方は、客が納得して売るか、納得いかずに交渉が流れるかの二つに一つです。

 

店主が「これ以上は出せない」と言い「嫌なら売ってくれなくてもかまわない」という態度で来られると、たいていの客は「仕方がない」と折れます。業者側はこれを商売にしている百戦錬磨のプロですから、初めての客が太刀打ちできるわけがありません。結局は、提示された金額を飲むか飲まないかしかないわけです。これが業者の論理です。

 

店主にとって客が持ってきた物品が魅力的で、ビジネス上どうしても手に入れたいものなら、高めの価格を提示してくれますが、そうでない場合はシビアな金額を提示してきます。たいていの場合、後者の部類に入ってしまうことが多いので、客は安くても売る羽目になってしまいがちです。

 

このように、買取というのは基本的に〝業者優位〟の交渉で事が進んでしまうのです。これは、不動産の買取でも同じです。不動産業者の先導で交渉が運んでしまうことが多いため、売り手は安い価格でも目をつむって売ることになります。「買い叩かれた」などの残念なケースは、この業者の論理にまんまとはまってしまった結果と言えるかもしれません。

 

 

株式会社共信トラスティ 代表取締役 不動産鑑定士
土屋 忠昭

 

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株式会社共信トラスティ 代表取締役 不動産鑑定士

三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)勤務を経て、株式会社共信(創立平成2年)にて地方銀行の担保評価および担保不動産ほか種々の不動産売買の仲介業務を担当。平成14年6月に株式会社共信トラスティを設立して同業務を承継。担保不動産等の売買に豊富な実績を持つ。

著者紹介

連載オークションを利用した「不動産売却」の注意点

本連載は、2018年3月23日刊行の書籍『不動産は「オークション」で売りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

不動産は「オークション」で売りなさい

不動産は「オークション」で売りなさい

土屋 忠昭

幻冬舎メディアコンサルティング

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