介護が原因となって、親のみならず子の世帯までが貧困化し、やがて破産に――いわゆる「介護破産」は、もはや社会問題の一つになっています。しかし、利用する側が積極的に動いて情報を集め、最適なサービスや施設を正しく見極めれば、介護破産に陥るリスクは大きく軽減できます。そこで本連載では、介護破産を回避する「介護サービス」「施設選び」のポイントを紹介します。

介護期間は「平均寿命+2年」で計算すると安心

親の介護にはどのくらいの費用がかかり、誰がどのように払っていくのか、親の現在の年齢と平均寿命、平均介護年数、介護に必要な平均費用を照らし合わせて余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

 

前述した通り、2013年の日本人の平均寿命は、男性が80.21歳、女性が86.61歳で、健康寿命の平均は、男性71.19歳、女性74.21歳です(平成28年度高齢社会白書)。この時から介護が必要になると考えると、介護期間は男性で約9年、女性で約13年ということになります。

 

親の年齢が健康寿命を超えている場合は、平均寿命との差を求めることで、介護期間の目安がわかります。ゆとりを持って平均寿命+2年くらいで計算しておきましょう。

現在の資産、今後の支出・収入等をまとめておく

以下、介護の資金計画の立て方を、順を追って見ていきます(★印は安定性が低いので注意を要する項目)。

 

1.まず、現在の資産をまとめてみます。

 

●預貯金、退職金

★所有不動産

★株式や国債などの有価証券 など

 

2.次に、今後予定される支出と収入をまとめます。

(今後の支出予定)

 

●自宅のリフォーム、買い替え

●生活費・車の買い替え

●葬儀、墓の費用

●医療費、入院費など(今後の収入予定)

●年金収入

●預貯金利息

★株式配当、不動産収入など

★親族(兄弟姉妹、おじ、おばなど)から援助可能な金額

 

3.そして、大まかに次の計算式にあてはめてみましょう。

 

総資産=現在の資産+今後の収入予定−今後の支出予定

 

介護にかかる総経費(施設入所の場合)=【入所を希望する施設の居住費+食費+介護費用+その他】×12カ月×介護が必要な年数+初期費用(入所一時金など)

 

介護にかかる総経費(在宅介護の場合)=【居住費+食費+光熱水費+その他雑費+介護費用の自己負担分】×12カ月×介護が必要な年数+初期費用(住宅改修費・福祉用具の購入費)

 

[図表3]介護に必要な費用

本連載は、2017年6月23日刊行の書籍『人生を破滅に導く「介護破産」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。介護保険サービスの金額は、社会福祉法人サンライフの金額を参考に記載しています。実際の金額は利用する施設などへお問い合わせください。本来、施設の種類によって「入居」「入所」と書き分けるべきですが、文章の分かりやすさに配慮し、すべて「入所」に統一しています。

人生を破滅に導く「介護破産」

人生を破滅に導く「介護破産」

杢野 暉尚

幻冬舎メディアコンサルティング

介護が原因となって、親のみならず子の世帯までが貧困化し、やがて破産に至る──といういわゆる「介護破産」は、もはや社会問題の一つになっています。 親の介護には相応のお金がかかります。入居施設の中でも利用料が安い…

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