経営者のリテラシーも必要…有能な法人保険営業を見抜く方法

今回も、法人保険の販売代理店・担当者選びのポイントを見ていきましょう。広い視野で比較できる営業担当者の見極め方を考察します。※法人保険で税金対策を行うには「全社・全商品比較」と「出口戦略」が不可欠です。本連載では、入り口となる「全社・全商品比較」をしっかり行ってくれる保険営業担当者、豊富な戦略をもとに一緒に「出口」を考えてくれる営業担当者の見極め方を紹介します。

医療保険やがん保険を押してくる担当者も要注意

前回の続きです。

 

⑥共済など、従業員の退職金制度の仕組みを知っているか

 

法人保険の活用では、従業員の退職金制度と密接に関係したスキームも少なくありません。共済、適格退職年金制度、確定給付年金制度、確定拠出年金制度などの各種退職金年金制度の理解がなければ、法人保険による的確な従業員退職制度の設計を行うことはできません。

 

共済においては、「中小企業退職金共済」や「セーフティ共済」など、100%損金で100%以上返戻率のある積立商品が、公にあります。セーフティ共済は、限度額800万円と非常に少ないですが、すぐれた公の制度です。まずは、この積立から取り組み、限度額を超えたら法人保険を活用するというのは一般的ですが、そういった情報提供もせずに、一方的に法人保険ばかりを押し付けてくる営業担当者は要注意です。

 

また、公的な社会保険制度をしっかり説明せずに、保険業界のカモ商品と言われている一部の医療保険やがん保険を押してくる営業担当者も要注意です。普通に日本語が読めて算数ができる人であればすぐにその効果の弱さを実感するはずですが、リテラシーが低いと営業担当者に押し切られてしまうのです。

保険業界にはさまざまな販売ルールがあるが…

⑦民法や会社法など、各種法令に精通し、業界ルールも遵守しているか

 

弁護士や司法書士、行政書士など、試験制度によってこういった法律を熟知している専門家ならよいのですが、税理士は民法が試験科目になく、保険営業担当者にいたっては、精通するというレベルでの法令の試験は一切ありません。日本では、すぐに保険の販売資格が取れてしまいます。現役の水商売の方でも、保険の販売資格を持って、活躍している女性や男性は多数存在します。しかし、相続であれば民法や会社法・不動産関連法、法人決算対策であれば、会社法・労働法・不動産関連法などが深く関わってきます。そういったことを無視してスキームを行ってしまえば、大変なリスクを負うことになります。

 

また、業界には保険業法をはじめさまざまな販売ルールがあります。とある医療保険やがん保険を専門にする保険会社では、毎年のように、「保険料を営業担当者が立て替えた」「名義の貸し借りをした」「説明が不十分」「お客様のお金を使い込んだ」「契約してくれた御礼に時計を買ってあげた」など多種多様な事件が起きており、その度に、代理店向けに注意喚起のFAXやお知らせが届きます。

 

このような注意喚起を何度行っても、毎年必ずどこかの保険会社で事件事故が起きます。2017年も1社専属系のS生命で1億円詐欺事件があったことはメディアでも大きく取り上げられました。保険営業担当者は基本的に歩合制が多く、なんとか売ろうとするため、本社がどれだけコンプライアンス研修をしても、行き過ぎた営業活動がどうしても出てしまうのです。これは一部の金融機関代理店でも同じです。

 

海外保険においても同様です。この法律が良いか悪いかは別として、保険業法には海外の保険について罰則規定があり、それを守らない違法営業マンが急増しています。そういったルール違反の営業に巻き込まれてしまえば、税務調査の要因になるなど、あとあと大変な思いをする可能性が高くなります。ルールを理解して、ルールを適正に活用できる営業担当者との付き合いが重要です。

公平で視野の広い比較をする営業担当者と付き合おう

⑧保険以外の他の金融商品との比較ができるか

 

これは、昨今、保険営業担当者に非常に強く求められているスキルです。このスキルが、保険営業担当者や代理店の売上や事業の成功の、格差を生む部分といっても過言ではありません。次に挙げるとおり、それぞれの対策において、比較すべきものはたくさんあります。

 

<決算対策で比較されるものの一例>

・100%損金保険 50%損金保険 50%損金MHPプラン 50%損金GHTプラン

・オペレーティングリース米ドル建て5年物 オペレーティングリース円建て5年物

・コインランドリー投資 ヘリコプター投資 太陽光発電投資 風力発電投資

・海外中古不動産投資 国内中古不動産投資

 

<相続対策で比較されるものの一例>

・相続専用保険(ふやしてのこす) 相続専用保険(圧縮してのこす) 海外の生命保険

・タワマン節税 アパート建築節税

・持ち株会社設立 一般社団法人設立 各種信託 M&A

 

<資産運用対策で比較されるものの一例>

・資産運用型保険(定額タイプ)  資産運用型保険(変額タイプ)  資産運用型保険(2階建てタイプ)

・海外不動産投資(ハワイ、ニューヨーク系)

・海外不動産投資(テキサス、フロリダ、ニューヨーク郊外系)

・海外不動産投資(英国、ドイツ、豪州、ニュージーランド系)

・海外不動産投資(フィリピン、ベトナム、バリ、カンボジア系)

・都内23区の不動産投資、地方政令指定都市での不動産投資(福岡、北海道など)

・アンティークコイン投資

・仮想通貨投資

・日本の証券会社で買える株式や投資信託、ファンドラップなど

・海外で買える予定利率7%以上の積立商品、クーポン10%以上の債券など

 

 

これらはほんの一例です。それぞれの業者は自分のところが一番だと思って営業に来ます。それはビジネスですから当然です。しかし、それらを広い視野で比較できる営業担当者は非常に少ないと思います。結局、一番会っている人や営業に来てくれる人に押し切られたり、人間的にウマが合う人から、仕方なくスペックの悪いものを買ってしまったり、といった結末になりがちです。

 

そこが保険活用の格差を生む源泉の一つです。確かに保険の営業担当者は、しつこいくらいによく電話をかけてきて、「いい商品があります」と連呼します。その人は仕事だからそう言っているだけで、会社から命令されて言っているだけかもしれず、非常に視野の狭い世界で動いている人かもしれません。こういった営業担当のカモにならないよう、公平で視野の広い比較をしてくれる営業担当者と付き合うことが非常に重要です。

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

連載法人保険の販売代理店選びで「タックスメリット」を最大限に引き出す方法

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

 

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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