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修繕して100年使えるマンション 14の条件で耐久性チェック

本記事では、修繕して100年使えるマンションの「耐久性」を実現する14の条件を取り上げます。

見た目も大切だが、やはり重要なのは「内部」

都市部の限られた場所に立つマンションは「公共性」がキーワードになります。多くの人のニーズに合うデザインで、壊れづらく、修繕しながら使い続けられるマンションにするには、どのような条件が必要なのか、具体的に紹介していきます。

 

建物はよく人の体に例えられます。コンクリートが筋肉、設備配管が血管、鉄骨が骨、電気配線が神経で、外装は洋服のようなものです。もちろん見た目も大事ですが、やはり、外からは見えにくい「体」、つまり建物そのものがしっかり造られていないと、見た目がどんなにきらびやかであっても、不具合が生じて、どうしても寿命が短くなってしまうのです。

 

例えば人の体のなかでも、血液が流れる血管は、詰まったり破裂したりすると命に関わります。設備配管も同じで、もし詰まってしまうと建物に悪影響を与えてしまいます。外観にとらわれず、構造や内部についての条件もしっかり押さえておきましょう。

コンクリートの「水セメント比」は60%以下か?

条件①:使用するコンクリートの基準がしっかりできている

 

建物の筋肉といわれるのが、コンクリートです。体を支えるのに筋肉が欠かせないように、建物にとっても、コンクリートの強さが非常に重要です。では、その強さはどのように決まるのでしょうか。

 

そもそもコンクリートとはどのようなものなのか、からお話します。コンクリートは、セメント、水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)、混和材料から構成されます。混和材料とは打設作業(コンクリートを型枠に流し込む作業)をしやすくしたり、強度や耐久性を向上させたり、凝固速度を調整したりするためにコンクリートに混ぜる薬剤のことで、混ぜるのは比較的少量です。

 

コンクリートの強さは、「Fc:設計基準強度(建物の構造的強度)」「スランプ」「水セメント比」を見ると分かります。

 

Fcは、「Fc=18(N/㎟)」「Fc=24(N/㎟)」などと記されます。これは、それぞれ、「1平方ミリメートル当たり18 ニュートン」まで、「1平方ミリメートル当たり24ニュートン」まで耐えられる、という意味になります。

 

鉄筋コンクリート造りの集合住宅の場合は、Fc=24以上であることが望ましいです。

 

スランプは、生コンクリートの軟らかさを表します。これは、スランプ実験で求めます。以下の図表1のように、高さ30㎝の円錐形の容器(スランプコーン)に生コンクリートを詰めて引き抜き、どれだけ頂点が下がったかを計ります。

 

[図表1]スランプ試験の手順

 

頂点が5㎝下がれば「スランプ5㎝」となります。軟らかいほど、スランプの値は大きくなり、一般には次のような目安があります。

 

●建築物用(ビル、マンション等)→15〜18㎝程度の軟らかい生コンクリート

●土木構造物用(ダム、道路等)→5〜12㎝程度の硬い生コンクリート

 

条件②:使用されているコンクリートの水セメント比が60%以下である

 

コンクリートの強度を表すもう一つの指標「水セメント比」は、水とセメントとの割合で「水量÷セメント量」の百分率で示されます。水が50ℓ、セメントが100㎏の場合は、水セメント比50%となります。

 

水が多いほど練りやすく、型枠にも打ち込みやすくなりますが、コンクリートの強度は低下します。水セメント比が低いコンクリートのほうが、強度も品質も高くなります。住宅金融支援機構では、水セメント比の最大値を、一般的なコンクリートの場合で65%と定めています。自社の基準として、それよりも低い60%以下に設定している事業所であれば安心といえます。

生和コーポレーション株式会社 設計部副部長
美術学修士
一級建築士
賃貸不動産経営管理士
愛知県立芸術大学大学院非常勤講師 

1965年愛知生まれ。生和コーポレーション株式会社設計部副部長。愛知県立芸術大学大学院卒業後、建築事務所に入社、建築物デザインに携わる。その後生和コーポレーションに入社し、収益不動産の計画、設計、建築を担当。「企画・経営管理力」「豊富な商品力」「ニーズを具現化する技術力」「安定した高入居率」を武器に、ただ収益を上げるためだけではなく、「豊かな生活を送れる街づくり」を考えたマンションを建設している。美術学修士、一級建築士、賃貸不動産経営管理士。愛知県立芸術大学大学院非常勤講師。

著者紹介

愛知工業大学工学部建築学科 愛知工業大学工学部建築学科教授

1958年静岡生まれ。愛知工業大学工学部建築学科教授。同大学を卒業後、東孝光建築研究所、北岡デザイン事務所を経て、1986年「安井秀夫アトリエ」を開設する。インテリアから建築、都市計画と幅広く設計・デザイン活動を展開し、現在では海外でも設計を行っている。研究テーマは建築計画、建築設計、インテリアデザイン、環境デザイン。1997年国際照明デザイナー協会賞、1998年IIDA北米照明学会賞を、海外で受賞。国内でもNashopライティングコンテスト最優秀賞、旭硝子デザインセレクション大賞など、数多くの受賞経験を持ち、国内外で高い評価を受けている。

著者紹介

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本連載は、2018年2月28日刊行の書籍『これからのマンションに必要な50の条件』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

これからのマンションに必要な50の条件

これからのマンションに必要な50の条件

熊澤 茂樹,安井 秀夫

幻冬舎メディアコンサルティング

供給過多により空室リスク・管理不全を回避せよ! マンションの資産価値を高め、数十年先も安定収入を生み出すために知っておくべき50の条件 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、都心部を中心にマンション…

 

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