節税?保険代わり?目的に合わせた「不動産投資」活用術

今回は、節税・保険・年金といった目的に即した不動産投資の方法を見ていきます。※医師は一般のサラリーマンより高収入であるにも関わらず、日本の高所得者に対する重い税負担と医師特有の複雑な資産背景が影響し、多くの医師の貯蓄額は一般家庭と比べても低水準にあります。本連載では、給与所得を中心とした日本の所得税の仕組みから、減価償却を利用した不動産投資による節税策、資産を次世代へ引き継ぐ相続税対策まで、医師が行うべき節税について網羅的に解説していきます。

節税目的…堅実にいくなら「区分マンション」がベター

不動産投資を行う場合、「節税目的で買う」「保険目的で買う」「年金目的で買う」など、目的によって選択する物件が異なります。したがって、物件選びは、その目的にかなうかどうかという視点で考えましょう。

 

例えば、現在60歳で「65歳までにキャッシュフローで生活できるようになりたい」ということであれば、ハイリスクをとってでも高利回り物件を選ぶか、多額の自己資金を投じて購入する必要があるということです。

 

また、「利益がすぐ出なくてもいいから、ステータスのために銀座や六本木などの一等地に物件が欲しい」という考えの方もいるでしょう。もちろん最低限の賃貸ニーズがなければ投資は成立しませんが、ある程度〝好み〟で物件を選ぶ方も珍しくありません。

 

いずれにしても選択肢が多い不動産投資において、大きく分かれるのは「区分マンション」か「一棟マンション」というところです。どちらもメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとはいい切れません。堅実にいきたいのなら「区分マンション」ですし、多少なりともリスクを負って大きく儲けたいなら「一棟マンション」ということになります。

 

とはいえ、ここ数年、不動産投資ブームが過熱しており、収益物件の物件価格が高騰しています。都心・駅近・築浅の一棟物件であれば利回り3〜4%前半くらいです。しかも金額が大きく、最低でも数億円はします。

 

地主であれば、所有している土地の上に建物を立てるだけなので、利回りも高くなります。最近では地方のアパートを売って多額のキャッシュを持った地主が、頭金をたくさん入れて都心の物件を買っています。相続では、資産の組み換えが重要となり、田舎の土地を売ってタワーマンションを買うような節税法も一世を風靡(ふうび)しました。

 

また、プロ投資家が実践するような、築古物件を購入して自分でリノベーションをするというのも有効な投資法でしょう。しかし、そうした手法は多忙な本業を持つ医師には難しく現実的とはいえません。あくまで節税のために行う不動産投資では、選ぶべき物件はほぼ決まっています。

保険目的…団信に加入し、家族に安心感を

続いて、保険目的で行う不動産投資について解説しましょう。

 

個人で金融機関から借入を行って不動産投資を始める際には、団体信用生命保険(団信)への加入が必須となります。団信は、ローンを借りた人に万が一の事態が起きたときにローンの残債分の保険金が金融機関に支払われ、ローンを全額清算することができる保険です。つまり、自分が亡くなった場合に残された家族は返済する必要がなくなり、なおかつ「毎月の安定した家賃収入」が入ってくることになります。

 

団信の保障対象は基本的に死亡・高度障害状態になった場合ですが、最近ではガン・脳卒中・急性心筋梗塞などの三大疾病に、重度慢性疾患(高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)などもカバーした八疾病保障付き団信が登場しています。

 

まさに生命保険料控除限度額のない八疾病保障付きの死亡保障の生命保険に加入するのと同じといえます。また掛け捨てにはなりませんから、それも大きな魅力といえるでしょう。

年金目的…ローン完済後は「家賃収入=私的年金」に

厚生年金の保険料は、平成16年の年金改革により、同年から毎年0.354%ずつ段階的な引き上げが行われていました。平成29年9月を最後に引き上げが終了し、以降は18.3%で固定されます。この厚生年金保険料の引き上げの背景には、深刻な少子高齢化をはじめ、年金未納問題、経済成長の鈍化があります。そのような状況の中、老後の生活に不安を感じている人も多くいます。

 

「生命保険文化センター」によれば、世帯主が60歳以上で無職である世帯(世帯員が2人以上)の家計をみると、実収入から非消費支出(税・社会保険料等)を差し引いた可処分所得約18.0万円に対して、消費支出は約24.8万円で、1カ月間に約6.8万円が不足しています。もっと余裕を持った暮らしを送りたいと思えば、より多くの老後資金が必要となるでしょう。

 

[図表]「世帯主が60歳以上の無職世帯(2人以上の世帯)」の1カ月間の収入と支出

こうした将来不安の中、不動産投資での私的年金づくりが注目を集めています。不動産投資では、金融機関からの借入を行うケースが多いですが、月々の返済は入居者からの家賃収入によってまかなうことができます。そうしてローンを完済すれば、家賃収入がそのまま年金代わりになるのです。

 

この不動産投資による私的年金づくりは、個人年金保険と比較しても安いものです(むしろ物件によってはプラス)。個人年金保険のように受取可能期間はなく、半永久的に家賃収入が得られます。かつ利回りも保険に比べて高く、繰り上げ返済によってその利回りを高めることも可能です。

 

 

秋葉 侑輝

東京不動産投資株式会社 代表取締役

 

東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:「勤務医ドットコム」(https://kinmui.com/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

秋葉 侑輝

幻冬舎メディアコンサルティング

診察、事務処理、学会準備・・・ 休む暇なく働いているのにお金が貯まらないドクターへ 手取り額を増やして資産を築くために、押さえておきたいマネーリテラシー

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