不動産の収入・経費の計算…損害保険料、修繕費等の扱いは?

今回も前回に引き続き、確定申告書を元に、不動産の収入や経費の計算方法を解説します。※医師は一般のサラリーマンより高収入であるにも関わらず、日本の高所得者に対する重い税負担と医師特有の複雑な資産背景が影響し、多くの医師の貯蓄額は一般家庭と比べても低水準にあります。本連載では、給与所得を中心とした日本の所得税の仕組みから、減価償却を利用した不動産投資による節税策、資産を次世代へ引き継ぐ相続税対策まで、医師が行うべき節税について網羅的に解説していきます。

火災保険・地震保険は、その年にかかった保険料を計上

前回に引き続き、確定申告書を参考に、不動産所得の収入・経費に関して各項目を解説していきます。なお、確定申告書に記載の各項目数値は、購入初年度のみ計上できる数値を含んでおり、計算をわかりやすくするための概算値です。

 

[図表1]記載例①(収支内訳書1ページ)

[出典]国税庁ホームページ
出典:国税庁ホームページ

 

[図表2]記載例②(収支内訳書2ページ)

[出典]国税庁ホームページ
出典:国税庁ホームページ

 

ロ 損害保険料

 

火災保険、地震保険は、その年にかかった保険料を経費計上できます。損害保険を1年単位の契約で保険料を払うのであれば、全額経費計上となりますが、2年、5年、10年等の複数年の単位で契約を結び一括で保険料を支払ったケースは、1年ごとに経費化していくことになります。

 

なお、支払った損害保険料のうち自宅等の賃貸事業用でない部分に対応する金額は経費計上できません。

 

(例)火災保険料 5年契約 2万円だった場合
2万円÷10年契約 = 2000円(毎年2000円ずつ10年かけて経費計上していく)

 

ハ 修繕費

 

所有不動産(建物)の修理・修繕にかかった費用のことを修繕費といいます。内装リフォームや設備交換、破損箇所の修理などにかかった費用が該当します。

 

気をつけたいのは、リフォームや修理などの工事をした際、税務上その内容によって「修繕費」か「資本的支出」に分かれることです。

 

簡単に説明すれば、修繕費は資産の原状回復(もとの状態に戻すイメージ)のための費用で、資本的支出(大規模リノベーションなどによってバリューアップしたイメージ)は購入時より資産の価値を高めるための費用です。

 

修繕費に区分されるものは、その年の必要経費に算入できますが、資本的支出に区分されるものは、減価償却費として計算した部分をその年の経費に算入していきます。このあたりは判断が難しいので、税理士などの専門家に事前に相談してください。

管理に関わる資金は、管理費と修繕積立金に大別できる

ニ 管理費・修繕積立金(管理準備金・修繕積立基金)

 

管理に関わる資金は、大きく分けて「管理費」と「修繕積立金」の二つがあります。順番に見ていきましょう。

 

まず管理費とは、マンションの共用部分にあるエレベーターの点検、共用部分の清掃、管理員の窓口業務など日常管理業務に充てる費用のことをいいます。マンションの設備を点検する費用や、共用部分の清掃費用・水道光熱費、管理人の人件費などが管理費に含まれています。つまり、マンションの住人が毎日快適に生活できるよう、共用部分を維持するために必要な費用をマンションオーナーが負担するものです。

 

次に、修繕積立金は、外壁の補修、屋上の防水工事、建物診断など、建物を長期的に維持するために使われます。修繕積立金は、将来的な大規模工事に備えて積み立てていこうというものです。金額は長期修繕計画(マンションの老化を防いで性能を維持するために、管理組合が作成する長期的な修繕計画)に基づいて定められ、そのマンションに住んでいる戸数によっても変動します。修繕積立金は分譲後数年かけて段階的に上がっていくケースが多いです。

 

最近のマンションの耐用年数は、50年とも100年ともいわれていますが、それだけ長期間住み続けるのであれば、マンションの外壁や屋根、エレベーターといった建物や機械設備などの修繕を定期的に行わなければなりません。

 

つまり、修繕積立金とは、マンションのメンテナンスや工事を行い、できるだけ長く価値を保つために必要不可欠な費用ということです。

 

最後に、管理準備金・修繕積立基金ですが、分譲購入時の一時金として最初の購入者が支払います。たとえ数年後に売却しても、この一時金は返還されませんので注意が必要です。


※ここでは、管理費等(一時金含む)を20万円(概算値)として計上しています。

 

ホ 雑費

 

業務上の費用であり他の経費に当てはまらない経費を経費計上できます。


※ここでは、雑費を30万円(概算値)として計上しています。

 

東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:医師のための不動産投資メディア「不動産投資アカデミー」(https://ft-academy.jp/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載医師のための節税の教科書

 

医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

秋葉 侑輝

幻冬舎メディアコンサルティング

診察、事務処理、学会準備・・・ 休む暇なく働いているのにお金が貯まらないドクターへ 手取り額を増やして資産を築くために、押さえておきたいマネーリテラシー

 

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